りぼん2007年12月号感想

またしても別冊付録、嬉しい悲鳴が止まりません。
他の付録も、派手なビニールバッグが面白かったです。

作品は…面白くなってきてもいますが、やはり読んでいて辛くなる作品が流行りなのでしょうか?単に四月新連載の問題でしょうか。
「チョコミミ」が巻頭カラーというのもちょっと興味深いですね。

130cmからメリークリスマス(持田あき)白雪ポップ(小桜池なつみ)パラレルタイムクリスマス(松本夏実)光の巣へ(えばんふみ)アニマル横町(前川涼)チョコレートコスモス(春田なな)株式会社ラブコットン(樫の木ちゃん)月光クロネコ屋(彩原その)恋愛調査隊(萩わら子)HIGH SCORE(津山ちなみ)ロッキン☆ヘブン(酒井まゆ)山本善次朗と申します(槙ようこ)青空ポップ(小桜池なつみ)CRASH!(藤原ゆか)真夜中にKiss(持田あき)流星アストロマンス(雪丸もえ)紳士同盟(種村有菜)次号予告
*別冊付録掲載の本誌連載の番外編は、本誌連載での該当作の前に並べます。

130cmからメリークリスマス
少し強い感じのタッチですね。
130cmは身長などではなく壇の高さでしたか。結構高いですよね。まあ頭蓋骨や脊髄じゃなくて足の骨でよかった。
どう見ても朱瀬くんは恋塚さんのことが大好きなのに、まるっきりそう思っていないというのがなんだか面白いです。
ちょっと声聞きたくなって…わかります。でも僕にはこうして用もないのに電話をかける勇気などないです。
講堂貸切パーティ…すごいですね。
歩きながら考え事をしていたり、そういうところが事故の多さの原因かも。
自分が運が悪いからいろいろ悪くなる、という心理もわかります。僕も自分は周りに迷惑をかけているという自覚は死ぬほどありましたから。
クリスマス会をぶち壊すのが心配、という問題に「バカだ」と笑うのも…まあ確かにバカではありますが。
ラッキーボーイとアンラッキーガール、本来ならそれが冒頭から出てくるのでは。
家族も面白いキャラですね。
自転車や歩きでよく転ぶのは、単純に注意力の問題では?いや、注意力散漫ではなく、何かに注意したらほかに目が行かない…僕もそうなんですよ。
ちゃんと二人ともヘルメットをしているのはいいですね。
「可愛い奴はこうしてやろう」と髪飾りをつけてくれるのは、女の子だったらしびれますね。
語って、というのもストレートですし、それからいきなり歌いだしたり…この男の子、すごすぎます。
不幸体質がうつる…チャームエンジェルじゃあるまいし。
事故の報道で不安で暴走するのは、まあ読み返しているから笑えるのですが…
不安で不安で仕方ない、という心理がすごく上手く描けてきて、強く伝わってきます。
それで号泣して、「好きだから不幸にしたくない」と叫んでしまったのは爆発ものでした。
というか、130cmもの高さから落ちて足の骨折で済んだのは幸運です。
彼の受け止め方もあくまでクール!カッコいいです…そしてキスシーン、と思ったら「やだよこんな講堂のど真ん中で」ここからの流れは笑うしかありません。幸福感ありますね。
みんなの中でキスしてしまうのは苦笑じゃすまないかも…とにかく面白かったです。

白雪ポップ
「青空ポップ」の番外編の要素を極度に薄くし、事実上単独の作品にしているのがうまいです。
独特の雰囲気がまた上手く出ていてすごく楽しめました。
いきなり告白&スルー、真白ちゃんも相当変な子のような。特定の彼女を造らない最低男にここまで尽くすことないのに、とも思います…まあ妊娠させ、性病伝染して捨てたりないだけマシですが。というか手は出していないのでしょうか。
「真白ちゃんに風邪ひかれたら俺がやだ」という言葉はカッコいいのですが。
「何回いっても足りないんだもん」という言葉にやられてキスしてしまうのもなんだかわかります。
この押し倒す体勢がすごく色っぽくて可愛いです。
友だちとの会話も面白いです。
「つらいことがちゃんとあるの」でさりげなく遥斗くんの名前が出ているのが楽しいです。
本人が聞いていることを知っていて「あっそ」と流している友達の反応がうまい!すごくいろいろつまった「あっそ」です。
クリスマスで、急に前に現れて抱きしめての告白…不思議な幸福感を感じます。
真白ちゃんがいろいろな髪形をするのも素敵です。
すごく短いのですが、すごく素敵な作品でした。

パラレルタイムクリスマス
お久しぶりです。
すごく面白いですし、なんだかおいしいシチュエーションでしたね。
冒頭の「サンタはパパだしクリスマスも戦争してるしハリポタは小説だ」という現実的な部分がなんだか面白いです。
冒頭のサッカーシーンの迫力で、子供が着地するシーンを見落としてしまうのが読み返してみるとうまいです。
倒れて鼻を打ったなら、鼻の傷より鼻血を止めるべきなのでは…。羽リュックは某ゲームを思い出します。
三つ下の幼馴染、というのもすごくおいしい年齢差です。
あまりに近すぎていまさら、というのもすごく面白い心理です。
そしてプレゼントを渡そうとしたら先客…ここでの「だから…ねーって」という慧人くんの台詞も、いろいろ想像を誘いますね。
つい「弟がお世話になってます」と姉ぶって喧嘩、というのも面白いです!彼が怒るのもわかります。
彼が黙ってそばにいてくれて、「年上だって未羽ちゃんが好きだから」…いい男ですね。そして今もその気持ちが変わっていない、というのが痺れます。
天使の丸々した可愛らしさと関西弁も魅力的ですね。
年齢だけ逆転したパラレルワールド…天使魔法、って矛盾した言葉では?あの神は魔法自体を根こそぎ禁じています(レビ記19-26)。天使が起こすのは奇跡ですよ。と言っても、あの神の本音はクリスマスも否定しているでしょうが(クリスマスは異教の冬至祭りをヨーロッパに広がったキリスト教が取り込んだだけ、聖書に根拠なし)。
大きくて背も高くて声も低い彼…多分もうすぐ、もう一つの世界の彼もそうなりますよ。
この世界がすごくいい、というのはわかります。
お姉さんといわれないのも嬉しい、と理想の世界と思っていたら…ちょっとずつ違和感が出てくるというのも基本どおりですが、それがすごく面白いのです。まあ姉と言われない代わりに妹といわれるのはちょっと考えればわかりますが。
大人の女性の嫌がらせもわかります…そして「妹」といわれて始めて、あのときの彼の気持ちがわかる…そして全部が逆になっていることで寂しくなって…全部話してしまう、ここの彼も信じてしまうというのがなんというかすごいです。
そして、年上の彼が別世界の彼女とわかっていて…他人に相談するように好きという、というのもなんだか素敵ですね。
それで戻って、なぜこんなところに。あ、逆に「そっちの未羽」が小さいほうの慧ちゃんといっしょにいた、というのはないようですが、どうしていたのでしょうね。
笑顔で「高校も大学も編んであげる」と、実質プロポーズに近い…そして告白を黙らせてキス、なんだかカッコいいぐらいでした。そしてこのキスシーンが妙に濃厚な感じがします。
あの天使がどこかの子供の体を借りてまた会話した、というのもなんだか面白いです。
ものすごく面白かったです!

光の巣へ
これまた難しいですね。実質巻頭カラーというのはすごいです。前の連載の評判が結構よかったのでしょうか。
冒頭はすごく明るいですね。そして一見ごく普通の親子ですが、なぜか会話にならない…でも普通の親子でも、そんな「ありがとう」なんて言葉が普通に出ているでしょうか?
うまく母親と会話できない、というのはあまりにも深刻ですね。それも虐待とかではないのに…弟とは普通に会話できているんですね。
父親はどうやって口説いたのか…確かにそれは面白そうです。
聞かれても別に何か罰があったわけじゃないんですね。
母親とどんな会話を、小六のときにしていたか…思い出せません。
で、元ヤンというのは苦笑しました。
要くんが男主人公?彼がどう動くかも楽しみです。
それで暴れて騒ぎ起こして…頭痛で倒れたときには、充分優しいじゃないですか。
ありがとう、とやっと言えた、それに微笑みで応えるというのは素敵です。
父兄参観も…あまり深刻ぶらずに渡せばいいのかもしれませんが。
先生の「バカヤローオレだって緊張すんだぞ」は苦笑しました。
すごく覚悟してプリントを出して、断られる…これで泣き出すのはわかります。
いつも冷静で影で泣くタイプ…これから、この母親がどんな傷を持っているかを描くことにもなるのでしょうか。
いくら自分から歩み寄ろうとしても無理、届かない、それで自分を責めてしまう…こういう思いの描写はすごいですね。
振り返るのを軽くからかって怒らせて、「オレん家だって今日は来てねーよ」…結構いい男です。
そして、お話の形にして口で…それってすごい国語力があるってことですね。逆に…家で寂しいから読書ばかりしているのでしょうか。
それに母親が応えるのも、なんだか泣けてきそうでした。
というかこれが読みきり、これで終わりだったら最高なんですが…どちらかが死んだりしませんよね…
実際家族というのも難しいです。違う人間なのですから…

アニマル横町
ヤマナミサンタの話は相変わらずですね。
換気扇から入るサンタ…確かに換気扇と煙突って本質的には同じですね。
確かに扉って使われていませんね。
天井に貼り付けるプロセスは笑えました。
靴下の差は、子供って残酷だなとしか言いようがないです。

本誌のほうは…わざわざケーキを用意して顔を叩きつけるというのは手が込んでいます。
「イッサちゃんの白黒!」はひどい!自分もですよね?あ、目が赤かったりして。
十大ニュース…そういえば今年ももうすぐ終わりますが、十大ニュースは何でしょう。
動きをつけるのに卓球というのも唐突で面白いです。
ただのネズミはかなり危険では?
攻防の描写が無駄に熱くて大事なことを忘れているのがなんとも。

チョコレートコスモス
別冊付録の番外編はすごいい話だったのですが、どうしても「ヤバイ」「通報される」とばかり頭の中で回っていました。
この、前に会っていた設定が、今後生かされることはあるのでしょうか…あまり必要なさそう…
こういう座り方で落ちるのは僕もやっています。駐車場の鎖に座ってひっくり返って、いまだに後頭部の見えないところに小さな禿があります。
というかセーフでよかった…でもこの体勢で子供が泣き出してからは、ここ通報されたら犯罪者じゃ、とばかり思っていました。嫌な時代ですが、そういう概念がなかった頃は加害者は裁かれず、被害者は癒されないままだったんですよね。
サンタを信じる、というのでツンデレなのが面白いです。後の彼女のことを少し連想させます。
サンタさんの知り合い、という発想も面白いですね。それでウソを…ここはすごく楽しいです。
雪を降らせて、というのもすごいお願いですね…彼の身になってみると困ります。
というか親も、このシーンを見てよく通報しなかったものです。誰と何を話していたのか聞いたのでしょうか?
父親が海の男…だから家庭科が得意?で大学もそっちで家庭科の先生に、というのがまたなんとも。
そしてこのプレゼント…わざわざこんなことまで。でも警察が納得してくれるかどうか、と考えてしまうのは…そして紗雪ちゃんの親は、ちゃんと理解してくれたのでしょうか。
仲直りになっていないのは少し苦笑しました。

冒頭の、すごく甘いムードで小姑なのは笑ってしまいました。
掃除が好きじゃない、というのもすごい…放課後ライフの妄想もなんだか苦笑します。
夢が現実だったら、と思って爆発するのも可愛い!
で、結局ダメ…香住先生の、とことんクールな感じで妙な冗談を連発するのは面白すぎます。
でもって反対理由は至極真っ当。全部その通りです。
料理同好会に書き変えるのは爆笑しました。
料理できる男はカッコいい…僕は料理できるけどカッコ悪いですが?
そして変更申請に「今すぐ設立させましょう」「ってそんなわけあるかい」…また笑い転げました。
萩原先生を否定しているというか…単純に無理なだけです。新任教師の苦労はすごいらしいですね。
不純な動機は疑っているというよりわかっているのでは?
通らないから勝手にやる、というのもなんだか面白いですね。
それで…とうとうぶちきれて「なんでやねん」…この壊れようは見ていて…笑いすぎて腹が痛いです。
オチも絶妙です。
この調子でギャグ路線で行くなら大いに応援します。

株式会社ラブコットン
みんなでプレゼント、というのがすごく楽しそうです。
扮装して起こして印象付ける、というのもうまい。
というかこの季節足出して寝たら死にますよ…

カラー扉のちょっと大人っぽいいちゃつきポーズはドキッとしました。でも、こうして後ろから抱かれながら腕を上に伸ばして男の首に絡めるのって、胸が大きくないと(死)
膨大なライバル、未来くんのプレッシャーの描写がいろいろ面白いです。
「そんな簡単に言うな!」と叫ぶのも…まあわかりますね。背水の陣にもほどがあります。
オーナーの励ましはすごく暖かいですね。さすがに大人…若すぎる気もしますが。
成ちゃんの暴走は笑うしかなかったです。
みんなで頑張っているときに「代表窓あけて」と遠ざけられるのが苦笑しました。
アンバランスなのが素直な気持ち、そしてアームウォーマーでフォロー…これはすごく暖かくなる話ですね。
成ちゃんの台詞は確かにクサすぎて寒いです。でもそれも、彼女自身すごいプレッシャーを感じてでしょうか。
結果発表はあっさりしすぎている感じがします。ライバルがまだないのもあれですね。
トイレ横…悪いのでしょうか?僕にはいい場所に思えます。出入り口そばは客全員が通るのと同じで、トイレ横も非常に多くの客が通るのですから。

月光クロネコ屋
やはりホラーでしたか。こっちのほうが本来の話という感じがします。
店でこれちょうだい、というのが、ものすごく…あってはならないこと、見てはならない、考えてはならないことのように思えます。現在の世界の秩序を、物理法則を破る以上に根こそぎ侵犯した言葉なのです。
はつきちゃんが再登場したところでは、一話完結じゃないのか、といぶかしんでいました。
将来も何も、彼は人間ではないでしょう。
あの猫は牛乳がいる…というか猫って牛乳だけで大丈夫でしたっけ。
一週間ドーナツ食べてない、で倒れるのは楽しくて、このまま楽しく終わるかな…と期待していました。
正反対に華やかな人に憧れ…憧れと憎しみが紙一重、と典型的な{擬似姉妹}の構造ですね。
この気持ちの悪い人形を用いた魔法を使う、という時点で正気じゃないですね。
自分そっくりの人形の服が目の前で脱がされる、というのはどういう眺めでしょう。
コピーした人間の言うことなら何でも聞く、自分のかわりに何でもしてくれる人形…大きい誘惑ですね。でも、多分…僕自身にできないことはできないのでしょうが。
お代で牛乳も買ってもらったんですね。
そしていきなり携帯電話を窓の外に捨てて…エリちゃんの本性も結構きついですね。
それで本性をさらして…で、猫のほうは主人を気絶させてまで回収を拒む…うわ、すごい悪意。
「やってるのはあいつ、あたしは命令してるだけ」…逆にやらされる側が「自分はやりたくてやっているんじゃない、命令に従っているだけだし、命令には絶対に服従しなければならない」となったらどちらも真の責任感なしにどんな残虐行為でもできてしまいますね。そんなものなのかもしれません…人はもしかしたら、被害に直面することができないのと同様、加害にも簡単には直面できないのかも。
というか、単純にちょっと行動しただけで彼氏を奪うことができる…彩子ちゃん自身も本当は相当な美少女だったのでは?また社会的技術においても…どちらも本人は持っていない、コピーの力でしょうか?
二人いる、という事実を突きつけて止めを刺す残酷さ…これほど憎悪というのは深い部分で人を蝕んでいくのでしょうか。僕も怒りと憎しみを抱えて生き続けたら、いつかこのように歪んでいくのでしょうか。
そして、「あれうそ」の衝撃がかなり強烈でした。普通は悪魔も全部のカードをさらすものですが、取扱説明書が嘘だったら…どうしようもないですね。
「これが…私?」という言葉の恐ろしさはたとえようもないです。自分がこれほどまで醜い存在になっていたとは…
「人間が堕ちる瞬間見んのってなんでこんな楽しいのかな」…うらやましいです、それを楽しめるというのは。
焼却炉の中身は…当然、本来の彩子ちゃんの魂を入れた人形…ですよね…
でもそれで、それから…どう生きていくのでしょうか。人間として生きていかなければならないなんて、最悪じゃないですか…しかも罪を犯した身で。
ハッピーエンドかアンハッピーエンドか固定しない、としたらすごく面白そうです。

なぜなに!?恋愛調査隊
髪質というのは女の子にとってはきつい悩みですね。まあ…僕もそろそろ、白髪とか禿とか出てくるのでしょうが、まあそんなの悩まなければ悩みじゃないです。
モテ髪、というのも楽しそうなテーマです。「女の秘密について」って男子には刺激強い言葉ですね。
男はロングが好き、というのは確かにそうですが…迷惑になることもあります。
写真を美容師に見せて説明する、というのも当たり前のことですね。
で…その結果は苦笑するほかないです。
染剤、と聞いたらその結果は容易に予想がつきました。丸坊主ってことはないでしょうね…
可愛くなりたい、という女の子の気持ちってすごいですね。
どんな結果になったか…カラーじゃないのが残念です。
「「かざり」のすごさ見せてあげる」はカッコいいです。
男子三バカの「ギャフン」は苦笑しました。
たっつん先輩が面白がってくれているのはいろいろ期待させます。

HIGH SCORE
女の子がプレゼントだったら燃えそうですが…
クリスマスに二人で歩いて、変なことにはならないでしょうか?というかめぐみちゃん、クリスマスには…何人もと掛け持ちデートをしていそうです。
「えみかの愛」「普段はもらえてないの?」は強烈でした。切替の早さもすごい。
トレーニングをしてベッドの下の魔物と戦う、というのも面白い発想ですね。そういう魔に対する恐怖をそっちで克服するというのも…ありでしょうか?
チョモクモポリン、って何者でしょう。彼女は解剖用死体、いや解剖用生体が一番嬉しいでしょうね。
異母弟がクリスマスプレゼントというのはひどい…というか実銃を求めるのもまたすごい。

知らなかった彼の一面…津山先生ご自身は修羅場ではどんな風になるのでしょう。
包丁持った女の子には爆笑。
京介の、事実上のミッキーいじめで結果的に話を思いつく、というのは爆笑。
ハーブティーがそろっているというのもいいですね。
両思いかキスシーンで終わり、ってそれは言っちゃまずいですよ。というか今は「少女マンガ」でもそのはるか先まで進むのはたくさんありますね。
5Pの左側二コマ目は作者の本音100%ですね。
ずっと半裸の男キャラというのも面白い、というかすごい作品では…

ロッキン☆ヘブン
それぞれの子供時代も可愛いですし、親子の駆け引きがすごく可愛いです。
椿と藍は…本誌を読んでから読み返すといろいろ頭を抱える描写がありますね。
紗和ちゃんは、前のクリスマスで母親が藍くんをサンタさんと言ったのも思い出しました。

しかし今回の話はびっくりしました。まさか…
いきなり「友だちだよね?」という問いは最初はすごい違和感がありました。
「なかったことになるのだろうか」…この問いはすごく重いです。
「いきなり寝取ったりしないよ」というのも読み返すといろいろ意味深長です。
椿くんの母親が藍くんにも食事を作っているのも昔からなのか、と番外編とうまく響きあっています。
晶ちゃんは何をやっても絵になりますね。
しかしすごい長文メールですね。携帯電話の画面ではどんなふうに表示されるのやら。
その背景となるいろいろな絵もすごいです。
「ほんの少しは価値のある人間なのかな」って、番外編では親には可愛がられているように思えますが…
こうしてお互い感謝できる、というのは告白の結果として…Noの場合は最高でしょうね。僕も「ありがとう」の一言ぐらいはほしかったですが…自業自得です。
友達として、というのも切ないですね…
またちょっかいを出そうとする紗和ちゃんを引っ張ってく藍…家族のような面は変わらないんですね。このカップルはどうなるのでしょう、両思いは確定なのでしょうがあまりに見た感じが家族すぎます。
それで椿くんが泣いた、と指摘して優しくして…優しくしたはずがずっと優しくされてしまう、というのがすごくうまい展開です。
「誰にも言わなければなかったことに」を繰り返し、この指摘…「松雪くんのこと」!!!
このシーンの演出もすごいです。コミックスはもっとすごいでしょうね、雑誌では印刷機の都合で縞ができていますから。
「まちがってるならちがうって言って」と、逃げ道なしに追い詰めるのがまた…
そして「どうして」で、好きだから相手のことを考え、相手のことがわかる…というのがうらやましいです。僕は恋していたときも自分に閉じこもっていて、相手のことをあまり知らないままでしたから。
幸せを祈りながら呪う、というのはどうしようもないです。
「知っててあげる」という言葉もすごく素敵でした。
「ごめん一分だけ」という反応も…考えてみると同性愛の男性でも母親への愛情はそんなに違わないでしょう。
何より、同性愛と言う時点で、いくら近年理解が進んだと言っても差別に悩み、自分を否定してきたはずですから…同性愛を知りながら愛してくれる、自分の全存在を、自分の恋心を肯定してくれた…どれほどの感謝と安心か。
なんというかすごいです。ここまでやる必要があったのかとさえ思うほどです…すくなくとも紗和ちゃんの逆ハーレムよりはいいですが。

山本善次朗と申します
今回の話は数学の話か、と思っていろいろ数学基礎論の復習をしたり考え抜いたりしてきました。でも読み返してみると数学の問題じゃないですね。
白紙回答だけで泣き出してたら教師は務まりませんよ?というか…先日父が亡くなった、というのならむしろそれぐらい当然かもしれません。
おせんべいを食べる牛、というのは苦笑しました。そりゃまあおいしいのでしょうが。大山で、鹿が僕の手からドロップをむさぼっていたのを思い出します。
宿題のノートから何かサイコメトリーしたようですが、何を読んだのでしょうか?
リンゴでなんとか分数を教えようとしている…「何がわからないのか」ってこれだけわかってるなら学習面では何の問題もないですよ。
ついでに一つ一つ答えます…同じ疑問を抱いている読者は…この解説ではかえってわからなくなると思いますが。

「今まで一個二個って習ってんのに何で一個のリンゴを分ける必要があんの?」
この問いには、二つの答えがあります。
●まず算数の起源を考えてください、生活の中の「数える」「量る」など、量を認識・記録することが始まりです。リンゴや羊を「数える」のは{1.2.3…}=N、自然数です。これまでやってきたのはその自然数の足し算・引き算・掛け算でしたね。
でも明らかに水やワインや牛乳、長さや土地、時間などは一つ二つでは数えられないですが、たくさんと少ないがあって数として扱うことができます。そして大抵半端が出ますが、水などは樽やコップ、長さは歩数や棒、土地は畳などで量ることもできます。
そして割り算の最初は、何人かの兄弟などでリンゴの山、羊の群れ、ワイン、土地などを「分ける」ことだったのでしょう。
リンゴなどは階段のようで、水などは坂に似ています。その二つの「数」の扱い方を統合する、というとんでもないことをしているのです…わからなくて当然です。焦らず練習するのが一番いいですよ。
●もう一つの答えは、「割り算」を「積の逆演算」と定義し、「数を拡張する」という手を使う、というものです。これは後知恵というか、数学という高みから見下ろす考え方です。
これは今後も続く、数学の常套手段です…「ある問いの答え」を一つの数とみなして扱ってしまうのです。中学では「今まで駄目と言われていた引き算の答え」…負の数、中学か高校では虚数も加わりますのでお楽しみに。円周率や「自然対数の底」もそうです。
そうして数を拡張するのに応じて、計算のルールが少し変わってしまうのも混乱の原因だと思います。また小数と分数の混乱も大きいはずです。さらに、小学校では数の拡張が必要な、現在のルールでは解けない問題については「考えるな」と命じるのですから最悪です。正しいのは「その問題は現在のルールでは答えがないことになってます」です。ちなみに最上級ルールでも、「ゼロで割る」の「答えはないことになって」います。考えるな、と命じることは魂を殺すのに等しい暴力的な印象を与える言葉です。
そう、本質的には「ルールが変わった」んですよ…より正確には拡張された。キャッチボールから野球になるように。ちゃんとそれを告知しないのですから混乱するわけです。
「なんで算数なのにリンゴ持ち出すの?」
算数は本来生活の中でリンゴや家畜などいろいろなものを数え、分け、比べるのに用いられたからです。
本当は数学として抽象的にやりたいのですが、小さい子はまだ「抽象的に数を考える」ことはできないとされています…だから比喩としてリンゴを使うのが慣例となっています。
生活の中で数が出てくるシーンを考え、それを練習の題材にすれば少しは想像しやすいだろう、ということでしょう。
集合論をやってから、ペアノ公準を満たすものを自然数とし、それに和と積の演算を定義する…とやったり、まず複素数を集合論だけで定義してからその一部として自然数をやる、などとやってもわからないでしょう?
「なんでいきなり数字で表さなきゃいけないの?」
一つのやり方…数字という強力な記号と、算数というそれを扱う技術があれば、羊もリンゴも人口も、時間も距離も、次元さえ気をつければ速さも水の量も土地の広さも扱うことができるからです。
いろいろなことに使える万能の道具なんですよ、数字は。
「家庭科なのか算数なのか」
家庭科と算数は別ではありません。料理では小麦粉をはかり、リンゴを数え、焼き時間を見、できたものを分ける、全部算数と密接な関係があります…算数が整備される前から。
ただし、いろいろな形で使われていた「数える」「量る」記号や技術を一つにまとめたほうがより高度な社会を作るのに便利なので、それで算数というものができ、さらに数学になったのです。
だから六十進法の時間、十二進法のヤードポンド…と混乱があったりするのです。
問題は、その本質…抽象的な部分です。そこは数学の世界です。
「しかもなんでそれを計算しなきゃいけないの?」
計算というもの自体は、たとえば走るとか投げるとかと同じように一つの技術です。
算数・数学を教える目的は、頭の中に数と論理を扱う、抽象的・論理的に考える部分を作ることです。人間は遺伝的に、ほとんどの人は数を数えることはできます…でもその能力を土台に、訓練すれば様々なものを数でとらえることができます。
あと、「リンゴ」と「数」のギャップもあるでしょうか?
リンゴという「具象」の世界と数という「抽象」の世界は本来は別々です。でも人間は具象の世界に生き、それを抽象の世界で処理することで数を用いたより便利な生活をしてきました。
その、具象と抽象を組み合わせる能力も、読み書きと並んで生きていくのにとても重要なのです…特により高度な仕事をするなら。
特に重要な処理が、「必要な要素だけを抜き出して数値化する」ことです。
一つのリンゴにも鮮度、色、重さ、甘さ、香り、産地、傷の有無…その他すごくたくさんの要素があります。でもその中から、「個数」という一つの要素だけを抜き出し、頭の中にある数世界に引き込むこと…それが、数を使うということです。これは言葉では簡単に説明できることではないです。普段の生活で数を使い、また算数の勉強をたくさんしなくては身につきません。
それをやったら世界の豊かさが失われる、という批判もわかります。でも、世界を数としてのみ見ろ、とは言っていません…算数の時間は数として見る、図工の時間は美として見る、理科の時間は植物として見る、給食の時間は味わう、といろいろな「自分」を使いこなせばいいのでは?まあそれ自体が暴力だという教育批判もありますが。
「その数字どっからきたの?」
サッカーで練習するのと同じ、練習の必要があるからやらせているだけです。
数字の起源論ですか?数字自体はさして意味がありません。それをいうならどの文字も同じです。
数を表現するなら、本質的には羊・リンゴのように一つ一つ数えられるものが二かたまりあれば、その二つを一対一対応させることで「数える」ことができます。手の指も、十までですが「一つ一つ数えられるもの」です。またたくさんの石や結び目と一対一対応させることもできます。それは地面に…そして紙に書いた点・棒などでもいいのです。
しかし、ずっと昔で社会が小さい頃ならいいですが、例えば何百何千というたくさんのものを紙の上の棒だけで記録するのは無理があります。また、その数を音声言語で表現することができません。記憶できるのはせいぜい3までです。できれば音声言語の世界でも数を扱えたほうがいいですし、覚えやすいです。
いい方法の一つが、一つ一つの数に対応して記号・単語を作る…名前をつけることです。たとえば「||||||」を「6」としてしまえば紙に書くにも少ないスペースですみますし、「ろく」と声に出すことで「あ、あ、あ、あ、あ、あ」より誤解なく、早く伝えることができます。覚えるのも楽ですし間違いにくいです。
さらに扱う数が増えたときの重要なアイデアが「N進法」です。一つ一つの数に名前(記号・単語)をつけていくと、数が増えるととんでもないことになります。百種類の名前をつくり、記号の書き方や綴りを覚えるのは大変です。
でも割り算ができてきたら、その割り算を使うことで…十で割って余りもつけることで、1から99までの数を十種類の「数の名前」だけで記録することができました。さらに百、千…と、実は累乗というものを使うことで無限に大きな数に「名前をつける」ことが簡単にできるようになりました。
さらに累乗を逆に使うことで、小数によって水など坂道タイプの数も扱うことができるようになっています。
実を言うとN進法自体、累乗を教えていないのがずるいんです。累乗・(負の指数を含む)級数を理解しない限り小数と数の記数法は本質的には理解できません。だから今わからないのは恥ずかしいことじゃないですよ。
わからないけど使える、という状態でいいのです、今は。それに向けて練習すれば使えるようにはなります。細かなルールはたくさん間違えて覚えるしかないです、スポーツでたくさん退場しながらルールを体に覚えさせるように。それは恥ずかしくないです。将来は、ごく単純なルールを覚えれば全部できるようになりますが、今は…小さいうちは単純なルールを扱えないとみなされているのです。馬鹿にされていますね。
「分数の真ん中の棒なに?」
何でもありません。「この世界」、「アラビア数字記数法」で決まっている記号に過ぎません。
それをいうなら日本語の「あ」という文字だって同じように意味がないものです。
サッカーがボールを蹴らなければならないのと同じ、みんなが同じルールに従えば物事を伝えることができて便利だから決めているのに過ぎません。
その棒の本質は、「ひっくり返してはいけない、二つの自然数の組(自然数の順序対)で、分数を表現すると決められているもの」に過ぎないのです。
だから、たとえば《2E3》でもいいんですよ。2と3で、2のほうが先だ…2、3であって3、2じゃない…こと、《》だから(他のどんな順序対でもなく)分数を示しているんだ、ということさえわかればどんな記号体系でもいいのです。
実はそれ以前に、順序対も必要ではありません。「負の指数」さえ認められれば、分数の横棒は実は不要になります。
ここで重大な混乱があるのです…その混乱がある、ということを教えていないのがずるいのです。自然数の割り算と分数、さらに小数というややこしいものがあるのですから、混乱するのは当たり前ですよ。
掛け算の逆が割り算だ、という言葉自体が混乱の元です!最初に割り算として習う、自然数の割り算は「掛け算の逆」とは微妙に違います。
自然数は「掛け算の逆ができない」数なんですよ。1以外の自然数の、掛け算の逆元は自然数ではありません。だから23÷4=5あまり3、という変なもの、答えとして二つの数が出るもの(まあ余りは一意的に決まりますが)を作っているのです。掛け算は二つの数から一つの数が答えとして出る演算です。その逆も一つの数が答えになるはずですよ…まあ0で割れない、という問題がありますが。
本来の、「**算の逆」という言葉の意味は群論を理解しないとわかりません。
そして、分数が本質的に含んでいる割り算が「掛け算の逆」です。「5分の1」とは、「5を掛ければ1になるもの」につけられた名前です。「1(掛け算の逆としての割り算)÷5の答え」でもあります。5分の3は「{5を掛ければ1になるもの}掛ける3」です。そういうものの集まりを数とみなし、それについての四則演算を定義したもの…有理数…をまず作ってしまい、さらに自然数をその一部と再定義するのです。僕も書いてて混乱する話です。
ちなみに、本当の「掛け算の逆としての割り算」では3÷5は「3掛ける{5を掛ければ1になるもの}」となります。上を、わかりやすいよう掛け算の交換則でひっくり返しただけです。そして22÷5は「22×{5を掛ければ1になるもの}」で、22=5×4+2と分解すれば(22を、自然数の割り算で5で割ると4あまり2とするのと同じ)、(5×4+2)×{5を掛ければ1になるもの}=(分配則)=「5×4×{5を掛ければ1になるもの}」+「2×{5を掛ければ1になるもの}」=(交換則・結合則)=「4×({5を掛ければ1になるもの}×5)」+「2×{5を掛ければ1になるもの}」=4×1+2×{5を掛ければ1になるもの}=4と5分の2となります…が、本来はその操作の必要はなく、5分の22としたほうがわかりやすいぐらいです。
その「{5を掛ければ1になる数}掛ける3」を横棒を使って書こうが、5分の3と日本語で書こうが、英語だろうが何語だろうが、《3E5》だろうがなんでもかまわないのです。
ちなみに、横棒を作った人は将来の印刷植字工のこと、現在のDTP・ウェブデザイナーのことはかけらも考えていなかったようです。現に今、htmlで横棒表現は僕にはできません…やればできるでしょうが、面倒ですしどのパソコンでも正しく表示できる確信はないです。かといって《E》形式や指数表示だと植字工は楽だったでしょうが、連分数の神秘的な美しさは半減しますし複雑な積分を書いたら見にくいでしょう。
分数を扱うときには、常に(自然数の割り算ではなく掛け算の逆…逆元を掛ける)割り算を使えばいいのです。わからなくなったら定義に戻る、というのが数学の基本です。そして分数のちゃんとした定義を教えていないとしたらそれはもう言語道断。定義を忘れたのなら恥ずかしがらずに復習しましょう。
なぜ分数の割り算はひっくり返すのか、というしばしば小学生が悩む点も…全く同じで負に負を掛けたら正になることについて中学生も悩みます…逆の逆は元通りという抽象的な考え方、演算や逆元の定義からきています。
その分数が含む割り算と、自然数の割り算と、さらに小数が含んでいる割り算…そりゃもう混乱するのは当たり前です。10÷3に、「3分の10(=3と3分の1)」「3あまり1」「3.33333…」の三種類(実は循環小数は何進法でもいいので無限種類)の答えがあるんですから…。どれを選ぶかは、文脈を読めとしかないのです。ひっくり返すどころじゃないですよ。
それ以前の掛け算だって、最初に和の繰り返しとして習ったのが頭に染みついていたら、それを小数や分数に拡張するとき混乱するのは当然ですし。ちゃんと定義し、ルールを説明しないと本当にできるはずはないのですが…子供にはそれがわからない、と馬鹿にしてちゃんと教えてくれないんですからひどい話です。
で、その棒…この世界で決まっているルールを批判したいなら、本質を理解してからにしないと正しく批判することもできないですよ?
そのためには今は、とにかくサッカーを遊びたければルールを守らなければならないように、言われたとおりに練習してください。考えるなと言っているのではない、本質を考えるのは別の時間にやってください。
自分でそれはおかしい、と考えるのは自由です。でも納得いかなくても道具として使いこなすことはできます。将来量子力学をやれば、誰も理解できないけれど多くの人が道具として使いこなし、コンピューターを初め多くの実際に動くものを作り出している、ということがわかるでしょう。
とりあえず定義とルールを暗記して道具として使えるようになった上で、自分で「集合論」「論理学」「記号論理学」「群論」「位相」などを勉強しましょう。そしてかなり値段も高いですし難しいですが、「数学−その形式と機能(ソーンダース・マックレーン、森北出版株式会社)」という本をぜひ読みましょう。
この世界のルールそのものを拒否したい、という気持ちはわかりますが、それをやると大損することは確かです。

とまあ、本当に勉強としてわかっていないなら、分数の意味に純粋な、数学基礎論的な好奇心を持っているのなら教えるのですが…それよりも「やりたくないんじゃよっ勉強なんか!」というほうが重要ですね。
親が死んで、その悲しみと憎しみを処理しきれないのなら…本来はカウンセラーの領分です。聖職者が教師を兼ねていればそっちの領分でもあったでしょう。教師に心の面倒を見るのは本来すごく難しいです。というか専門のカウンセラーや聖職者でも、本当に心をどうにかすることはできないでしょう…できるのは本人だけです。たとえ霊能力者の助けがなくても、本来は晃平くん自身が自分で感情を処理し、父親を理解する努力をすべきだったのです…教師はこれは数学の問題じゃなく心の問題だ、と理解すること自体が至難でしょうが、ちょうど僕が数学的にこの疑問に答えようとしたように。要するに金槌を持っていたらなんでも釘に見える、ということです。
そして頭が混乱している、勉強が頭に入らない、というのは親が死んだ直後でなくても、子供にとってはごく当然の状態です。
父親の霊の厳しい目は、初読時から辛い何かを感じさせました。
ノートを届けてもらっていきなりの「好き」にはびっくりしました。
父親の「何度同じこと教えてもできない子なんです」という言葉…あまりの残酷さに身がすくみました。
「晃平くんならでき」という言葉がトラウマになっている、というのは辛さがすごく伝わってきます。
「お父さんてそこにいる人」というのは…なんというか苦笑しました。というかこの問題は、ほたてちゃんには解決できないでしょう…無理に善次朗をここに持ってきたのも仕方ないです。
「お父さんがいなくなってうれしいんじゃ」…これほど残酷な言葉もないですね、親にとっては。死んでまでこんな思いをするとは…といっても「変な子だ」と決めつけるような心の狭さじゃあ…
子供同士の騒ぎがまたリアルですね。
勉強していると怒られるから嫌だ…28人そろって、という先生の言葉には、つい「じゃあ誰か死んだり転校したりしたら?転校生は入れないの?」と言い返したくなりますね。
というか晃平くん、絶対わかっていたと思います。ただわかりたくない、勉強したくない…正確には怒られるのが怖くて心が凍ってしまうだけで。
「この学校に先生がいてくれてよかったわ」という言葉も素敵です。告白じゃないですよね…
父親の字も…回想も胸が痛いです。これはもう言葉になりません。親が立派すぎ、しかも子供の気持ち、できない人の気持ちなどかけらもわからない…そりゃもう…というかこの父親、本当に「分数の真ん中の棒」の意味はわかっていたのでしょうかね。いや…そんな必要はなかった、言われたとおり必死でやってルールを身につける、というやり方に生まれつき適応しており、逆に晃平くんはそれに適応していなかったのでしょう。
あと、現役教師が今回の話を見たら…霊能力なしじゃ解決は無理、最低十年かかるしその間に学力差は取り返しがつかないことになっている、とさじを投げるでしょうか。

青空ポップ
一段落して理子ちゃんの話、ということは次はエルちゃん?人物紹介にミカちゃんがいないのが残念。
写真を見ただけで彼氏できた、そして聞くまでもなく「もういいよ分かったから」みんなが鋭いのか織花ちゃんがわかりやすいのか。
エルちゃんが遥斗くんを好きなのもこれからが楽しみです。
理子ちゃんには恋愛話がない、でみんなが押し寄せてくるのは苦笑しました。
大きなファッションショーの話で、織花ちゃんの話も少し進めるのはうまい構成です。
普段と違ってドジな理子ちゃんも可愛いですね。
「今私たちたぶん…」「はい同じこと考えてると思います」には、なんとなく発泡スチロールの箱でツッコミを入れたくなってきました。
何でここにいるのよ、と怒るのは苦笑しました。
両親とは疎遠で、事実上唯一の家族が離れてしまう…電話もあるでしょうが、電話代も高いでしょうし…というか電車で三時間、って?
少しモデルとしても行き詰っている、そしてそれを聞いてしまって素直に認め、さらに「自分のできることもやらない人を友達だと思いたくない」…自他共に厳しい…
引越しのとき、おばあちゃんには弱音を吐けるというのがちょっと泣きそうでした。
でも弱音を素直に吐ける人がいるって幸せですよね。
おばあちゃんの言葉も、すごくありがたかったです。きっと多くの読者にとっても…ちょうど織花ちゃんが励まされたように。
落とした荷物の正体も感動ものでした。
荷が思い仕事だけどあえてやらせる、というのもすごい話ですね。一度本気で挫折させたほうがいいとか…?厳しいことになりそうです。
次回はエルちゃんの話か、それとも織花ちゃんの大きい仕事の話か…どうなるでしょう。

CRASH!
厳しい!なかなか簡単にはうまく行かせませんね。あとその悪辣な部分から伝わってきた邪悪な空気の触手が、ちょっと今の僕の魂にはダメージを与えました。話としてはわかりますけど。
こういうことは、母親の側もしばしば経験してきたのでは?
レッスンを終えて、いきなりのデビュー…うわあっ。
すごく大きなテレビでいきなりのデビュー、それにこぎつけるまで苦労したでしょうね。
頭上から落とされたものを華麗によけるってどんな護身術でしょう。
結構重大な殺人未遂が多発しているのがすごいです。なんか妙じゃないですよ…
五人ともそれぞれなんというか…
で、いきなり飛んできた矢をつかむ桐くんと怜くん、何者でしょう。
そしてエレベーター閉じこめ…う〜ん、花ちゃんが忙しいのはしかたないとして、もう一組人をつけておくべきでしたね。というか…ここまで前提にして考えるのが…
それで間に合わないか、とすごくハラハラさせて、ギリギリで登場して…
泉氏を捕まえ、さらに網で落下点の五人を捕まえて引きずり、とそういうところは見事でした。
それでよし、これで大成功だ!とカタルシスを確信したら…
まさか、二人を除いて参っていてちゃんとオーラを出せないとは!
桐くんがそれで切れて三人に…「おまえができても他人にはできないことだってあんだよ」という言葉、すごく重くて痛いです。僕だってできないことは多すぎるぐらいたくさんありますから。
二人組みでのデビューで仕切り直し…あまりに厳しい条件です。
つくづく、腹が痛くなるほど厳しいですよ…今回は。というか泉氏にペナルティーはなし…殺人未遂と威力業務妨害ですが、番組も妨害されているのですが?

真夜中にKiss
とにかく強引でしたがうまくまとめましたね。
和臣の出陣はすごくカッコいいです、さすがに。
というかこの状況でも帰れない隼人たちって、一体どうしたのでしょう。ここはちょっとご都合主義過ぎるのでは…
全館への放送…つい、誤変換しかけた「全艦への」という言葉のほうがふさわしく思えます…の迫力がすごいです。
明日は来る、ってスカーレット・オハラみたいですね。
深井氏も若い、というのは苦笑しますが仕方ないでしょう…ここで初老の、その立場にふさわしい存在だとしても話として面白くはならないでしょうし。
対策のツッコミの鋭さはお見事。
責任者の処分をしない、という方針で…それに何か言い返したののちゃんに集中攻撃、ここは結構胃が痛くなりました。
そしてまたマスターカードキーの紛失…うわ!でもここで「私のお遊びに」と見事に返す沈着さ…なんというか残念です。もっと社交界でも経験を積ませ、また…一条家を出てからの、庶民としての生活からもいろいろ学ぶ描写があれば、もっとこういうところも説得力が高かったでしょうが。
ここからの強いタイムリミットがかかった緊迫感と的確な指示、決断は見事でした。
初読時はてっきり、キーを失わせたのは深井氏のいたずらだと思っていました。
手をつないで走る二人の姿はなんというか…うまい。
結婚パーティーのエピローグは少し余計かもしれませんが幸福感は伝わってきます。
少し消化不良の感じはありますが、今までの壁を上手く破ってとても質の高い作品になっていました。
次回作が楽しみです。

流星アストロマンス
ちょっと意味不明のまま終わったような…
世界だって救える、といっても、大抵世界を救うことの代償は死では?まあウェリントン、チャーチルとルーズベルト、レーガンなど例外もいますが。
冒頭から…ミツキといんちょーは一緒なんですね。
考えすぎると熱出す、って…ファンの性能が悪いのでしょうか?
「オレは世界は救えない」「スゲー会話してますね」も苦笑します。
いきなり流れ星を捕まえる、というのもすごい飛び方です。
そしてクリスマスの夜、「ミツキはいんちょーとデートだよ」…これはありがたいです。
世界を救う、というのは一人の人の内面ですか…まあ確かに、自分の内面と全世界はある意味等価ですが。
そして奇跡のような流星雨…それは何なのでしょう。
すごく分かりにくい作品ですが、なにか伝わってくる感じはします。
次回作はどんな作品か、楽しみです。

紳士同盟†
番外編はすごく面白かったです、題材そのものはよくある材料ですが、味付けも飾りも店の雰囲気も、全体がすごく素敵でした。
この二人の魅力的な教師が主役というのはなんだか嬉しいです。
「いちごみるく」って感じ」というのが妙に納得できます。
隣の惨状は凄まじいものがありました。笑うしかありません。
ベニュンチョにまで一々ツッコミを入れるなんて筋金入りのツッコミ体質ですね。
千里先生へのプチポエムはなんかぞわっとしました。
飲めるかどうかは、多分千里先生は分かっていると思います。というか千代子先生、千里先生と潮ちゃんの仲を知っているのでしょうか…。
ちょーだいと言えないのが何かと、一番辛いですね。
みるこ先生(つい「ちゃん」とつけてしまった…)の激しい言葉はびっくりしました。
正反対に同じ、というのも苦笑します。
可愛いと言ってもらったのがすごく嬉しい、というのは伝わってきます。
とても面白いです。

本編は…とにかく「人を何だと思っているんだ」としか言いようがないです。というか「なかよし」「ちゃお」でも「りぼん」でも何度も何度も叫んできて、最後にこれで、ある意味ダメージが重なっていました。「ちゃお」を最後にしていれば「みい子」で気持ちよく締められたのに。胸が苦しくてなりません。
カラー扉の明るく楽しい感じと、本編の凄まじい圧迫感がどうにも対照的です。というかこいつらにこういう、いかにも青春というポーズは死ぬほど似合わないのですが…
冒頭の笑顔一杯の家族の肖像はほっとしますが、読み返していると…これからのことを思うと胸が痛いです。
「優しさは〜いつかもっと多くの人を傷付けるのに気づかないの」という言葉はちょっと胸が痛くなります。
強引なキスはすごく綺麗に描けていますね。
千里先生の過去の話で、自分を犠牲にして家に全てを捧げなければならない、という倫理を強調してから閑雅に…読者に強い圧迫をかけてくるのがうまいですね。
昔は乳幼児死亡率が高かったので、たとえば王族では「男子二人が王妃の義務」などという言葉もありました。
でも、だからといって…本体が無事成長したとしても、スペアを事実上消す必要はないのでは?高い金をかけて教育したのにもったいないです。
というか…とにかく胸が痛い、それだけです。
ここからの…圧迫感というか潰れる感じは、こちらの胸が潰れました。
「さらって逃げて」じゃなく、影武者システム自体をぶち壊す気概はないのでしょうか?灰音ちゃん、そして生徒会のみんなの力を合わせれば…とりあえずそれを希望しています。
その上でどちらを選んでも…そして両方であってもいいですよ。
あまりにも辛すぎます。…というか今度こそクライマックスでしょうか?

黒崎先生の新連載はすごく楽しみです。今度はどんな暑さを見せてくれるでしょう。師走を乗り切るパワーをもらえそうです。
ちびまるこちゃんもお久しぶりです!

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