作風概説
基本的に幼児向けの作風。かなり単純化された平板な感じの絵だが、子供や動物の描写が静かながらとてもいきいきしている。暖かみもあり、幼児と感受性の優れた者には最高。
背景や服などは一見ラフだが、想像力を刺激する。
オリジナルの読み切りを読む限りでは、幼い子の愛憎や友情をありのままに描く話の構成、感情表現も素晴らしい。
代表作
78〜82「おはよう!スパンク」原作;雪室俊一。単行本全七巻、文庫本全四巻。講談社漫画賞受賞作。
ドジでまぬけなしゃべる犬、スパンクと愛子ちゃんの心温まる生活。アニメ化もされており、伝説の名作の一つ。
91〜95「くまさんかれんだー」
くまさんの家に拾われた人間の男の子。森の奥、動物達の優しい暮らしを描いた、知名度が高くないが素晴らしい名作。
98「ドーナツにはご用心」
ちょっと太目のシシィが公園で、ドーナツ三分で十個食べたらただ+おまけとして願い事がかなう魔法のドーナツプレゼント。早速挑戦するが、そこを幼なじみのデビッドが恥ずかしいとまでけなし、怒ってみんな太ればいい、と言ってしまう。でもそれがかなってしまい、始めは嬉しいが被害が出て。とても暖かい作品。
99〜2003「おジャ魔女どれみ」(原作:東堂いずみ)、単行本はKCDXから発売中。御存知アニメ作品。
魔女の正体を暴いてしまったら、そのマジョリカは呪いでカエルになってしまった。どれみちゃんたちはその責任を取り、マジョリカを元に戻すため見習い魔女として魔法ショップを経営することになる。
ショップの内容がファンシーグッズや菓子屋など色々変わるし、どれみの妹ぽっぷちゃん、チャイドルのおんぷちゃんや時期女王候補で赤ちゃんなのが魔法で大きくなったハナちゃんなど新しい仲間が加わるし、どんどん新しい試練が出てくるしで大変。
2022〜「おはよう!スパンク
てくてく」原作;雪室俊一。
連載プレ45周年記念の期間限定連載。四コマ。
今までの実績、現在の地位
幼児向けアニメのコミック版に定評がある。
言うまでもなく昔から「なかよし」で活躍、史上屈指の大ヒット作「おはよう!スパンク」を生んでいる。
筆者が「なかよし」を読み始めた 91 年以降ずっと目立たない形ながら活躍しており、特に「るんるん」では常時連載をしていた。「るんるん」が廃刊になって本誌に復帰、安定したアニメの原作担当で子供たち(だけではないのだが)をひきつけている。
「おジャ魔女どれみ」シリーズはアニメも長期にわたる傑作だった。
個人的な感じ、思い出
「おはよう!スパンク」から大好きだった。僕の幼児期にとって、相当大きな作品と思われる。忘れがちだが目にすると安心できる、とても暖かい雰囲気が好き。
その後の作品もいいものばかりで、僕の幼稚な部分は満足している。「るんるん」時代の連載や「くまさんかれんだー」の単行本がないのが少し寂しい。