りぼん2019年11月号感想
柔らかく華やかな表紙。これはこれですごい。
付録の豪華な感じときたら!
そして恐怖の別冊付録…ええ、そのために数十年に一度、この月にだけ祝日が一つ多いと考えましょう…
「ちびまるこちゃん」の継承は面白いプロジェクトです。
今は漫画の技術が進んでいて、作者没後も十分なスタッフで描き継ぐことは十分可能になっている、それがある意味現実でしょう。
いくつもの傑作漫画の、原作者が描いたものと区別が難しいスピンオフが今は売れていますし。
それだけ、「りぼん」にとって「ちびまるこちゃん」は欠かせないものだった、とも言えるでしょうね。
三作品とも作者の次回作が楽しみすぎる!すごくいい!
運命の恋探してます(密なつめ)ミスター・シークレットハニー(中島みるく)純情チャラ男と不純委員長(小林ユキ)ハツコイと太陽(木下ほのか)古屋先生は杏ちゃんのモノ(香純裕子)初×婚(黒崎みのり)神様になれる日まで(熊乃すず)アニマル横町(前川涼)ハニーレモンソーダ(村田真優)HIGH SCORE(津山ちなみ)吸血鬼と薔薇少女(朝香のりこ)きみとゆめみる羊(柚木ウタノ)ぼくらはみんな(武内こずえ)いちばん近いひと(佐々木奈緒)旅立ちのエノ(文川よし乃/たしろみや)次号予告
運命の恋探してます
女子みんな、京くんに夢中なのに別のコイバナに夢中という矛盾…
そして、危うく死亡事故、ガードレールの欠陥。まったく華麗なものです。
漫画が入れ替わる、というか「空から降ってきた」を読んでる男子がこのシチュエーションは爆走しそうです。というかこちらの漫画も少女漫画タッチですよね…
「俺のことはどれだけ」が熱すぎます。
中1から高1まで、三年で八巻って少年誌にしてはかなりスローペースでは?
父親が…母子家庭…そりゃ夢見てないだけにもなりますよね。
数カ月…気の長い少女漫画もあったものです。すっかり漫画ケンカップル扱いに…
そしてここで、自分を見ているんじゃなくて漫画の中の相手を見てるだけ、と…これはうますぎる。
さらになんて熱い告白シーン。
これはこれで、もう完璧です。ものすごく完成度が高い正統派。
ミスター・シークレットハニー
憧れの人…その本性…それでバレたからパシリにする、という、かなり一発アイデア型の展開の面白さ。
そして鬼畜なところと、すぐバケツプリンで仕事に真摯に打ちこんでいるところを続ける、実にわかりやすくしみこみやすい。味をしっかりしみこませるための下ごしらえがとても丁寧。
愛の言葉、料理も食べてくれる、「知らないやつ」じゃない…実に積み重ねがうまい。
そして、事件で一人の人間なんですと擁護する…ヘアメイク、というごまかしはお見事。
積み重ねと組み立てが、いい建築のように見事。
純情チャラ男と不純委員長
ウソ告白…残酷なゲームもあるものです。
いやまあ、こういうわけで話し合わせて、で…それができないぐらい女慣れしてないと。中学生の時の僕にも無理。
で、大声で屋上呼び出し、完全にバレていた、さらに練習の申し出…実に面白い。
これって結構モテない男子の夢なのでは…
で、強気で言って土下座…慣れてないにもほどがあります。
と思ったらハグとか下着つけてないとか、うわあああと叫びそうに。
そしてもう一度付き合って、そうきましたか…
本当にどのページもめくるたびに想像を絶するのが飛んできました。すげえとしか言いようがない。
逆にこれの女の子サイド作品も読んでみたいです。「わたしなにやってるんだろ」と悶えたりとか。
絵柄もすごくいいです。
ハツコイと太陽
運動会、楽しそうです。
頭をぶつけて活躍予告、ここは転げまわりそうな甘い空気。…フラグでは…
「気をつけてね」フラグその2…
冗談の告白、ここで学ランで守る…うわお。
…フラグ通りの痛み…
ここで止めるのではなく励ますとは…
渡してから転ぶ、しっかりやってくれました。そしてお姫様抱っこがあるかと期待させてくれます。
と思ったら告白…うわ。そして手をつないで走ってる、おおっぴらな…
古屋先生は杏ちゃんのモノ
なんだこのハチミツで作ったお花畑。
いい義姉ですねえ…
で、やらかすんでしょうか…何をどうするんでしょう。と思ったら清掃というボケ…
そりゃゼロも多いでしょうよ。本当にいい義姉…で、悪いから金を出したには爆笑。
見合い相手の美しさは衝撃的なほど。
ここで出くわしたらそりゃ言葉になりませんよねえ。
一緒に行こう、はカッコいいですねえ…
茶番にお付き合い、はほっとしましたが…ええと、その…
すごく得しましたねえ。
義姉さんの過去が爆笑。本当にどれだけ斜め上にぶっ飛ぶのか…楽しすぎます。
そしてこのドレス、親にどう言い訳するんでしょう。ちゃんと保管…まあ義姉さんに預かってもらえばいいか…
初婚
相手にさせない、怖い結婚相手ですねえ。
争いながら障害物競走、そこはとても楽しい。
指輪があるところでパートナートレード申請、さあ盛り上がってきました。
片方の申請で有効、条件を満たさなければ、というのもえぐいルールですね。
宇貝くんがとにかく話そうとする、まあ自分を押しつけていると言えば、でも未熟なのは仕方ない…
守るよ、と言っておいて忘れられるのは悲惨すぎますねえ…
宇貝くんの組が、できた当初からの会話もいろいろ想像できて楽しいです。損はさせない、協力するから利用させてもらう、とか?
キスが条件…これまた簡単なようできつい。ちゃんと自分の気持ちに向き合わなければならない、金目当てと言っている男と、まっすぐ愛情を向けてくる男…
女の子の残酷さをとことん描くことになりそうですね。自分を好きな男、というのは大抵は汚物で、そうでなくても多くは人間ではない、好みである場合だけ人間…
神様になれる日まで
見えすぎ、多すぎ…そしてすっかり利用する側に…でも過去を知ってる人がいたら厄介ですよね。と思ったらいたとは。
満足なはずなのに空っぽ、というのも悲惨な。ここでなにを選ぶか、あえて空っぽなままするべきことをするに徹する、というのも公式に推奨される生き方の一つですが…
そこで妙なのを見つけて…なにもわからないから利用できる、とは実に面白い。とっても民話でひどい目に遭う…
解答用紙を持っていても、ちゃんと解けるよう頑張ってるならそれなりに実力はついているのでは?
出来ない子を否定する世界…ただ、間違えているのが気の毒なところです。いじめに理由なんてない。たとえ天才でも、違うからという理由でいじめられる。いかなる非もなくても、どんな些細な理由でもいじめられる。
星だから空、とんでもない能力…
それで…うわ、見事な天罰もあったものです。
…いや、普通解答用紙を盗んだ人は、それを不用意に机の上に置いたりはしないと思いますよ?
それでも正直でいることを選ぶ…ひたすらまっすぐなメッセージばかりを山盛りに、というか机からこぼれ落ちそうな満漢全席。
正直おなかがはちきれそう、舌が麻痺しそうなほど、恐ろしいほどのごちそう責め。次以降どうなるか怖いぐらいです。
こういうのもあるのは雑誌の幅を広げますね。
アニマル横町
耳の中の水、あれはやっかいですよね。
「Gかきたくなかった」は苦笑。
フェイスハガー…あみちゃん、知っているでしょうか?レーティングはあったはず…
耳が外れたのを見た時のすごい顔は爆笑。
詳しい説明も笑えます。
ハニーレモンソーダ
よそのサッカー部、どんなトラブルがあるのやら。
で、いきなり男の子の手を取る…うん、とっても一部の女子が喜びそうです。
さらにいきなり勝負…強引な展開ですがそれだけに強い加速感があっていいです。
そして閉じ込められて、どんな誤解が動き出すか…
で、くも。…すみません僕は結構クモ恐怖症です。モザイクありがとうございます。
さらに、いきなり「羽花のことが好きだ
好きになった」と…そして勝負、まさに旋風。
HIGH SCORE
もんのすごい絵面ですね。
…生きてる?というよりいくら分の被害?
座ったままエネルギーで、次の瞬間消しゴム…ああ地獄絵図。
アシランキング、厳しい。
「代わりにはならない」ときっぱり、仕事ですから厳しい。
吸血鬼と薔薇少女
なんというか見せたいシーンをこれだけすぐ出せるのってすごい。
迷ってる…正直に言えるぐらい心は開いてるんですね…
薔薇を返してくれた、でもホワイトデーは別では?
食べさせる、でこっちですか…
きみとゆめみる羊
本当にそれぞれの個性が強い。書きわけの実力が高い。
すごくみんなリスクを背負って動いていますね。家族の支えも、事務所と家族のコミュニケーションも大変でしょう。
全員でのデビューが厳しい…
そしてチーム対抗になるライブパフォーマンス、本当にものすごいプロジェクトですね。
どんどん厳しくなっていくのもよく伝わります。
怖い…一人一人が恐怖と戦う、ここがものすごく丁寧に作られています。
支える側の、苦労というには重すぎる…
ぼくらはみんな
なんでペット鳥類ってあんなめちゃくちゃな長生きなのやら…
言語能力がある、野生状態ではどの程度それを使っているのか。
いきなりの告白はびっくり。人間語か、それとも動物語か…
この世は弱肉強食…ということですよね。動物園というのがどれほどとんでもない世界か、残酷でもありますが。
とにかく楽しい話でした。
いちばん近いひと
とことんスタンダード…「実の娘か」は大爆笑。
約束…うわあ。彼女を連れてきてこれは…また大笑い。
父の日…完全に餌付けされているのも笑ってしまいます。
バージンロードを歩くつもりなんですか…
髪を編まれてとうとう怒ってしまう、さてどこに着地するか。
守る、という男の姿のカッコよさ。
大人になったら結婚するつもりだった…そして仏壇に報告とは、とんでもない…というか母親は?
なんというかすごすぎる話でした。こんなのもありだったのかと。
旅立ちのエノ
裏切り…そして文字を見てしまった…
自分が商品でしかないと確認してしまい、さてそれでどうするか。
全部嘘ではない、というのが本当の恐ろしさなんですよね。奴隷主の奴隷に対する優しさも、現代で虐待する男の女に対する時々の優しさも、本物でもあります。
人間は完全に計算だけでできているわけじゃない…ただ欲求のために、先輩に習った通りに、感情のままにふるまえばいいだけ、それだけで奴隷を、女を、生命の最後の一滴まで絞りつくすことができる…
誰が人間をこう設計したんだと、神がいたら本気で殴りたいほど。
治癒の羽根…羽根があればできることはある…
優しい言葉と、厳しい真実。わかりやすい対照です。
撃てなかったオーナー…きれいな甘みです。といっても拳銃であの距離で命中できる可能性は低いですがね。
ただ、自由は悲惨ですよ…生きられる可能性は決して高くない…
とても分かりやすく丁寧な作品。
来月号はまた豪華。柚原先生の作品は、前回のはよかったので…どうなんでしょうか、まあ嫌だったら切るだけ。
ショートが増えるのも豪華です。