木ノ下奈央 (きのした なお)
作風概説
強い赤みと甘味、アルコール分も多めのポートワインの感じ。体の線がとてもきれいで目の色気が非常に強い。
巨乳などの色気も、服の布地の感触ぐるみしっかり出せる。鋭いスポーツ描写も魅力。
過激な題材が目につくが、その中で思いの変化を描くのが素晴らしくうまい。
背景描写も立体感があり丁寧。白背景によるギャグもメリハリが利いているし、単純なギャグ絵も楽しい。決める表情と目の強さは圧倒的。
強めのお色気と大胆な幕切れはかなり強い印象を残す。
テーマがはっきりしていてわかりやすい。魅力的な大人も描き、メッセージがとても真っすぐ。
代表作
2010「その先、ヒミツの保健室」
成績トップの優等生、北条妃菜ちゃんはちょっと不調気味。テストが満点じゃないし、階段で滑って怪我もした。
保健室の医師は…やたらと軽そうな若い美男子、今も女生徒の上半身服をまくりあげ、胸に手を突っこんでいた…
気絶した妃菜ちゃんはうっかりしてパンツを見られたりばたばたするが、彼がちゃんとした医者だとしだいに分かってきてつい通ってしまう。
そしてついキスしようとしてしまい、それからも通おうとするけど全快した自分は相手にされていないように感じて…
2010「コンプレックス!!」
巨乳で男子にからかわれるのが悩みの豊橋桃ちゃん、男子も自分の体も嫌い。
その彼女が角を回ったとき、いきなり男の子が胸に顔をうずめてきて…さすがに切れたら事故とのこと、さらに相手の男子の「キミの頭がそんな高さに」と、彼が145cmと小さいことを言ってしまう。彼は「それ気にしてるから禁句」と軽く流してくれ、その痛みをよく知っているからこそ誤ろうとしたが、彼は笑っていた。
その綿貫真白くんはその後も助けてくれ、また低身長を気にもせずに活躍する姿を見て、桃ちゃんも「気にしてるから禁句」といえる強さをつけていく。
そして恋になるかならないかのところで、真白くんも「あーゆー体キライな男いるわけねーじゃん」というのを聞いてしまって…
2013「あみなの恋ネーム」
西尾亜美菜ちゃんは漫画大好きな小六。リレーで続きを漫画で描いていく交換ノートをやっている。
励ますのかからかうのかしてくるのは、近くに住んでいるお母さんの弟で、オネエな鞠緒ちゃん…プロ漫画家の雨宮マリー。
交換ノートをみんながやめると言い出して、落ち込んでいるのをマリーの仕事場に押しかけて漫画を描いて復活し、プロになると決意。
そして、クラスメートの詠太くんを妄想のネタに、ひたすら漫画を書き続けている…ところでからかわれて、つい暴言を叫んでしまった。
それさえ全部漫画にし、詠太くんとも仲良く登校していく亜美菜ちゃんを、鞠緒さんは温かく見守っていた…
2015「ナイトと王子とヒミツのジョーカー」
通称ナイト、内藤凛と、通称王子、白雪杏樹…学園で有名なイケメン三年生コンビ。…凛は女子ですけど。
いつも通りにある日助けたのは、霞なずな子ちゃんというすごくかわいい女の子。
そして凛ちゃんはなずな子ちゃんに、恋を手助けしてほしい、とも頼まれた。でもその相手、白雪くんを、凛ちゃんも好きなんですが…
今までの実績、現在の地位
「りぼん」から「なかよし」増刊で出直し。本誌にも登場。
個人的な感じ、思い出
恐ろしく大胆な作品にドギマギした。特に幕切れが極上!
「あみなの恋ネーム」の安定した心描写、大人の支える心にすごく胸を打たれた。