本野ゆな (もとの ゆな)

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作風概説

 まず桑の実の甘酸っぱい味と触感、客観的にはやや髪が多めでとても柔らかい感じがする。
 あっさりした描線だが、体や服の質感がコンスタントに出て奇妙に色香と現実感がある。表情も豊かで、いろいろな向きでの目がとてもいろいろ伝えてくる。口の中にウェハースのさっくり感や炭酸の弾ける感じを残す。なんとなくぬいぐるみのような愛着も感じる。
 重みもあり、ライ麦パンのような深い満足感が不思議とある。全体にあっさりした絵だが、あちこちに恐ろしいほどきれいな感じも生気を通じて感じる。
 時にあっさり略され、時にかなり緻密な背景と大胆な画面構成もリアリティが高い。

 スタンダードで非常にリアリティの高いストーリー、男の感情描写も緻密。


代表作

2009「涙、少しだけ」
 川島優ちゃんと川島陽介くん、血縁ではなく同姓の他人、ついたあだなは川島夫婦で委員長も一緒にやらされる。
 二人で掃除のあと、陽介くんが何か食べたいと言い出したので、優ちゃんは干し梅を渡した。彼は笑うけど食べた。みんなにはからかわれるし、下の名前で呼び合おうとして固まるし…
 ある日陽介くんがかわいい子に告白されているよう、そして優ちゃんに「ごめんな」の一言…
 力強い作風を見せつけたデビュー作。

2010「恋の法則」
 保健室の常連、大貴先輩は今日も保険委員の石井ちゃんのところに怪我して来た。説教で事故についてのヒヤリハットの法則を教えたら、もじって恋の法則、300回相手を思い29回すてきだなって思ったら」…なんて言ってくる。
 そして試合の応援に行く約束をして、お守りを渡したのだが…大貴先輩が事故!
 とても暖かくまっすぐな恋物語。


今までの実績、現在の地位

 デビューしたばかり。


個人的な感じ、思い出

 あまりに好みの雰囲気の作風。だからこそしっかり伸びて欲しい。どんなに大きく育ってくれるのか…