咲良香那 (さくらかな)

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作風概説

無駄な力をとことん使っていない感じ。柔らかいのだが、どこかくっきりとして軽い印象も与える。衣服も輪郭がくっきりしている。
男女の顔の違いがかなり大きい。頬のチークをうまく使い、柔らかい印象も与えている。
とてもしなやかな印象を与える絵の強さもあり。

モブも含めて非常に表情豊か。制服であっても、上着の有無・上にフード上着など多様にする。大きいマフラーなどワンポイントの工夫がうまい。
小物の描写が丁寧。反面背景に無駄がない、必要なところは描きこむが必要ないところは大胆に略す。

横顔に奇妙な印象がある。様々な笑顔を使い分ける。崩した表情も絶妙にいい。
印象のつけ方、画面構成も高水準。

男女問わず全身を描くことが多く、印象をとても強める。
いいシーンを作品に入れるのがとてもうまい。
仕事としてなど、さまざまな人の在り方を丁寧に描いている。

「拷問を具体的に描かないことで想像させる」うまさもある。

話の流れ、組み立てがものすごくうまい。気持ちの変化が実に丁寧。
テーマが大胆で迫力がある。


代表作

2021「シュガーDays」
 文化祭委員に立候補した塩見ちゃん。パートナーの男子は委員も部活もやっていない佐藤くん。彼はさとうなのに塩対応…
 サボろうとする彼を、強引に参加するように説得して…手軽で見事なアイデアを出してくれるし、役割も振ってくれた彼の有能さで準備は進む。

2021「わたしだけの青木くん」
 SNS総フォロワー数30万、いわゆるインフルエンサーの甘雫みつきちゃん。
 「アホくさ」と優等生で地味メガネの青木くんに馬鹿にされてむかついている、そんな彼が新しいカフェに入るところを見て絡んだ、そこで二名様と案内されて…
 彼の菓子を食べている良い表情をふと撮ってしまう。そしていろいろ語り合って、かなりお互い理解したけど…
 流れが素晴らしい最高傑作。

2022「雪の日はセンパイ日和」
「水瀬がさ はるのことかわいいっていってたよ」それもバスケ部のエース、学校一のイケメンの水瀬先輩。
 接点は少ししかなかったが…
 運んでいた重いものを軽くだがその水瀬先輩にぶつけてしまい、それで保健室に送って一緒に帰ることに。
 そして先輩のほうから「さっきのおわびに雪で自転車使えない日は一緒に帰ってよ」と踏み込んできた。

2022「キミしか推せない」単行本は電子。
 アイドルファンの藤原あかりちゃんがある日、学校で有名な美形優等生の志月星波くんにぶつかった。
 と思ったらその美形が自分のバイト先の新入りに。感じは悪いけど覚えはいい。
 関係は悪いけど、助けてもらったり出待ちされているのを助けたりと、仕事上の関係は悪くない…
 少し気になる程度だったのがあるコンサートで、なぜか隣に志月くんが…

2023「桜が咲くころ、僕たちは」
 彼氏との新学期に全体にピンクになっている楓華ちゃん。でもクラスは違うどころか一番遠く。不安なのは付き合って半年なのにキスもまだだから。
 両親が留守の時週末、勉強教えてほしいと引っ張りこんだが、大切にしたいと…
 でもクラスメートの女の子と仲良くしてる彼に不安が募る。

2023〜「おとなりさんはキスより甘い」
 かわいいものが好き、でもかっこいいのも好き。それってダメ?
 女子から見ると「男好き」上に「あざとい」ので許せない。
 助けてくれた男子がピアスをプレゼントしてくれて、「好きだから以外理由ないだろ」と言ってくれた…
 返事をする前に彼が転校してしまった。
 それ以来、「好き」は封印して、徹底的に自分を偽って過ごしている。
 そんな高校生活の中、マンションに引っ越してきたのは彼?でも苗字も違うというが下の名は同じ。
 他人のふりをした理由は、自分を殺しているのは別人だから、と。


今までの実績、現在の地位

 今の厳しい状況で登場頻度が高く、2022年待望の連載、それは電子に回ったが2023年にまた本格本誌連載。


個人的な感じ、思い出

 二作目の実力の高さは驚嘆した。

 「おとなりさんは」も厳しい現実を鋭く描く非常に大胆な作品。雑誌にとって必要な作品だったとすらいえる。ぜひとも成功してほしい。