リオコ

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作風概説

 とてもくっきりとしたタッチ。輪郭がはっきりしているが、安定感と生気のある顔も描ける。
 コケシか何かのような感じもするが、体の線の生気は確か。
 無駄が一切ない、恐ろしいほどの正確さ。

 場面構成はうまく、あっさりと本質に切り込む。白と黒の使い方など、非常に単純だが強力な効果を用いる。
 雰囲気がとてもうまい。

 人間の心理分析が驚くほど深く、仕掛けがとても精密。
 思いがけないどんでん返しを思いつく創造性は驚嘆するほど。


代表作

2014「本音の友だち」
 本音を言ってしまったために疎外された経験がある叶ちゃんは本音を言えない。あずみ、ナギの二人の友だちにも。でもそれは寂しい。
 宿泊する自然教室で、近くにご利益のあるお地蔵さまがあると聞いて、三人で行こうと誘った。
 でも二人は一度断って、二人だけで地蔵を見つけ、願い事をした。
 それを見た叶ちゃんは…

2015「保健室の影」
 保健室登校気味の大野さん、でも保健室登校にすることはできない…
 ある日、同じ保健室登校?の女の子と話す。
 深刻ないじめじゃない、ふとネットを見たら自分のことはなにもない、ある日試しに誰にも話しかけなかったら、誰にも話しかけられなかった…だれにも関心を持たれていない、それだけのこと。
 会話の中から、「彼女となかよくなれたら、いままでぞんざいなあつかいしてきた子たちを見返せるかもね」といわれて、教室に入るが…

2017「夏をとむらい」
 祖母が死んだ…
 ダルい、という都会っ子に、「ダルにつかれたみたい」といった祖母が。
 それでイライラして、仏壇や盛り塩に当たってしまい…


今までの実績、現在の地位

 前歴調べつかず、ホラーオムニバスコミックスに登場。本誌にも登場した期待株。


個人的な感じ、思い出

 衝撃的な作品は高い実力をうかがわせる。
 この恐ろしいほどの簡潔さと切れ味を、これからどんな作品で生かしていくか注目している。

 簡潔で切れがいい、という特徴を活かして、漢詩や俳句などの世界を漫画で表現したりするのもよさそう。

 本誌作品の切れと深さには驚いた。これほどの実力の持ち主、オムニバスコミックだけで埋もれているにはもったいない。