かなしろにゃんこ

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作風概説

 独特のえぐみのきいたギャグがいい。表現力は高いし、マスコットキャラクター作りも上手い。小さく丸っこいキャラクターを動かすのが得意。
 40ページ級読み切り、四コマ、数ページショートのどれでも高い力を持つ希有な存在。ギャグが混じるが正統派ラブコメ、ホラー系サイキックなど守備範囲が広い。表情などにどうしても毒(特に逆三日月の目)が出る。
 実はきちんと描いた絵はとてもきれいだし、感情表現などもいいが特に最近はめったにそれが出ない。かなりスケールの大きなアクションシーンもできるし、繊細な恋愛感情も表現できるストーリー、絵両面の万能性がある。


代表作

1997「嵐の素顔」
 お笑い大好きの笑顔ちゃんは名門平成ヶ丘学園に入学、大財閥の御曹司桜田くんに一目ぼれ。彼にふさわしい淑女たるべく、お笑いの過去を封印し、パーフェクトな副会長として彼の隣に。でも彼女の過去を調べたライバル女が罠をしかけ、桜田くんとコンビでコントをやる事に。
 夫婦漫才?でも過去を知られては!でも、桜田くん、お笑いも天才なの!?!

1997〜98「てんしっちのたまごっち」ショート及び四コマ。単行本はない。
 御存知たまごっちの楽しい生態。

1998〜2001「ムーぽん」ショート、単行本なし。アニメで大人気。
 ネコのムーぽんを中心に、可愛い小悪魔のミーにゃん、貧乏だけど強いゴローくん、実は捨てライオンのライ蔵、のんびり遅いかめちー、担任教師でムーぽんの父親のおとーぽんなど擬人化動物たちが織り成す、かわいいけど毒のあるギャグ。

2000「きららSOS!!」
 201X年東京…ネオ・ウオーターフロント地区の膨張と、多発する災害は公共機関の限界を超えた。そこで民間レスキュー隊、TRS(ツバサレスキューサービス)が立ち上がる!
 その中に救助成功率100%の、少女だけの伝説のチーム、チーム・アルバトロス!と言っても実は…ドタバタレスキューアクションコメディ。
 スケールも大きく、設定などもよく考えられていて、連載としては面白いだろうと思わせた。

2004「迷子のBambi」
 最悪の中間テスト。門限が六時と非常に厳しい母親は、海外旅行さえ置いていくと言った。
 不満な彼女がふと見つけた戸籍簿に、養子の二文字が…隣のぼけかけたおじいちゃんに確かめ、ショックのあまり家出する彼女。
 思い出の遊園地に向かった彼女を、最近いい雰囲気の尋希くんが暖かく包んでくれたけど、やはり彼も「あたしの気持ちなんてわかんないんだからほっといてよ!」「ああ…わかんねーよ オレにはつくしんちみたく怒ってくれる親なんていねーから」
 胸が痛くなるような切なさで家族の絆を謳いあげた傑作。


今までの実績、現在の地位

 初期では強烈な学園ギャグ恋愛で活躍すると思われたが、4コマ中心に転向して本誌連載の常連になった。但し残念ながら単行本はない。4コマでは本来の力を出しきれていない印象もある。

 かなり長いこと登場機会がなかったが、カラーで一種の広告だった「どうぶつ島のチョビぐるみ」が突然ショートコミック化されて再登場。その後もさまざまな企画系ショートで常に登場している。
 最近の増刊で、待望の本格読みきりで登場。

 講談社こころライブラリージュニア「プチうつ気分とのつきあい方」(傳田健三)の漫画部分も担当。


個人的な感じ、思い出

 極端なギャグにびっくりしていた。が、最近毒を押さえた、シンプルな絵によるアニメなどの四コマになり、折角の持ち味が活かされていないのではないかと心配だった。

 久しぶりの登場は嬉しいが、また「ムーぽん」と同様万能の実力を使いこなせないのが残念。

 増刊での登場はとても嬉しかったし、作品も予想以上に面白かった。やはりタイアップショートではもったいない力があると思う。ちゃんとした作品ももっと出して欲しい。