大石あきら(おおいし あきら)
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作風概説
センスとストーリーの流れ、テンポがいい。軽く印象に残る会話と小道具の使い方が上手く、爽やかな読後感を残す。絵に無駄が無く、簡潔でとても自然。
恋愛ものにこだわることなく、広いジャンルの作品を創る。
派手なことはないしクールで軽く、読んでいるときには入りにくいが読み終わってみると暖かくいい気分になっている。服に不思議な、生気のような柔らかい感じが感じられる。
代表作
95「いじっぱりなマフラー」
昔、手編みのマフラーを渡し損ねて以来クリスマス嫌いなみゆきちゃん。好きな相模透は誰にでもやさしい男の子だからか、みゆきちゃんはどうしても素直になれず、親切にお礼を言ったり逆走を謝ったりできない。
ある日、雨の中傘を忘れた彼に傘を押し付け、同時に彼のマフラーを汚して更に風邪を引いてしまう。その翌日…どうやら彼女の編むマフラーは一度は自分で使う事になるらしい、というオチがとてもかわいい。
96「おまじないのススメ」
絶対彼氏ができる、と言うジンクスのある高校に入学し、うきうき気分のゆり。でもまた修平と同じクラス!
部活で素敵な先輩に恋し、早速生徒手帳に写真を入れるおまじないをしてみたけど、先輩の隠しどり写真に修平が混じってる!ボールをぶつけられたのがもとで先輩に誘われるけど、修平は先輩も別の女子にそのおまじないをしているのを知って。
かわいい感じで、さりげなく与える愛を実践する修平がかっこいい。
96「風の忘れもの」
夏休み、幽霊が出ると噂の旧校舎に美術部のネタ探しでやってきた澪が出会ったのは?幽霊、と思ったけどひとめぼれして、語り合ううちに想いは募る。
でも彼の名前は生徒名簿にない!?いっしょにいたい、と言っても表情が曇るし。不思議なクールさ、それでいて暖かい、とても心地いい風が心を吹きぬけるような傑作。
98「ナイショのくすり v」
卒業式の時先輩にふられたショックか、まみちゃんの新学期は不眠症で始まった。そうなると隣の席の居眠りヤロー、葉月大和がむかついてくる。
ある日、大和が眠れる薬と言って薬をくれた…ただのラムネなのに、それで熟睡してしまう。とても軽やかに心の変化を描いている。
98「恋するパワー」
多恵がフリーマーケットで見つけた、青い指輪から真っ青な服の小人が出てきた!そのメルと言う名の小人は三回願いをかなえると言い、強引に恋の橋渡しを買って出た。好きな人と会いたければはとバスに、と言われて乗ってみたら彼はいなくて、クラスメートの藤井が。
親戚の子供といっしょの彼と一日過ごし、失敗したメルはもう一度挑戦する。そして電話が!もうメルちゃんがめちゃくちゃかわいいしいい性格して、大好き!
2000「失恋天使の夏休み」
失恋を悟り、逃げて帰省したるりちゃんがある日、木の上から落ちてきたカメラを受け止めた。
その持ち主、由くんの強引な頼みで勉強を教えることになり、一緒に遊びに行ったりしてそれなりに楽しい。でもある日電話が…大人っぽい雰囲気だがとても切ない暖かさ。
2004「恋する実験室」
ふと訪れた実験準備室で、瞳子ちゃんが麻生先生に口にした一言…「これだけあれば作れるかなぁ ホレ薬」。彼女は中学時代からの彼氏、杉本翼がいるのに?
瞳子ちゃんが後悔しているのは、新学期に目が少し悪い安川さんと最前列で翼くんのとなりの席を替わってあげたこと。だが、その安川さんを見上げる翼くんの目は、まるで一目ボレのようだった。元々彼とつきあったのも、仲のいい友達でからかわれて、なんとなくだった…
またため息を麻生先生に指摘され、淹れてくれたハーブティーにほぐされるように気持ちがあふれる瞳子ちゃん。「瞳子サン もしかしてほんとうは…―」の続きを聞きたくなくて…
むしろとりとめがない感じだが、とても引き込まれる空気をもつ傑作。
2005「My Little Girl」
父娘家庭の悠希ちゃんは、ある日父の「会ってほしい人がいるんだ」にショック。しかも親友のけーたとナナカも、頼りになる味方だと思って頼ろうとしたら…キスしてるし…
みんなに見捨てられたように感じて家を飛び出した彼女に、やたら無口な小さい女の子がしがみついてきた。
しばらく一緒にいたけど、結局振り切って街をさまようが、危険も多いし孤独感が増すだけ…そんな時、補導員を連れてだけどあの女の子がまた頼ってきた。
思春期特有の孤独感の身勝手さと、純粋な愛情を巧みに描いた最高傑作。
今までの実績、現在の地位
元々それほど多作ではなく、増刊の減少で登場機会が少ない作家。
実力はあり、状況が厳しくなってからも時々登場する。
個人的な感じ、思い出
昔からその独特の空気や優しく心地いいセンスが好きだったし、メルちゃんに完全に惚れている。あの指輪を見かけたら迷わず買って「一生そばにいて」と願って…どちらかというと妹か?
できればメルちゃんに再登場して欲しい。また、音楽ものも見てみたい・・・コンクールに挑む天才も、普通の吹奏楽部の青春もどちらも面白いと思う。