咲夜ゆき (さくや ゆき)
作風概説
奇妙な濃さと深さがあり、実体感が強い。かなり重みがあり、それでいてとても柔らかい。
小物・背景が細かく丁寧。服や体の線もコンスタントに色気がある。
二転三転するストーリーの精密さはすばらしく、なるほどとうならせる力もある。
状況に持っていく段階を丁寧に説明する。
代表作
2016「チェンジミラー」
可愛い女の子になりたい、と願う天海玲奈ちゃん。理想的にかわいい親友の小春ちゃんのことをうらやんでいる。
そんな彼女が、願いをかなえる鏡のうわさを聞いた。
そしてふと気がつくと一緒にいた小春ちゃんたちがいなくなり、「助けて」という声に導かれてほこりだらけの部屋にいき、美化委員なので掃除してやる。
すると鏡から「あーやっとでられた」と、男の人が出てきて願いを叶えてくれる、と。
「小春みたいにかわいい女の子になってみんなから好かれたい」という願い。
気がつくとみんなに合流していた。
翌日から、急速にかわいい女の子になっていく玲奈ちゃんだけど、好きな人は…
2016「闇みくじ」
パワースポットとして放送された神社にはものすごい行列。
人が少ない道もあるけど、なんか不気味。その途中にあった地蔵にぶつかって、地蔵の目が崩れてしまった…
それでおみくじを引いたら、真っ黒な紙。怒って捨ててしまったが…
2017「しあわせすぎる遊園地」
男の子とつきあいはじめたけれど、手をつなぐこともない…
それで、最後に残ったカップルがたくさんあるカップルのオブジェの前で誓いを立てると、永遠に幸せになれるという遊園地でデートすることに。
レアキャラであるウサギ着ぐるみの応援もあり、手をつないだりどんどん接近していく。
2018「黒木くんのヒミツ」
男運がとても悪いゆいちゃん。
でも人懐っこく、イケメンだけど近寄りにくい黒木くんにも平気で話しかける。
そして黒木くんが守ってくれるようになり、彼の家でDVDを見て、ふと彼の部屋を見ると自分の写真がたくさん…
今までの実績、現在の地位
2016年春「スーパーノヴァ賞」受賞。オムニバスコミックスでデビュー、本誌にも登場。
個人的な感じ、思い出
実力は圧倒的に新人離れしている。クリスティのホラーなど大きい原作つきに挑戦するといいのでは?
本誌読み切りでのラストの工夫は素晴らしかった。ジャンルを超えるほどの力があり、それだけに大作に挑戦してほしい。