りぼん2011年12月号感想
今月号の表紙は、三誌ともいろいろ攻めの姿勢です。
付録は箱に入れる必要は…あったようですね。
すごく使いにくそうですが。
それにしても、種村先生のフリー宣言には驚きました。
僕はそのデビュー前後を知りません、当時は「なかよし」以外眼中になかったので。
それでも、まるで島原大変肥後迷惑、チリ地震の津波被害のように、「なかよし」にもその圧倒的な影響力が押し寄せて、今も失せていません。
投稿生の、新人作家の絵が、どれほどどれもこれも、一目見ればわかるような「種村コピー」だったことか。
今もその影響はくっきりと刻印されています。新しい時代の少女漫画の標準であり、それはいまだに乗り越えられていないのです。
もちろん、情報としては「りぼん」での、種村ショックの凄まじさは聞いています。
そして、種村先生は「りぼん」の制限のないところで堂々と好きなのを描けばすごいのができるだろうな、と前から思っていたので、今後とも応援したいです。
ただ一言。乗り越えろ、新しい地平を切り開け…次々と新人作家を試用する「りぼん」の姿勢から、どこかで誰かが化けてくれる、とんでもない天才が出てきてくれる…そう信じるほかありません。
いつもそれを信じて見守るのが「新人チェッカー」です。
逆に、大黒柱を失う「りぼん」にはそれ以外にないのです。
巨大な森で、古い巨木が倒れたとき、数百年ぶりに日光が当たった土に、埋まっていた種が芽を吹き、つかのまの草花の繚乱、そして日光に強い陽樹が急速に伸び、その陰からゆっくりと巨木の子供たちが育ち、新しい巨木になる…信じましょう。
ひよ恋(雪丸もえ)CRASH!(藤原ゆか)流れ星レンズ(村田真優)シュガー*ソルジャー(酒井まゆ)アニマル横町(前川涼)チョコたん!(武内こずえ)絶叫学級(いしかわえみ)ハコイリムスメの恋恋愛事情(岡野小夏)パーフェクト・ローズ(小桜池なつみ)HIGH SCORE(津山ちなみ)まりもの花(香純裕子/秋元康)桜姫華伝(種村有菜)ボクは狼。(優木なち)スターダスト☆ウィンク(春田なな)プリティーリズム(朝吹まり)次号予告
ひよ恋
カラーがふんわりして妙にかわいいです。
別に絵文字がなくてもいい、というか猫に聞かれても困ります。
猫は、文字だらけの携帯電話の画面を何だと思ってるんでしょうね。
これでりっちゃんに泣きつかれても…
モーニングコールは嬉しすぎます。狙ってますか?
それにしてもベッドと本体の大きさ非がすごい。
行事というとトラブルが起きそうで不安ですが…ってコウくんが似たようなことを。
「見守るな」「ニヤニヤすんな」ってそりゃするでしょ。石投げなければ。
おなかいっぱい、という幸福感もたまりませんね。ずっとこの調子でやってほしいものです。
りっちゃん、ちょっとかわいそう…
「友だちいないの」から、この二人で食べるのかと思うとちょっとわくわくしました。
ひよりんもやってみれば、というのは善意なんですけど、時には迷惑に成るんですよね。
もめたからくじ引き、それを正当化するのがうまい。
ひよりん…と、やはり。
「自分の彼女だからって」に「オレいつからコウくんの彼氏になったんだよ」という返しがお見事。
「ふつうに話せる男子コウくんだけだから」…わざとか、わざとなのか?
さてこの不安がどうなるのやら。時限爆弾がそろそろしかけてあっても…ま、個人的にはもめるよりイチャイチャしてるほうが見ていて楽しいですが。
CRASH!
キス、と思ったら風邪でストップ、どんだけいいやつなんだ…
で、「カズくんが早くラクになるなら」萌え殺す気か、と。
未遂、にしなくてもキスしちゃえばいいのに。
抱き合うだけでも充分ですけど。
「大事にする」ほど素敵な言葉もないです。
四時起きで電話したら…これはまあ、男女問わず転がるしかないです。
さらに「好き」の集中爆撃、なんですかこれは。
朝のことを言えば二人でボン、こりゃ見てればすぐばれますよ。
ちゃんと話す、って二人とも迷って決断してる、とことん同じ素材でできた魂ですね。
「ふさわしい人になりたい」が、正しい向上心になれば…問題はその導き手ですが、花ちゃんとその両親が協力してくれれば。
さてどんな反応が来るやら…
流れ星レンズ
確かにこれ、面倒くさいとしか言いようがないです。
さらにネットでゴシップ…正直やってられません。人間を。
どこにイアーゴがいるかわからない、さらにそれがネットまで使いこなすじゃ、人間なんてやってられませんよ。
こうして友だちがいても、イアーゴはそれを簡単に分断し、憎悪にします。人間はイアーゴには勝てません。
なんとかちゃんと説明しようとする夕暮くん、わけがわからず罪悪感がたまっていく凛咲ちゃん…もどかしいですね。
ノートにハートマークつき、こりゃ強力ですね。
彼も不安、だと思った瞬間抱きしめる、って彼女もすごく感情の強い子ですね。
よくならない、ジリ貧だとわかって、でもうかつに動いたら…蜘蛛の巣。
悪い癖です、人を自分の闇の部分の鏡、とんでもない悪魔と解してしまうのは。
遊んでる…これも正直な言葉でしょうか?
素直に「蜂野くんの頭の中も夕暮くんでいっぱいなんだ」といえてしまうのがすごいですね。
みんなで遊ぶ、なんてことはできるんでしょうか。
シュガー*ソルジャー
台湾すごい…
山…山ですね。いいなあ。
王子すぎます。いざというときが大変です。
この下手さ、でもまあ誰もが最初はこんなもんです。
いいことを言っているはずなのに魔女鍋、というのも苦笑しますね。
この鍋、まさかダッチオーブン…とんでもなく重いですよ。
にんじん入れないで、はびっくりしました。
「かわいー」と笑う笑顔、かなり凶悪。ほんと、こっちのほうがかわいー。
水と洗剤…水はどこから、洗剤はどこへ…
毒リンゴをばらまく…そうなのでしょうか?
さて、遭難イベントは…と思ったら予想通り、携帯電話から、というか山では決して一人きりになってはいけません。
引き返す、と考えがループしていたら雷…ここで雷は相当まずいです。
というか、本格的遭難イベントにするかわりにこれですますのでしょうか。だとしたら実にうまいですね。
それとも来月号は帰り道に迷って…?
アニマル横町
なにこのものすごいの。
文章が多い…担当かタイピングバイトが泣いたのでは。
みんなヤマナミさん、かなり気にしたら負けです。
金…それは僕もかなり欲しいかも。でも、今買うのは負けたようで嫌。十年前だったら、十五年前だったら…これからも上がる一方でしょうね、十年かそこらは…
でも金も、軌道エレベーター一つですごく安くなるかもしれません。
プレゼントは心、とかこのわけのわからない絵は一体…
「心と一緒に私の髪も編みこみました」は大笑いしました。
心のこもった豆腐…お疲れさまです。ミキサーがあれば割と楽です。ちなみにすり鉢とすりこ木でも何とか作れます。
まあ手作りの豆腐はそれ自体とてもおいしいので、いいプレゼントですよ。
チョコタン!
可愛らしさがますます暴走してます。
しかしミニチュアダックって目が大きくてかわいい。
そりゃ犬は、さんぽさんぽとそれが中心でしょうね。
そうそう、前にタイトル忘れましたがマンガで、動物の言葉がわかる子が聞いた犬のつぶやきが「女、女、女…」で大笑いしたことがあります。
土と植木鉢も、というのはすごい。
いつもみたいなおしゃべり、そりゃ思い出したら恥ずかしさで死にますね。
自分以外とはしゃべらないほうがいい、どこまで守れるやら。
まあ犬のガマンは人間とは比較にならないから…
「うれしくないのかなあ」って、人間の大抵の願望は、かなったら悪夢と化します。まあそのことは「絶叫学級」で毎度毎度…
頑張ったら頑張るほど、というのが今から見えて辛いです。
ゴスロリ…すごい。さぞ描くのが大変だったでしょう。
ここで犬が大声でやらかしてくれました。さてどうごまかすやら…
これで怒られたら泣くしかないです。犬は泣けないから…
ドーベルマンにけんかを売るとはいい度胸です。僕だって絶対勝てません。
で、思い切って話すと思ったら…そりゃコケますよね。
僕の犬も、晩年はよく手を、赤くなるまでなめてました…ストレスたまってたんでしょうか。
さて、どんなことをたくらんでいるのやら。
僕も犬と、こうしておしゃべりしたかった…なんでそんなにお手手なめるの、なんとかできなかったか…
絶叫学級
どれほど大変な仕事をしているか、子供に見せられればいいのですが。
みんなでパーティ、というのも楽しそうですが…
すごい、とっても城ではないですね。
開かずの扉、といえば民話でよくある…
二人とも帰った…どこに「ある」やら。
で、まさかこの手を取るとは、それほどそれが欲しかったのか…
ハコイリムスメの恋愛事情
相変わらず豪快な…
本当にオバケの幻覚、って義務教育の例外となれるほどに?
この国に、どんな超金持ち大貴族でも、義務教育から逃れられる子はいるでしょうか。皇室以外に。
海外ならなんとでもなりますが、日本は法絶対主義で例外がありません。
家の中で甘やかされ、さあそれでどうなるやら…
「環はダメです」…ストレートな。それで「何でもしますから私を彼氏にして」には大笑いしました。この手のタイプが絶対しなさそうな行動すぎて。
で、「作者は福山雅治に似せようと努力している」には大爆笑しました。福山さん御本人はどう思ったでしょう。
いきんり背後から木刀、そして拉致…たしかにとんでもないお嬢様。
他者というものがあることも知りませんが、本当に知っている人など人の頭の持ち主にはいません。豹の頭の王様は知ってるかもしれませんが。
ごちそうに釣られるというのも正直ですね。
世界中の人に自慢したい、でも出られない…悲惨。
鉄格子越しに二人で寝るというのもすごいですね。
水を自分で注ぐのを「よくできました」となでる…人間の一番深い欲をわかってますね。
彼がそばにいるだけで、どんどん成長していくのがうまく描かれています。
戻ってこない、それで自分で一つ一つ用意して自分の成長を噛みしめる…ここが実に見事です。
そして、彼の嬉しい顔を見たいから、と恐怖を振り切って飛び出して、このシーンもすごく訴えるものがあります。
ちゃんと、待っていてくれた…
なんというか、冒頭部の幼さをそのまま暴走させつつ、伝えたいメッセージがはっきりしていて、小さい子の心が何を求めているかよくわかっていて、読んで面白くて…素晴らしい作品ですよ。
次回作にも期待大です。
HIGH SCORE
おおお、で、スポンサーは誰でしょう。
作者本人の喜びが同時に暴走してますね。
そりゃ恥ずかしいですね、これは。
体型だけ変えたモコがまた爆笑。
担当とのおもいきりかみ合っていない会話がまた素晴らしい。
ギャグ漫画と自覚してなかったのか…
「「おもしろいかつまらないか」で言ったらちゃんとおもしろいんだから胸を張って」いい言葉です。「なかよし」編集部に張り出して、ついでにあそこの国語辞典開いて、絶対削除されている「面白い」という文字を加えておきたいものです。
さらに吉田さんの、男としての全否定…
おもいきり喜んでいたら、増田…そりゃ自分の描いたモコがしゃべって動き出したら、悲鳴でしょう。
ブリーフ…そりゃ阻止するでしょう。
常に隠す、というのも笑うしかないです。出られるのも嫌だけど一人だけ出ないのも辛い、というのも面白いです。
残念ながら、バニー・魔王・人魚、それどころか全裸でさえもブリーフには遠く及びません。
パーフェクト・ローズ
いきなりの発言…さあ、どんなことになるのやら。
この状態でのんびりと、「私恋愛経験というものがないので」って、男に抱かれていて蒼馬くんのことしか頭にない、って…
「それと引きかえに彼女を傷つけていいわけじゃない」って、だったら落とすという発想自体が終わってます。
いきなり距離をとる、って逆に翻弄してますが。間違いなく「あなたがおとされてしまったのですから(甘い悪魔が笑う:鳥海ペドロ)」…
しかしこのヘッドホン、似合ってます。耳は痛そうですが。
当然のように男の一人暮らしにいくというのも恐ろしい。
なにもかも暇つぶし、何をしたいとかがない…
いきなり「なんで俺のこと避けて」、さてどんな逆襲があるか。もう、僕には蒼馬くんが被害者に見えます。
というかみんなが楽しんでますね。
好きだと厄介だ、というのも逃げているから…あと、現実的な難しさがわかっているんでしょうね。
彼女の言葉、恐ろしく丁寧に磨かれていますね。これが小桜池先生の、本当の力です…
いい仕事、というより美春くんもおとされてますので。
しかし蒼馬くんも情熱的ですね。
さて、これでどうなるのやら…この父親、描くのすごく楽しんでますが、多分若い頃はとんでもない超絶美形でしょう。
まりもの花
家族がいる時点で危険ですよね。いつ家族を人質にとられるか…
このふんわりしたホームドラマに、いきなりジャンプ筋肉…大笑いするほかないです。
ドラクエって、勇者もこんな具合に鍛え上げてあったのでは?
ばあや、ってタカビーと思ったら、奇妙な動きですね。
ビルって建てるのに、計画含めて普通何年かかるでしょう。
ああ、そうか…宮下あきら先生の世界に対抗しようとしているのか…(とても空しい目)
すごいスタッフがそろってますが、それで何をするんでしょう。
同じ気持ち、なら円卓という手があります。
ヘリからのミニガン、これで死者が出ていないはずはありません。
というかその銃身、六本とも細い穴が開いているだけの鉄棒です。僕でも持ち上られるかどうかギリギリです。バッテリーと弾薬を含めたら絶対無理。
いや、今回も笑かしてくれました。
桜姫華伝
即位ってすごい時間のかかる儀式ですから。明治以降の儀式が正しいのかも僕は知りません。一応正しいということにしておかなければ国がもたないですが。
元々彼は死人、だから命字を奪われても、何も変わらない…
瑠璃条に似ているからついなでてしまう、というのが爆笑しました。
雷呼んだりできるんですね。それだけでもかなりすごい。
というか懸想で頭なでたりはしないでしょう。
百合姫…美しさにこだわりすぎの暴走、一筆入魂のパワーに圧倒されそうです。でも昔の少女漫画のキラキラ暴走には…
いきなりとんでもない秘密、これが本編と関わらなかったら大笑いですが。
茜という女性が言ってしまったら大変ですが、まあ誰も信じないでしょう…
怪しい男が実は舞々、ってなぜ男だとわかる。たしかに女房すごい。
やってるのは女子会、というのもため息しか出ません。
お互いに美しいから引き立て役に、なんというか勝手にしてろとしか言いようがありません。
というかこっちの「似たようなコマ」も気合入れすぎ。
で、こういう善意での行動を悪用しちゃダメですって。元々この人たち人間不信なんですから、善意には善意で応えないと…
桜姫がやることひどい…疾風と瑠璃条の純愛に比べるとふて寝したくなるほどに。
ボクは狼。
回想がいきなり狼、それで吹いていたから官能描写スルー…
幼稚園児で、別にいいじゃないですか。
誰だって中身はそんなもんです。それこそマクベスだって。
牛って300kgとかそんな単位ですよ?よくもまあ…
というか、血抜きしないと肉はかなり臭くなって味は半減以下です。
まあ、丸焼きできる状態で持ってきたら、R-18になってしまいますが。
圭太くん…最低、なのは自分じゃなくて圭太?彼女のほうが幼稚園ですよ。
「圭太がりなに執着してるのは〜」この言葉、厳しいしすごく深く刺さります。
「もうどうでもいいだろ」ってそりゃそうなりますよね。
彼女も、なんというか…自分以外に心があるとは、思っていない…少なくとも圭太くんには。
男子には。大神くん以外の男子には。
大神くんも心が広いですね。
でもあげない、というのがまたストレートで素敵です。
いつキスしていい、というのも厄介ですよね。そりゃもう、人目がなかったら年中いつだって、が本音ですが…
で、圭太に告白する女子…これはびっくりしました。
これを見なければ彼が本気だと…というか、圭太くんが人間だとわからない、というのがまたすごいです。
スターダスト☆ウィンク
告白から甘くなるどころかグダグダ…
ま、「どうしても杏菜がいい」「私も日向が好きだよ」と、まあまとまったようで…はい最終回お疲れさまでした、といいたいところですがそうはならないようで。
颯くんのメッセージは、日向にだけはわかる暗号でしょうか。
そういうこと…しかしややこしい暗号です。
夜中抜け出してたの、しっかりばれてましたか。
「颯はもう俺と」「本気で言ってるの」…さてここからまたグダグダしそうです。
ま、甲子園に集中するべきなのに何をやってるのやら…
三人で幸せ、とかいうのはエロゲにしかない話ですね。
そして、発表に「異議あり」と言ってしまう、これはかなりの山場にはなったと思います。
電話で颯くんに「俺杏菜が好きだよ」、これ告白そのものより重いですよ。
泣いてますし。
で、先生…これからまだ動くんでしょうか、せっかくきれいにまとまってたのに。
なんというかラスボス曲が…
プリティーリズム
目が回るような華やかさ。黒い蝶というのはまさしく魔の美しさがあります。
それを白で表現するセンスがすごい。
花音ちゃんの葛藤、特訓をしっかり描いてくれたのはとても嬉しいです。
このシリアスモードのペンギン先生は凄まじいまでですね。
自分でしか答えを出せない壁…
三人で…というのが答え、一つ一つ繭を破っていくのが実に丁寧に描かれています。
テンポが狂っても自分のダンスを踊れるようになり、それが…やはり華やか!
「今のは相手のパフォーマンスの方が上だ 自分の実力に慢心したこと反省するんだな」この言葉がかなりぞくっときました。
相手をありのままに認める、自分やチームメイトもうぬぼれずありのままに評価している…
慢心や見下しではなく、常に反省し向上する姿勢が、ある。
さて、それほど高い心もある彼らの、どんなパワーが炸裂するか、楽しみにしていましょう。
毎回安心して楽しめる、素晴らしい作品です。
来月号は…PEACH-PIT!?
びっくりしましたが、元々原作は確かヤングジャンプですから集英社つながり、またプリティーリズムが「ちゃお」でも連載、前にも「デ・ジ・キャラット」などで壁のない展開はありましたね。
元々女の子に好まれる作品ですし。
そして新人作家の読みきりが毎号、なんて贅沢でしょう。予告カットからも重いパワーが伝わってきます。