岡崎みずき(おかざき みずき)
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作風概説
印象的な重みのあるタッチ。
ストーリーはしっとりとして、心理を丁寧に描く。友情などの人間関係を重視し、視野も広い。結構大胆な公開告白も多い。
代表作
94「ラジオデイズ」
おひとよしな佐藤さんは優しい高見くんにひかれている。でもきつい板橋さんも彼を狙っていて、何もできずそんな辛い気持ちをラジオに投稿しただけ。
でもそれが採用されてしまい、大騒ぎになって…意地悪役のはずの板橋さんも正論ではあり、佐藤さんもそれがわかっているとパターン通りのようで深い。ラジオの面白さも簡潔に凝縮されている。
96「きみだけに贈る言葉」
四月一日と二日、一日違うだけで学年も違う千鶴と尚人。病院から放送部までいつもいっしょだけど、この風景ももうすぐ終わりなのが寂しい。
告白したら関係が変わってしまうのも怖いし…心の変化と小さな成長を暖かく丁寧に描いている。
96「雨色の怪談」
雨の中、バンガローでの天体観測に集まる少女達。去年ここで同じように星を見に来た少女が崖から落ちて死んだ、という話から怪談になる。
実話を集めた小粋でどこか暖かみのある怪談。
「夢色天球儀」
「なかよし」系雑誌掲載作ではないが、特に紹介する。
病気のマリアンに父が買ったガラスの天球儀。彼女は星の世界に行く夢を天球儀に托す。そして時は流れ、何代もの夢…ホロコーストの犠牲になったユダヤ人少女や原爆症に倒れた少女の夢を引き継いでいく。
そして天球儀を見つけた少年の夢に、船に乗って星の世界に旅立つ少女達の姿があった。そして少年は自分には真っ白な可能性があることを知る。
今までの実績、現在の地位
「なかぞう」で良質な作品を発表していたが、「なかぞう」がなくなる頃から登場していない。最近「まんがくらぶオリジナル」で連載(四コマではない)した。
マンガだけでなく、ラジオなどでも活躍している。声優の結城比呂との「アニメストリート」は相当な長寿番組だったし、他の活動も相当多いようだ。
現在は岡崎瑞生の名で、結城比呂とアニメーターのそえたかずひろと「AKASHIC」を結成、アニメイトの店内ラジオなどで「ラビリンス」を創っている。月刊「ステンシル」2003年5月号から連載(ステンシルコミックあり)。同時に「なかよし」からは去ることとなった。
個人的な感じ、思い出
非常に印象的な作家で、筆者が「なかよし」の新人作家を追うようになったのもデビュー作に強くひかれるものがあったからだ。「なかよし」系に姿を見せなくなってからも忘れられなかった。
近年、たまたま読んだ「まんがくらぶオリジナル」で連載作品を見、それにあった URLでその後の活動を知った時には驚いたし、その声が乗った電波が流れているのを知らず何年も寝ていたことが悔しくてならなかった。
他誌に載った作品を同人誌に再録した「夢色天球儀」には本当に感動した。これを読んでしまったらもう自殺はできない…どんなに絶望的な状況でも命はまだあるのだから、と「夢幻伝説タカマガハラ」と並び、絶対的な自殺抑止をかけられてしまったし、読み返して涙ぐんでしまった(そのときのBGM「心の翼(正塚晴彦作詞、高橋城作曲」の相乗効果もあるが)。
「ラビリンス」の展開も楽しみ。