高鳥未唯 (たかとり みい)
作風概説
木材を極薄に削ったような、セピア色を通り越して薄くなった写真のような、とてつもなく繊細な感触のタッチ。
画面が異様なほど白い。
とても不安定な印象の細めの線。少なくとも種村後の少女漫画とは対極。
そのくせ服や体の質感の水準は高く、色香もあり、形も安定している。
言葉の使い方がとんでもなく丁寧。半面言葉を使わず、表情だけで語らせることもできる。
思いがけない話の展開もする。
水中の描写がとても柔らかい。
小物を丁寧に描いた時にはとても質感が高く、潜在的な画力の高さがわかる。
代表作
2018「夢にひそむマーメイド」
声楽部の椿くんの、歌声が一月ぶりに響いた。病気がちだけどコンクールで優勝したホープ。
ただ、おどろおどろしい雰囲気から「声楽部の幽霊」とも呼ばれている。
彼の声は好きだけど雰囲気が嫌いなありさちゃんは、ひょんなことから夢の中で好きな場所に行ける菓子をもらう。
そして夢で彼と会ったのは海の中。声が出せないので、ホワイトボードで筆談を始める…
今までの実績、現在の地位
シルバー賞デビュー、本誌掲載。
個人的な感じ、思い出
資質はとんでもない。これがどう化けるか、想像するだけでもわくわくする。
信じられない作家になる可能性もあると思う。