りぼん2018年10月号感想

表紙は妙な力強さがあります。今月は三誌とも方向が極端で面白いですね。
ぎりぎりの付録…でも解釈するのは権力者だ、おまえの判断は何の価値もない、それが現実世界の第一法則…

雑誌そのものがこれ以上暗くならなければいいのですが。

「Say〜」が連載だったことには正直びっくりしました。

「まる子とあそぼう!」ページ(そんなのがあったということも気づいてませんでしたよ)がごく普通。
今月号発売には、訃報を反映させるのは間に合わなかったのでしょうか。

きらめきのライオンボーイ(槙ようこ)HIGH SCORE(津山ちなみ)たったひとつの君との約束(池田春香/みずのまい)ハニーレモンソーダ(村田真優)ハツコイと太陽(木下ほのか)6月のラブレター(春田なな)古屋先生は杏ちゃんのモノ(香純裕子)アニマル横町(前川涼)愛ともぐもぐ(優月うめ)さよならミニスカート(牧野あおい)ラブゾンビ!?2(森乃なっぱ)絶叫学級(いしかわえみ)群青リフレクション(酒井まゆ)恋ばっかりの世界でわたしはキミと(柚原瑞香)ぼくらのクロノスタンス(大詩りえ)Say the name!SEVENTEEN(柚木ウタノ)いちばんちかく!(蒼瀬サキ)次号予告

らめきのライオンボーイ
完全な朝チュン…というか朝からもういちゃラブにもほどが…
牛乳の容量が800というのが時代ですよね。何このシュリンクフレーション。
クラゲには殺意があるのがありますからね。特にクラゲのようでクラゲじゃないやつとか。
おせっかいですねえ。
しっかりすごいことを教えますね…
助けた直後いきなり胸を触って謝らないって…これだから思春期は。
なんでしょうこのぐちゃぐちゃ。

HIGH SCORE
乙女ですねえ。
すごいバレかたもあったものです。
「誇りを持って」…とことんまじめな人ですね。心配なほど。
無理やり着た時の惨劇は爆笑。
ゴリラにも当然メスはいますよね…
プロレスラーや柔道部大学生よりゴリゴリしいって…
ゴリラ関係の本…ひどい話のオンパレードになるのでは?
なんだかんだいってラブラブですねこのカップル。

ったひとつの君との約束
少女小説文庫のコミカライズは「りぼん」では珍しいような。記憶がないです。「なかよし」では何度もやっていますがなぜか大ヒットが出ないですよね…
笑顔で別れている、でも好かれていないと知っている…きついですね。
嫉妬からルール違反を咎める、というのも辛い。
辛いことばかりの子…膠原病とは、そりゃ…さらにシングルマザーとは…
ひかり君のほうがやばい病気なのでは、と思ってしまうのが悲しいところです。
さてどうなるのやら…どうか生きていますように。
とても淡々とした話ですが、深みがものすごいです。実力のある作家を活かそうと編集部も頭をひねったことがうかがえます。

ニーレモンソーダ
こういう貸し借りが憧れ、人間になることにあこがれる身分の子、というわけです。
「じゃあ今日からうちらといよう」といきなり…
彼女の笑顔を見て察してしまった、ここは痛みが強烈です。
「思ったことすぐ口にするクセ治すわ」が大爆笑。
「三浦くんがいなくても大丈夫」…うわーやってしまった、自分から大失敗を…頭を抱えています。
「まんまコピーしてんな」という言葉もざくっと刺さりました。そして真似してみたら虫酸…うわあ。
いや欲望は当たり前ですが…

ツコイと太陽
ポニテを触ってみたいのもある意味男の本能。
男女別にするのは安全かも…ええと、男女共学と男女別学、どちらが安全なんでしょう。いや同年代の子供を迷信宗教も与えずに群れにすること自体が間違ってます。
土下座って…
頭文字でバレてしまう、というか普通の学級で頭文字でバレない率はどの程度でしょう。
腕をついつかんでしまって太いって…男子らしいですね。
しっぽとりゲームというのは初耳です。面白いですね。
ドリル中にこのメッセージ、実にうまい。
忘れちゃった…女の子は残酷ですね。別の意味の残酷さが降りかかりそうですが…
今の「りぼん」だとどれだけ暗くなるかわからないのが怖いですが、この雰囲気を崩さないでほしいです。

月のラブレター
プライバシーも何もない…
交代、するのかどうか。こんな小さいことでワクワクさせるのですから素晴らしい。
小千谷くんの気の毒な動きは見ていて…
顔が寄ってしまったときに起きてしまう、これはびっくりしました。
これだけ優しくされたら、そりゃ自分でやると言いますよね。
そして見事なロングのブザービーター。奇跡ですね。
「誰に手ふってるの」…はは。まさかこれで真相に気づく人はいないでしょう。
と思ったらこちらも見てている…本当に予想を許さないとんでもない作品です。そのくせこのたまらない、上質の温泉のような空気まで楽しめるんですから…

屋先生は杏ちゃんのモノ
年がら年中お祭りですね。
みんな聞き耳立ててますね。
先生にも同世代の友だちがいる…
将来ふられる覚悟をしている、ここが実に面白い。
キミシマンの側、実に微妙な会話です。
「先生が今行ったらおかしいやろ」まさにその通り。よくわかってます。
「俺の前で嘘つくな」も素晴らしい。
柱に頭をぶつけるのがまた見事。
そして目撃証言を聞いて、お面を借りて走ってしまう…うわあ。
あの、お面外してキスしてたらそっち側から見たら…。
本当に何でクビにならないんでしょうね…

ニマル横町
新キャラがついに。何年振りなんでしょう。
明るく接しているのにひたすら暗い…いや僕もこんな感じだったのでしょう。
これからまた出てくるのでしょうか?

ともぐもぐ
打ち上げという名の部長の手料理リサイタル…はは。
「もうちょっと頑張って告ったら」って、人が聞いてるところで話してません?
彼の動きも変になって、そして帰りにひっぱりこまれる…ここはびっくりしましたよ。
炭酸で酔って…なんかすごい会話になってます。
さて、告白はできるのでしょうか?

よならミニスカート
辞めても無駄でしたね…
…コンクリート製のホームで投げ技は殺人未遂の域ですよ?というか振り回される足が誰に当たるかわかりません。
こんなところでも強い悪意が漂っているのが怖い。
警備員を全員投げ飛ばした、って…ますます犯人が超人化してますね。
というか外で人を投げるのは危険なので警察も本腰を入れると思いますが…警察を支配できる権力者なのかもしれませんね。それとも、アイドルに対する軽蔑、女性憎悪が強いから捜査しない?

ブゾンビ!?2
この壁って完全に殺意ありますよね。
パチンコ玉の指弾は実に便利な護身法です。目を正確に狙えればですが。
自分の妻と息子…まったくホラーの文法に逆らいませんね。

叫学級
パンをくわえて走ったら、…というか物を食べながら走ったら窒息しそうですね。
不安の出し方が実に唐突。
「岩田さんだって生きてるのに」という言葉、人間というものの業を感じますね。本性のレベルで、自分の群れの一員でない・同じ身分でない者は、人間ではない。
写真の女の人が徐々にこちらを向いてくる、まあ定番ですねえ。
スマホを初期化してもらうことは可能では?
そして岩田さんを…
ここで真相、そしてうまい復讐…と思ったらこう来ましたか。
相変わらず読者の意表を突くのがうまい。

青リフレクション
心晴ちゃんにとっても大きな飛躍に…
綿密な計画って…とても良い雰囲気…はは。足で蹴り合っているの、ゲストにばらされないでしょうか…
「変な子っぽい」が苦笑。
「漣くんかっこいいね」とぽんと…怖い子です。
話題変更失敗がまた苦笑。
解禁されてみたら、漣くんの顔は出ていない…上手いショックです。
そしてそのほうが演出としてはよくなってしまった、ネットでの小さな言葉の渦が素晴らしい。
「俺呼び出すなんて百年はえーよ」なのに来たのが、わかっていてですよね。
強烈な決意の表情…
「踏みこんで嫌われる覚悟」そしてVer.ベータ。やってくれます!
子役失踪事件…
本当にどこもかしこも、ものすごい表現力・演出力。
それでいて、読者に嫌な思いをさせるのが目的の作品ではないのが、酒井先生のいいところです。

ばっかりの世界でわたしはキミと
違和感の表現がうまい。
ちゃんと言えない…そりゃ言えませんよね。
気にすることない、って無理なんですけどね。
花野さんとの雰囲気、ここもまた…
そして告白宣言まで。一気に斬りこんできますね。
嫉妬より、相談してもらえないことが辛い、これが何度も強調されているのがうまいパターン破りになっています。
さらにそれが、自分が悪かったという罪悪感に結びつく…子供から大人になるきっかけは罪悪感も大きいですからね。
彼の言葉がすごく率直です。
しかしすごい表現力…この連載は、最後まで変な方向に暴走せず表現力を活かしきってほしいです。

くらのクロノスタンス
荷物もある、その荷物が実にいい。雄弁です。
姉の監視、止められない暴走…逆に監視する…
ただ、彼は立場の違いを理解していないのでは?その父の経済力で食い、学校に通っている。
未成年者は日本の法律でも人権がない。奴隷や家畜も同然。公平な裁判を受ける権利も、財産を持つ権利も、契約する権利も、住む場所を選ぶ権利も、働く権利も、選挙権も被選挙権も、自由に結婚する権利も、何もない。さらに親権は背筋が寒くなるほどすさまじい、絶対の権力なんです。今の法体系でも。
どうやって止められると?現実でも権力者である父親が暴走したら、なにもできませんよ。
監視器具も、最終パスワードと法的所有権を握っているのは誰でしょう?
ぽん、と優しく触れる手…何もかも受け入れる言葉。
そして離れてから、それがどんなに重いか気がついて泣き出す…とてもしっかり組み立てられています。
何ができるでしょう。

Say the name!SEVENTEEN
読み切りでなかったのがびっくり。
とにかくキレがあります。中国語組や英語組、いろいろと…
テレビの活動も含めて、すごい量の取材がわかります。
猛烈な熱気を静かに描く、熱した刃のような作品です。

ちばんちかく!
とてもスタンダードなタッチ…なのに一言で表現しようとすると言葉が逃げていきますね。
とんでもない関係ですねえ。誕生日の一日違いが…
過去問はありがたいですね。
写真を見て対抗心を燃やして、浴衣とは…この母親の過去の方が興味深いほど。話にうまく深さを与えています。
そして娘を送り出す母親の優しい笑顔!すごい表現力です。
鎖骨と体の芯を大切にしてるのがわかります。身体を丁寧に描きますね。
あっ、で彼のクラスメートかと思ったら…この奇襲もたまりません。
当たったら告白する…そして最後の一個、奪うように自分で食べて…すごい緊迫感です。
ワサビ入りを食べてしまった強烈な肉体反応、これは誰にでもわかるからこそ、すごく強く体で共感してしまう…
そしてストレートな告白!…クラスメートの女子が出ずじまいなのは見事にしてやられました。
じっくりとラブラブ会話を続けるのもいい趣味してますよ。
最後も少しドキッとさせます。
読者を翻弄するのがうまく、完成度が高い…これからがすごく楽しみです。

月号は絶叫学級…10年作品というのもすごいものです。
二本の読み切りも実に楽しみ。
といっても実際には、さくらももこ先生関連で何かある可能性が高いと思います。

目次へ

ホームへ

もえるごみへ