紺のんこ (こん のんこ)
作風概説
とことんくっきりした強い線と気の強い表情。整った美しさと甘味もある。
全体に整っていてパワーがガンガン伝わってくる。
かなりえげつないことをリアルに言ったりしたりすることもある。
めちゃくちゃかわいいのに妙に下品なところもある。
話の組み立てがうまく、的確。読み終わってからすべてが納得できる、隙がない構成。
代表作
2009「マグネティックvラブ」
佐藤桜空(さとうさら)ちゃんは家族もみんなイニシャルS.S.でもそれがダブルS、ショートショートとなるのは、身長135cmのミニはじゃない身には辛い。
身長といえばクールノッポと名高い、中一にして170cmもある野方紀績(のかたのりつみ)くんのN.N.と、磁石のN極とS極みたいに引き合うんじゃないかという話になって、前に「あんな身長ほしー」「ちっちゃい」とぼそっと互いの言葉を聞いたことを思い出して今でも腹を立てている。
そんな時、いきなり野方くんとぶつかって、直後彼にがっちりくっついて離れなくなってしまった…本当に磁石?というか科学者である彼の姉の実験が理由らしい。
色々苦労して彼が彼女を家に送ってくれ、その間色々彼のやさしさを知って…
2009「偶像少年!」
美少女戦士アイドル、姫島ひなこちゃんは今日も大活躍。でもその「正体」はなんと男の子、霧島ひなた…事務所社長である兄がサギられて借金を背負ってしまったためである。
ある日公園のトイレに急いだら、カツラが落ちているところを同じ学校の牧野さんに見られた。彼女はどうしようもない美少女好きの変態で…その大胆さときたら、口紅つけっぱなしなのを男子に見られたとき「さっきキスしたときについたのね」と言ってくれるほど。
で、恐ろしいことに自分の学校の文化祭でライブをやるはめに…
2010「アニ×カレ」
むかしから人を見かけで判断するなと言われていたかおりちゃんは、容姿端麗スポーツ万能なだけじゃなくとても優しい白石くんが大好き。ついでになんか濃いシスコン兄の翔太がいる。
白石くんと翔太が頭をぶつけて、二人の人格が入れ替わってしまった。
テーマがハッキリしていてめちゃくちゃ面白い人格交換もの。
2012「風紀の鬼!」
私立北東高校。小鬼ヶ島に立つ、全校生徒五十人ほどの学校に転校した葛葉つづらちゃん。
それも、霊にとりつかれる体質に苦しんでいて、占い師に「北東」「学校」がキーワードだといわれたから。
そこで見たのは、遅刻というだけで人間をバットで文字通り空高くぶっとばす男子と、その隣のスマホ一つで小さい頃のおもらし画像まで調べだすメガネ男子。
恐怖の風紀委員コンビに見つかり、まあそいつらにかかわらなければ、と思っていたら自己紹介で霊にとりつかれて…
その二人にいろいろ言われて落ち込んでいるとき、妙な霊につかれたつづらちゃんは翌日、メイド服で学校に行って痛いことを始めた。そこに魔法のバットがぶちこまれ、悪霊だけが出てきて…封鬼委員!?
2013「正義感の強い家族」
椿ちゃんの、75点でも叱る両親。学校でもいじめられ始めた。
そこにすごい美少女転校生、芹沢杏樹ちゃんが来た。だがその首に、「5」というアラビア数字の傷か何かがある。
その杏樹ちゃんは、泣いている椿ちゃんに何があったのか聞いて、「お父さんに相談してみようか?」と一言。
本当に翌朝、何事もなかったようにイジメは消えていた。
そして杏樹ちゃんの家に行き、「芹沢さんちみたいな親だったらよかったのに」と言ったら、杏樹ちゃんは「お父さんとお母さんに相談してみようか?」
きわめて完成度が高い、よく組み立てられたホラー。
今までの実績、現在の地位
暴走気味。2011年春から13年まで読者ページ担当。普通作品の機会は少なかったが、2012年本誌登場。ホラーでも活躍と幅が広い。
個人的な感じ、思い出
とにかくえげつないまでのパワーは読んでいて楽しい。ガンガンぶっ飛ばして欲しいし、逆にホラーとかなんでも、まさかと思うようなことに挑戦してみて欲しい。
止めない。なんでもやってくれ、全部許す!とにかく予想からとことんぶっ飛んで!
最近は幅広く本誌に登場するが、完成度の高い実力は連載でもいけると思う。