パターン分類7-6

んちゃ、講義を始めます。出席カードを回してください。今回は状況の変化によるトラブルについてまとめます。ここで取り扱うべき状況には距離、家族、能力とその評価、体調、心理、人格的成長(性を含む肉体及び精神)等が考えられます。今回はかなり下品な内容も混じりますが、やむをえぬことと御理解頂ければ幸いです。

距離の変化については近くなるのと遠くなるのの両方があります。近くなるのの代表が同居もので、遠くなるのには極端なのでは死から転校、卒業、組替え、席替えがあります。

家族の変化は財産及び社会的地位に関わるものと離婚及び家族構成の判明が大半です。昔は定番のパターンでした。

能力及びその評価としては成績と運動能力、生活態度、特技などです。

体調については前述の体育、芸術等部活に関するものとそうでないただの傷病があります。

心理に関してですが、既述のもの以外には心変わりがやはり大きいでしょう。また細かいことですが素直な態度をとったとかもありますし、関連しておしゃれや可愛い格好などもあります。又不安定な心理によるわがままもあります。心変わりについてはそのことを伝えるのは難しく、またされたほうとしても受け入れるのはきついです。その点についてはやはり人格的な成長さえ必要とされますね。素直な態度をとったときには引っ張る場合には面食らった相手がらしくないなどとけなし、傷つけることになります。又おしゃれや可愛い格好についても男子は必ず似合わないといい(本当に似合っていない化粧や大人の服などでも同じ)、傷つけます。埋め合わせが大変です。思春期には精神的に不安定で客観的には何でもないことに強い反応をすることがあります。周囲にとっては扱いにくく、さらに連鎖反応によってとんでもないことになりかねません。わがままには駆け引きとしてのものも混じり、事を複雑にすることに注意してください。何処までが駆け引きでどこからが本気かは本人にも分かりません。

人格的成長及び性が結局一番大きいです。このことについては繰り返し論じていますが、少女マンガにとって本質的なことですし重複承知でもう一度。これはトラブルの一般原理にもなっていきますが。

  1. 第二次性徴の始まりは大体小学校3年頃から5年ぐらいでしょう。その始めにはしばらくエネルギーだけが強まり、混乱する事があります。その時にはその無意味なエネルギーと微かに芽生えている異性への不思議な感情をトラブルの形でぶつけ合うことがよくあります。また思春期以前からのこともありますが疑似的な、観念的な理解での恋愛が発生することもあるでしょう。その時のトラブルが後をひいて相手に対する先入観を形作る事があり、それは後に恋愛が始まってから大きな障害となります。
  2. その後小5から中1位で(個人差が強いのですが)自分とその幻想の中の相手役に対する憧れである恋愛が始まり、本格的に異性に対する関心が強まってきます。また肉体的にも変化が始まる頃で、女子の場合には早い者は初潮とそれにまつわるコンプレックス(なかよしではまだ解禁になっていないようですが)があります。精神的な変化も著しく、着替えの共有ができなくなったりよくあることでスカートめくりや水をかけるなどしたとき殴りかかる代わりに泣き伏す等が見られます。男子は少し遅れるのですがまず即物的な獣になっていくことが多いため(そうでないのはただのむっつりスケベ)女子にとっては受け入れ難い存在です。
  3. その時期が過ぎていくと現実と理想のギャップに幻滅し、現実の異性を理解して受け入れる努力を始め徐々に成熟に・・行ければ良いのですが中には別の方向に行ってしまうのも・・ま、そうゆーのは置いといて双方の成長もあり、カップルもできてきます。その後もやはり性に対する男女の差がでてつきあい始めた後の定番が始まるのですが、ここからさきは少なくともなかよしではだめということで。

具体的なトラブルの例及び形式としては前思春期から思春期に入る頃には情緒不安定それ自体が巻き起こすトラブルが多く見られます。そこのところを判断するのは難しいですし、この時期は余り扱われませんから。考えてみると小学校低学年の頃、皆さん思い出せます?僕は何も覚えていません。残念ながらこの時期については専門外で、参考文献についてもきちんとしたことは言えません。

思春期に入る頃、女子の場合には通例(ええい、ここでやっちゃいます!)主人公の初潮は周りと少し遅れて中1が普通です。それゆえに自分だけ取り残されている、との自己卑下が起こりがちです。他にも下着の種類などでどうしても自分だけ遅れている、とだれもがなにかしら思うものです。また男子は普通この段階では女子の生理に関して興味こそあれ実態は無知ですから、女の子の恐怖や羞恥を分かってやれずにからかったりする可能性もあります。これは非常に大きいです。僕自身今から思い返してみると少なくとも殴り倒したいようなことをしていますし。又一般にクラスの男子がおかしく見えてきます。恋愛感情を覚えること自体が遅れがちの娘もおり、それもまた周囲とのずれや告白されたときの反応などで困ったことになります。逆に現実を考えますと早熟な女子はそのことに強い優越感をもち、かと言って危険を察知できるほどの経験も積んでおらず、助言者にも乏しい点から性的な危険はかなり大きいはずです。幼年少女誌ではそれは描かれませんが噂の形で覗かせる技法もありますね。そのことからまとめて後述しますが性にまつわるトラブルが発生する危険性もあります。全体に強い男女間の対立が見られ、それが多くのトラブルの元になります。制御できない憧れと恐怖ですね。この不安定な時期に入ってくると男子から見るとやっていいことと悪いことがころころ変わってついていけないぐらいに成長にしたがっての新しい禁止事項が生まれ、それについてのトラブルも多発します。又この時期は特に自己評価が不安定ですから些細なことが大きな影響になったりもします。

男子のほうは肉体的には微妙ですし、どの道男子の肉体変化を少女マンガでやることはありえません。精神的にはかなり男子同士の会話には剥きだしの欲望が沸き上がり始めています。それを女子に聞かれると男子としても恥ずかしいですし、女子としては強い憤りを起こします。また男女を問わずですが子供扱いを嫌うプライド(これはもっと前からありますがこの時期特に強まります)が反発になることもよくありますね。壁に押しつけて迫るシーンはよく見ます。

その後については成長がむしろ緊張を緩和し、トラブルを解決していくほうに向かっていきます。現実は本来ならここから性にまつわるトラブルが本格的に起きてくるのですが、そこからさきは幼年少女誌の範囲外となります。この時期においては男女の相互理解が進むにつれ互いに対して幻滅を起こします。今まで相手をとことん神聖視してきていますからね。その現実に向き合い、受け入れることが少女マンガのゴールになるのでしょう。

性に関するトラブルについて軽く整理を。かなり物理的接触のところでやりましたし、スキンシップについては後述する予定ですので簡単にですが。前述のように女子の性理に関する男子のからかいは極めて深刻なことになりかねません。ですがきちんと理解するのは無理がありますから。個人差もかなり大きいですし。知らないのは本当に何も知りません。僕の例ですが、そのほかについては歩く百科事典だったにもかかわらず、性に関する情報だけは意識の上では無知なまま無意識のうちに完全に避けるなどという器用なこともできますから。その無知から悪質なからかいに妊娠の噂が加わって問題が大きくなったりすることも。男子にとってはビジュアルな物が宝物になりますが、女子にそれを見つけられたときには(ビデオを間違えて貸してしまうということも・・少女マンガではありませんが)特に幼なじみで女子が激しく軽蔑し、男子のほうも宝物を破壊された恨みを持つことに。そのことが幼なじみ関係が壊れるいいきっかけになりますが。思春期までは(それ以後もですが)異性には清純でいて欲しいもので(付け加えることは多くありますが講義の範囲外になりますので)、そうでない現実はやはり中々受け入れられないですね。付き合い初めて後に起きる問題については別章、唯それ自体が幼年少女誌の範囲外になってきますが、それは原理から理解するためのやむをえぬこととお察しください。

それでは今回はこの辺で。下品になってしまってすみません。何か質問は?御静聴感謝。

目次へ

もえるごみへ

ホームへ