茶匡 (さ きょう)
作風概説
主線が太く、陰影がくっきりしており、人物周辺の背景がないためとにかくくっきりした印象で、パステルカラーで描いているような感じがする。
デフォルメ絵の割合も非常に多く、表情も極端。
普通の話でもなんとなくとんでもない話だったような読後感がある。
ちょっとぼんやりした印象の、非情に気弱な女の子を描くのがうまい。感情表現もとてもわかりやすい。
代表作
2005「乙女乱々」
知夏ちゃんは今日大好きな及川くんに告白する、と宣言し続けてはや三カ月。特に占いが悪いので。
でも友達に励まされて告白しようとするけれど、やはり間が悪くて話すこともできない。
テスト結果(自分は26点、及川くんは95点)をネタに話しかけられるけど、プレッシャーが強すぎて気絶。
そして、突然友達が「わたしじつはネーひそかに及川っちのコトねらってたんだぁ…v」と!
友達との会話や微妙に変な及川くんのキャラ、いろいろな方向への暴走が楽しい異色デビュー作。
2006〜「小川とゆかいな斉藤たち」
パシリ体質の小川ちゃんがある日、いろいろな失敗の罰として、「恐怖の斉藤三人衆」…アンケートの「こわい人」同票一位、そろって苗字斉藤、三年の金髪ピアスで短気な大喜、二年の無口で怪力な仲良、一年で怪しげな薬を持ち歩き、敵を実験台にする保茂の三人にひざカックンをやれ、と。
逃げようとしたら、それどころかカンチョーやらズボンおろしやら…恐怖のあまり気絶して保健室にいた彼女を、当然斉藤三人衆が取り囲んでいた。殺される…と思ったら…実は小川さんも「パシられ」「ドジ」「ヘタレ」「逃げ足はやい」などで一位で、なぜかいつの間にか「友達がいなさそうな人」同票一位の、斉藤三人衆+小川の四人でなぜかおともだちになってしまった。
もちろん、掃除を押しつけられたら…斉藤三人衆が手伝うよと来てくれて、悪者に傍観者までまとめて掃除してくれた。数日後、小川さんまで恐れられるようになってしまって…斉藤三人衆ともどんどん仲良くなってきたけど、今度は悪い噂がしきり…
激烈なキャラが縦横に活躍する、かなりおもしろいシリーズ。
2006「シャイ・ソウル・ダイナマイト☆」
常葉多海は極度に無口。都会の私立中に入ったのはいいが、方言がひどいから…
しかもさらに隣は外国人のバジルくん。彼がテストの助けを求めてきて、それを助けたのが運の尽きというか…帰りに下駄箱で待ち伏せしていた彼がいきなり抱きついて、さらに翌日更に話しかけて日本語を教えてくれ、と。
強引に流されて、必死で教えていると彼のよさがわかってくるけど、日本語を覚えたバジルが多海と同じく方言で話し始める。
罪悪感に苦しんで日本語を教えるのもやめようとするが、彼はまた靴箱に待ち伏せして…
方言の悩みと、まっすぐな魂の通い合いを熱く描いた感動作。
2009〜10「メルヘンちゃん」
伊達さんは妖精が大好きだけど、ちょっと近寄りがたいとされている。
ある日、派手怖なクラスメートの梨花ちゃんに妖精図鑑を拾われ、投げつけられて大怪我して、目が覚めたらヘンな妖精が見えて目をもらうと襲ってきたけど可愛い。
それから梨花ちゃんが落とした光る何かを拾う。
直後部費が盗まれて大騒ぎになり、退屈になって寝てしまったところで妖精に襲われ、寝ぼけ半分で払いのけたらそれが手を挙げる動作と思われ、それで梨花ちゃんが拾ったと名乗り出てやはり疑われ、伊達さんが友達宣言をして…
今までの実績、現在の地位
デビューしてすぐ本誌読みきり、増刊連載から本誌連載に。
ややこしい経緯はあるが、きっちり次の連載も得てレギュラー定着。
増刊では「小川とゆかいな斎藤たち」がちょこちょこ掲載される。
個人的な感じ、思い出
すごく面白い雰囲気。これが洗練されるのか…普通にはならないでほしい、いい意味でどんどん弾けてほしい。