牧村久実 (まきむら くみ)
作風概説
綿菓子やふわふわのデコレーションケーキのように甘く、ウェディングドレスのような華やかさと整った印象のある美しさ。
表情、感情表現、構成など全てに優れる実力派のベテラン。
ストーリーはひたすらラブラブ…だが…
代表作
1996「片思いからもう一度」
待望のファーストデート。でも、やっと来てくれた基紀はなぜか自分のことを覚えていない…車にはねられ、無事に見えたけど真帆ちゃんのことだけ忘れていたのである。
長い片思いの歳月、必死の勇気…そしてOKの、夢のような…全部夢だったの?また振り出しに逆戻り?
そして、共通の思い出を語って思い出させようとすると彼は頭痛を訴え、真帆ちゃんを拒絶した…冷たい目にショックを受け、そして女の子に囲まれる彼に嫉妬し…自信と、信頼を失って崩れていく…
でも、彼のネガを現像してみると、そこには自分が写っていた。そして…
いらいらする心理、友達との会話、そして両方の心理が実に見事に浮き彫りにされ、さすがの実力を見せつけた。
2004「秘密のKiss」
部活ばかりでちっとも会ってくれない篤にいらいらしている未央ちゃん。なにより三ヶ月もつきあっているのにキス一つしてくれないし…
なんでわたし女友達と遊んでるんだろう、と思っていたら、その奈々子ちゃんが好きな拓哉くんとたまたま会って、その友達の慎吾くんと成り行きでダブルデートすることに。
こんなこと篤には絶対いえない!
しかも慎吾くんはいきなり初対面で肩を抱いてきたり、髪に触れたり浴衣見たいとリクエストしたりガンガン積極的で、なぜか断れない…さらに四人でいく羽目になった花火大会に、部活の都合が変わって篤くんがいけることになってしまった!結局嘘をついて、篤くんに断って…せっかくだから楽しまなくちゃ損、とやっていたらいきなり慎吾くんにキスされてしまった!こんなこと篤くんに知られたら…
どうしようもない状況と心の痛みを丁寧に描いており、妙にリアリティがある。
今までの実績、現在の地位
各誌で活躍、小林美雪のパートナーであり、単独でも非常に有名な作家。
前に一度ぶらりと「なかよし」に登場し、それっきりだったがまたなぜか突然登場した。
個人的な感じ、思い出
確かにこのラブラブ正統派ムードは「なかよし」に合っているけれど、むしろ出てくる事情を考えてしまう…
まあ素直に楽しみたい。