佐藤由梨 (さとう ゆり)

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作風概説

 少し濃い目の頬と丸っこい印象。人形っぽい可愛らしさと表情の豊かさ、こんがらがった画面。
 意外な題材と熱さ、非常に小さいいろいろなものを画面に詰め込む表現がかなり多い。
 すごく表現が豊かで、何も足さず何も引かずにそのまま思春期の痛みをぶつけられるような感じがする。 


代表作

2008「うめぼし☆」
 桧カスミちゃんはなぜか塾で「梅ボシ」と呼ばれている。この塾では中二の生徒は本人入れて五人だけ、しかも女子は一人だけ。
 そんな不安定な構成で、ジャマだと時々言われつつ、ガタガタしながら変わっているけど楽しい日々を送っていた。
 だがある日、梅ボシとあだ名をつけた大和くんが、すねて怒ったカスミちゃんを送ってくれたことから問題になり、塾をやめさせられそうに…
 意外な題材から、小さく詰め込むことで逆に不思議な大きさを作ったステキなデビュー作。

2008「ピース!」
 親友のアカネと別の中学に入って悲しい沙月ちゃんに、キリちゃんという新しい友達ができた。
 でもキリちゃんにはアカネちゃんのことばかり話し、まるで二人の男を二股かけているような状態になってしまい…
 友情の難しさ、深刻さをそのまま描いたすごくパワフルな作品。


今までの実績、現在の地位

 デビューしたばかり。


個人的な感じ、思い出

 題材の大胆さ、変わった作風がとても興味深い。
 これからもどんどん、近すぎて見えないような変わったところに題材を見つけて挑戦してほしい。
 これだけ「そのまま」素材をぶつけられる作家は稀有なんだから。