りぼん2016年8月号感想
表紙はとても不思議な雰囲気です。
別冊付録はまさにうれしい悲鳴。いや別冊付録なんて、かなり久しぶりに見たような。
とにかく多数いる新人作家にとってうれしい企画です。
雑貨もさわやかで素敵です。
…別冊付録含めての感想は死ぬほど疲れますが、それだけ満足感も大きいです。
キヨちゃんの犬。(木下ほのか)ゴリラインラブ(小石りく)となりのブルーガール(姫川恵梨)飛行列車(増田ゆな)きらめきのライオンボーイ(槙ようこ)つばさとホタル(春田なな)箱庭モンスター(かるき春)バディゴ!(黒崎みのり)めだかの学校(森ゆきえ)ハニーレモンソーダ(村田真優)アニマル横町(前川涼)キミとだけは恋に堕ちない(酒井まゆ)好きにならずにいられない(木村恭子)恋するスキャット(瀬川あや)絶叫学級(いしかわえみ)猫田のことが気になって仕方ない。(大詩りえ)吹彩(雪丸もえ)HIGH SCORE(津山ちなみ)チョコタン!(武内こずえ)次号予告
キヨちゃんの犬。
不機嫌そうな表情に苦笑します。
すごくラブラブなシーンなのに、「憎くてたまらない」「すごいまずい」と違和感連発…どんな関係?
…下僕?
すきあらば、ってそれ好きな子ほどいじめる、じゃ?
自転車で女子にこがせるのは外道ですねえ。
人を操ることができる紐…えらいもの持ってますね。
抱きつくふりして結ぶのはうまい。
うんこれは、これ以上に楽しいことは地上にありませんね。調子に乗りまくっているのが爆笑。
妄想がそのまま命令になってしまう…それはそれで不便ですねえ。
バク転30回って、できるとしても1500走並みの体力消費では。
バンザイさせて冷えるシートを張るのはいいシーンです。
「俺は好きだけど」はかなり吹っ飛びますね。
ついに紐を外してしまって、あ、逆に結ばれて…もう最後のほうのひたすらイチャイチャはすごい。
ものすごい力技作品ですね。
ゴリラインラブ
柔らかいタッチですね。ゴリラ、というとちょうど今終わりそうなジャンプ最長ラブコメ…だったら超美人じゃないですか。
あえていえば、最初に普段のゴリラぶりがあまり描かれていないことですが…描けばそれはそれで余計なので、難しいところです。
少女漫画に文句言いながら読んでるのは楽しいですね。男の子も同じように文句言いながら少年漫画を読んでいるんでしょうか。「いや七歳で腹筋千回って普通に死ぬから」とか。
そんな中、いきなり飛びこんできた大きすぎる爆弾、「中川って渡辺のこと好きなの」。うまい導入部です。
素早く寝たふりとは…それからの意識しぶりが面白いです。
…いや、中学生ぐらいに対して、この手でなんでもない男女を恋人同士にさせる、という悪魔のいたずらが可能ですね。そんな全能感を楽しめるいたずら、なぜみんなやってないんでしょう。
細かいリアクションがすごく楽しいです。
この年代の、すさまじいまでの自意識の熱さが見ていていたたまれないほどです。もう頭が圧力鍋よりすごいことになってましたっけ…
意識しまくりの挨拶とか、見ていてたまりませんね。
ぶりっ子化してしまう、というかこれが恋をするときれいになる、という…
「もっと知りたいとは思うよ」はもう転げまわるしかないです。
いきなり「近付かないで」はびっくりしました。
そしてまたゴリラに戻って…でももう仲良くなってますよね。
いきなり泣き出すとか…それで「告白しに行こうかと」、すごいことになってしまいました。
それでとうとう倒れてお姫様抱っこ…すごいことにもほどがあります。
「何が言いたいのおまえ」はよくわかります。この作品、男の僕が男子の立場で読み返したら…確実に暴れるか自殺するかです。
ぶっ壊れた会話からの「付き合って下さい」は、もう頭に穴開けられて溶けた鉄流し込まれたようなものです。
これだから少女漫画はたまりません。
となりのブルーガール
シェアハウスというのはそれなりに普及してきたのでしょうか?面白い題材ですね。
美女だと思ったら男、クラスメート、ととんでもない自体が土砂崩れのように押し寄せてパニック。
女の子の裸の描き方がうまい。直角を利用して、見えないように最大限に肌を露出させています。体の丸みもごく自然ですし、男子との対照もしっかりしています。
「俺の方が美しいのに」はすげえ。
翌朝のホラーじみた表情は笑うしかありません。
言いふらす相手がいない…なんという安全。
そしてついに友達が…できるのか不安になりますね。
家での女装モードと膨大な服コレクション、すげえ。
「好かれたいと思ってないから」それが本質だとしたら難しい話です。
ナンパから助けてくれる、ここのカッコよさも強烈。…誘った友達がひどい人たちで、ひどい目にあいそうになるのを助けてくれる、という話も想像していましたが、こちらの方がずっといいです。嫌な思いするために金払う趣味はない。
あえて話を終わらせず、途中で切るのもうまいですね。その幕切れと踏切もうまく響いています。
この超絶な技術を活かせる作品が降りてきてくれたらいいですね。
飛行列車
すごい強さのあるタッチですね。91点で落ち込むのは、親が間違っています。
というか、同じテスト、同学年でなければ比較は無意味でしょう。たとえば僕が行った高校は、その二年後から偏差値が跳ね上がりました。もし僕に妹弟がいて不合格になっても、何ら恥じることはないです。
で、いきなり死亡…とんでもなさすぎる話に。
どれだけ勉強しても罪滅ぼしには足りない…ええと、宗教に気をつけて。
とんでもない点数ばかりなのに「きっとこんな点数とらないのに」…あまりの不毛さに頭を抱えたくなります。
どうすることもできない母親も辛いでしょうね。…父親はいないんでしょうか。
いきなりの列車、本当に何が起きるかわからない作品ですね。
星空とやたらリアルに描かれた今の電車…
そしてタイムスリップ、姉を助けるチャンス?
「蘭ちゃんがくれたんでしょ」で子供が「ちっちゃい姉ちゃんが」、ここはすごく胸を打ちますね。
このタイムスリップ後に、姉妹それぞれの魅力がどんどん伝わってくるのが実に面白い。
そして事故…どうしようもない、としか言いようがない…すごいタッチに迫力があります。
…真相も大笑いしますね。しかし明るい死人もいたもんです。
とことんストレートに徹した終わり方もお見事。
とても大胆で力強い冒険作。
いや、ここまでやってしまったら次以降のハードルがめちゃくちゃ高くなるんですが…
きらめきのライオンボーイ
冒頭からものすごい色使いです。
そんな好きな作品なら、雑誌も買って該当作は切り取り保存しているでしょうに。
みわちゃんを守ろうとしている笑心ちゃん、でも当の本人は二次元…面白い関係ですね。
地面がない…どう声をかければいいんでしょうね。
そしていきなりのヒーロー…よく二次災害にならなかったものです。いや、後ろから衝撃を受ける結果になった男子三人が危なすぎます。
守ろうとしている笑心ちゃん、でもちょっと無礼ですよね。
「心地よかった」なんて正直な。
かなり人気のある四人なんですね。
猪倉…突然わけのわからないことに。
あぶなかしい星の子、だからボディーガード…こっちもちゃんと情報収集しているんですね。
で、男子四人…残り三人がまとめて笑心ちゃんのポジション?
電車での再会、さていつ猪倉様が出てくるのやら。
「だってリア充なんでしょ」…わかりやすい奴。
で、こんなところで猪倉氏登場とは。
同時に笑心ちゃんが、肝心なところで守れていない…
猪熊氏、ある意味一途ですね。そんな昔の悪意をこんな何年も引きずるなんて。というかそこまで一途なら、転校中もやってきて嫌がらせをしてもいいのに。
「俺がみわを守る」っていきなりすごいことに…いや、協力して守ればいいじゃないですか。
というか単に猪熊氏を、無力化するか相互確証破壊状態に持ちこむか。
つばさとホタル
大変ですね。
いきなり立たれたら、そりゃやましいことがある人間は地獄ですよね。
この全体練習、いかにも暑そうです。死にそうです。
完全にあきらめる…そりゃ、そうするしかないんですよね。
屋上とグラウンドで、指だけで会話する、ここはものすごいものがあります。どんなに二人の心が深く通じ合っているか…
たった一言、「本当にひなちゃんと付き合ってるの?」で解決するのに、すれ違ったまま…
胸が裂けそうになります。
箱庭モンスター
待望すぎる新連載。冒頭部はちょっと暗いですねえ。
自分の世界に閉じこもれる…ということは、ピ○シブとか外に出たら潰れてしまうかもしれませんね。
高校で極端に成績が低い、というのは受験でかなり無理をしたんでしょうか。
先生も口は悪いですが親身ですね。
母親も心配してくれているんですよね。
これだけやってダメ、というのがすごく現実的ですね。先生も、そういうことも含めて…いや、はるかそれ以前の段階、世界と関わっていない、という問題だから…
落ちるところまで落ちてから、いきなり変な男に絵を見られて…面白い逆ジェットコースターですね。
バネを引き延ばすかカウンターウェイトを持ちあげるかしながらすごく下まで引っ張られて、一気に打ち上げられるような。そんなアトラクションがあったら面白すぎますが危険すぎます。
いきなりの「君がほしい」、これまでの暗く静かな沼から、一気に高速道路。
マイナス想像の数々がいろいろすげえ。
いきなり出てきた変な少年、そしてうずうず、と描き始めたのがそのまま当たる、とわかりやすいジェットコースター。
仕事の流れ解説がまたわかりやすいですね。
「うっちーの才能
俺が買ってやる」このシーンの迫力と押し出しはかるき先生のタッチのいい部分がすごくうまく出ています。
そしてやっと母親に、主張できた…しっかり理解して送りだしてくれる母親も素敵な人です。
モンスター、という引きもいいですね。
…前の連載とは違い、とことん掘り下げる…桁外れのかわいらしさだけで通用するのは、タイアップでないオリジナルでは一作だけ。ここからが作者の、本当の勝負ですね。
楽しみに応援しています。
バディゴ!
ひとりじゃない…それが確認できたのはいいんですが、問題は何も解決してないです。結局「言えない」ですし。
素敵な光景…腐った目にはこれ以上なく。
ライブの迫力も素晴らしいです。
疲れてはいても練習する、ダンスにはとても真摯。
素直に人に教えを乞えるのが彼女の強みの一つですね。
女の姿で会ってる、ってそれが初耳…というかきーちゃんとハヤテくんがまだ会ってなかったのが…
で、あっさりと悪をやめてしまう、って正直何それです。
「手出さないで」、これで対決に?
うーん、陰湿で嫌な展開にならなかったことを素直に喜ぶとしましょう。いや、納得できないですが納豆を食わずに済んだんですから喜んでいいんでしょう…
めだかの学校
ここでの生活、そりゃ友達には言いにくいですよね。
…いきなりすごいものが…
普通の犬の…いきなり、の連発です。
ゆるキャラ…すごいごまかし方ですね。
…隠し事する必要皆無、なんという心の広さでしょう。でも靴の裏に座るのは汚いんじゃ。
ハニーレモンソーダ
37.8ってしゃれにならないですよ。
家族が寛容すぎるのもプレッシャーになってしまう…「学校に居場所がないってあの時話していたら」が恐ろしいです。
それで壊れかけるまで我慢してしまっていた…親としてはどうすればいいってんだ、と叫びたくなります。
そして、「2人が一緒にいるからだよ」と、また自己否定のサイクルが…
そんなときにかかってきた電話…「いやオレ」ってずるいですよねえ。というか、この手があったか…自分がいくつなのか考えると、今までそれすら思いつかなかったことに愕然とします。
もうすでに家の前にいた…すごい眺めですね。自転車ってこんなかっこいいものだとは。
そのあとの思い切った大ゴマ見開きも強烈です。
本当に気合で治しましたか。
笑ってるのは全部一緒に石森ちゃん…
圧倒的なまでに、いろいろな光を爆発させて最後に爆弾。すごい作品ですねえ。つか、鬼だこの作者…
アニマル横町
じゅうたんって、めちゃくちゃ重いんですよ?しかも台車にも乗りやがらないし…
いきなり竹が落ちてくる、竹取物語シチュ…ええと、そういうことだったんでしょうか。地面から生えた竹じゃなくて、上からたまたま竹林に…
スマホで写真を撮って「てことで…」は爆笑。
鉈が竹から出てくるのは大笑いしました。
竹ごと飛んでいってしまう、というのも豪快な話です。
確かにまとめれば「からまれ」た、としか言いようがないですね。
キミとだけは恋に堕ちない
メールを見てにやー、つきあいはじめの女の子らしいですね。
「将来の義理の兄」は爆笑しました。それで「勉強教えてもらえ」とか、もう何考えてるのこの展開!と叫びそうなぐらい。
「もう学校で一緒にいられなくなっちゃうの」…女の子って恐ろしい生き物。
「どんな人でも反対するでしょ」「そーだけど」、素直ですねえ。
面倒見がいいというか飴と鞭がうまいというか…
殺す、とあっさりと…正真正銘本気だということがはっきり伝わります。
転校で…そういうこともあるんですね。
頭がいいのにこの学校…まあ理由は決まってますよね。
「妹と出来て」って、よほどの悪意がなければそれは言わないですよ。
かわりに殴って「何かあったらすばる泣いちゃうでしょ」…ここはかっこいいです。アザというか骨折しなくてよかったですね。…拳って人体の欠陥設計の中でも結構深刻ですよ。殴るためにあるようでいて、殴るにはもろすぎる。
「俺とお前のどっち信じると思う」…えげつな。
「すばるが泣くだろーが」、両方本当に彼女のことを思っている…
見事に追試クリア、というか家庭に入りこみすぎてないか気になります。
なんというか、すごく楽しい作品になりそうで…あれ?こういう作品でしたっけ?
好きにならずにいられない
すごいテンションとパワー。
かたちから…いやいい具合にアホで楽しいです。
回想も楽しいです。
チークの、「ぽん」というリズム感もまた素晴らしいです。
「青戸くんの好きな人はやさしいよね」という言葉、むしろ恐怖に震えあがりました。
こんなきれいすぎる世界、壊れる前触れのようで胸が潰れそうです。
純粋すぎるなんてもんじゃない想い…
すぐに出てきてしまう涙、受け止めてくれる友達がいてよかったです。
小さな○、これもまた素敵で…
なんて壊れやすい宝石箱。絹糸より細いガラスで編み上げられた花々。
ほんのわずかに触れただけで、音だけでも全部壊れてしまいそう…こわいよ。
恋するスキャット
そりゃまあ課題どころでは…と言っても教師もそんなこと言われても困りますよね。
というかその会話が丸聞こえ…しかも思い切り誤解する言葉ばかり。
ドキドキして開けたら…大笑いしました。
で、「襲ってんのはお前の方だろ」…いい状態になりましたね。
不審者侵入から…お気の毒に。
というかこのまま不審者が出てこないままの学校関係者のご冥福を。
勝負って…なんというか熱いですねえ。
さらに家で三人で食事とか、完全に篭絡されてます。
次回で最終回なのは残念ですが、とにかく楽しいです。
絶叫学級
無料で楽しめるものが多い、それも今の特徴です。
といっても、実はネット料金がかかっていますが。
「無料で楽しんで本当に欲しいものをちゃんと買う」これ自体は正しいと思いますが。
無料ではあっても別の形でいろいろとお金がかかる…さらに社会が変化していく。
現実的すぎる話です。なんでも市場化する、というのが歴史の流れ…過去形にしていいかどうかすらわからない。
…こういう考えさせる話ばかりなら素晴らしいんですが、この作品。
猫田のことが気になって仕方ない。
彼女の変な反応…考えてしまっているようですね。というかずっと付き添ってくれるって…
素直すぎる子と優しい子…すごく素敵な回想。
猫田要、カナちゃん…風で書類が飛ぶのはすごくきれいなシーンです。
そして、ここで引越し…うわあああ。
それをやってくるとは、むしろ呆れそうなぐらいです。
これで、これから先は何一つ読めないんですよね。
吹彩
一丸となっての大会、楽しそうです。
先生の燕尾服…うわ、いくらするんでしょう。
舞台裏で、それが全国レベル…きついですねえ。
そしてコンサートの本番。まさに圧倒されます…すごい響きがはっきり伝わってきます。
「皆を遠くに感じた」うららちゃんの心情描写も素晴らしい。
そして手紙…すごいことを言いますねえ。
で、本当に背中を押されて、告白してしまった…
「うららも一緒にいたよ」という言葉も感動します。
ものすごく真っ直ぐな青春。この作品があることがすごくうれしい、と思えます。
HIGH SCORE
確か久々のダマ先生…
いろいろと少女漫画ヒーローだったとは。
テレビじゃ伝わらない、今の4Kならある程度は伝わるのでは?
変なメガネをかけても、ああなれるわけじゃない…そりゃ虚しいですね。
めぐみちゃんがあの体質になったら、そりゃ想像したら泣きますよね。
チョコタン!
トリマー体験、これはまた楽しそう。そして犬にとっては寿命が縮むほど迷惑そう。
血が出てしまうのは漫画なのに背筋が寒くなりました。
ついやってしまっての悲劇…ああああ。
そして励ましてくれる山谷さん、いい人ですね。
トリマーになりたい…いや、動物が好きな人は動物に関する仕事に就くべきではありません。人間が好きだから刑務所の職員になりたい、と同じですよ。
動物に関する仕事に就いたりしたら、想像を絶するほどおぞましい、身勝手で残忍で邪悪な人間を、発狂するほど見ることになります。ペットがモノでしかないという現実を思い知らされることになります。
確実に。
人間の残忍さ、邪悪さは、想像を絶するものなのです。
来月号は柚木先生の…楽しみです。
ちょっと来月号は暗い話になりそうなのが多いですが、楽しい話も多いのでそれで乗り切りましょう。