咲良あさみ (さくら あさみ)
作風概説
やや丸っこい可愛らしさがある、整った正統派。元気があふれてくるシーンもロマンチックなラブシーンもとても丁寧。光の感じがとてもさわやかで、華やかな印象もある。
ストーリーもとてもスタンダードで、少し幼いムードをよく出している。
代表作
2004「ヒミツ彼氏」
中二女子はセックスの話題がやたらと多く、大人の世界を意識してしまう…
二年もつきあっている他校生の彼氏がいる沙矢ちゃんは、なぜかそういう話題に入れないし、友達に彼を紹介できない。
なぜって…彼は現役小学六年生!リコーダーで合奏したりばたばたばたばた、完全お子様おつきあい。まあときどきドキッとするようなことも言うけど…
結構大胆で面白いテーマだし、その処理も絶妙。子供同士の付き合の描写がとても楽しそうだった。
2004「最終兵器チョコ!」
いとこの昌兄が大好きな里花ちゃん。なんとか告白したいんだけど、ひとつ上なだけなのにかなり精神年齢違う昌兄にははぐらかされてばかり。
と思ったら、昌兄が彼氏がいるはずの金子先輩と怪しく…いきなり「金子がくるんだよ」と追い出され、引き返してみたら金子先輩と昌兄が抱き合っているのを見てしまった…
2005「モテ子にchange!」
大食いの小春ちゃん、でももてたい乙女心は同じ。
いろいろ努力して、もてるようになって、いきなり告白されてつきあうことになったけど、「モテ子はがっつかない」というルールが辛い…
でもドーナツを、加えたままはんぶんこしたりすごくドキドキして幸せでもある。でも、ゲームや大食いを楽しみたいのにそれができない、うその自分を見せているのは辛い…
オチにちょっと意外性があるがスタンダードで、ちょっと考えさせる作品。
2005「おまえは世界で一番イカしたスーパーヒーロー」(原案/カヨ)
「ChuVGirl」の、読者体験手記佳作受賞作のコミック化(掲載はなかよし増刊)。
いきなり子犬のココがやってきてパニック!正直犬が苦手で、いろいろ大変。
そんなとき、お隣同士の慎矢くんと仲がいいのがきっかけで、彼を狙っていた理乃を中心にしたいじめが始まる。
彼にいじめのことを知られたくなくて学校にも行かず、家に閉じこもって、自殺さえ考えたとき、今叩いた子犬に励まされて一歩一歩立ち直っていくが、突然ココが交通事故で死んだ…
深い痛みと愛情を丁寧に描いた感動作。
今までの実績、現在の地位
エニックス「ステンシル」出身?単行本も出ている。細かいことは不明。
個人的な感じ、思い出
唐突な新登場に戸惑ったが、とても「なかよし」に合う素敵な作風だと思う。
作品もとても面白い。これからどんな作品が来るか楽しみ。
個人的にだが、フクシマハルカは初期の子供同士のじゃれ合いが楽しかったのだが、後にセクシー路線に行ってしまったのを惜しい、そのままの方向で伸びて欲しかったと思っていたが、まさにその面影を感じる。
もちろん作家本人の個性ははっきりある!単に「子供同士の罪のないじゃれ合い」という、最近のなかよしにほとんど見られない世界があるのがうれしいというだけ。