丸田菜摘 (まるた なつみ)
作風概説
シャープで細めのタッチ。
表情豊かでファッションセンスが高い。
服の質感や景色などの水準もコンスタントに高い。
最初のページがほぼ靴と足首+言葉だけ、という大胆さ。
カラーは色遣いが独特。ものすごい多色で柔らかめにやる。
男女の書き分けがかなりしっかりしており、男子にはかなりシャープな印象がある。むしろ美形男子のアップが多いほど。
ものすごく水準が高い技量の持ち主。剣道で瞬間的な小手すりあげ小手、ほとんど動いていない相手に一瞬で一本取られて、あまりの上手さに呆然としているように。
アイデアがとんでもなく、雰囲気を保って流しきることもする。
話の組み立て、伏線、繰り返し、気持ちの組み立てなどすべてがすごい。
日常的ではあるけれどとてつもない、そういうことを見つける力がある。
代表作
2016「乙女チックシンドローム」
恋とか興味ない、と言っている白羽みおちゃん。でも友達に合わせているだけで本当は甘い恋にあこがれており、されてみたいシチュを書いた乙女日記まで書いている。
そしてうっかりそのノートを、間違えて提出してクラスメートの高野くんに見られ…
絶望しての翌日、彼は黙ってくれていた。さらに雨の日など、書いていたことを実際してくれる…
2021「イジワル執事のなすがまま」
雰囲気が派手で、男とちょっと触れただけで激しい反応をするので少しイメージが悪い琴宮さん。
実際は恋愛経験ゼロでうぶすぎるだけ。
そんな彼女に友達が、レンタル執事をやってみたら、と。
2024「お嬢サマは初恋にご執心」
財閥令嬢の香月桃香さんは突然、幼馴染の千弦くんに、彼女ができたから距離を置きたいと言われる。
そしてあてつけのためにお見合いを受けるが…
今までの実績、現在の地位
デビューはかなり昔だが、突然新連載。
個人的な感じ、思い出
デビュー作では伏線のうまさ、超絶にうまい小技の積み上げには感動すらした。
見えにくいけれど実力はものすごく高いのがわかる。
それが読者に伝わってくれる作品に恵まれればいいが…どんな作品がいいかは正直分からない。でも何かしら見つけてくれると信じたい。
厳しい中の再登場、とてもスタンダードな実力、高い成長を見せつけた。これからもいいテーマを見つけて素晴らしい作品を描いてほしい。
新連載には心底驚いた。質が高いいい作品で、とても期待している。