紫部さかな(ゆかりべ さかな)
作風概説
くっきりした線で可愛い感じ。キュートでポップなキャラクターを色々作ることができるし、男女とも普通だけど日常そのものが面白いキャラやちょっと不思議な魔法使いなどとても魅力的。
四コマもショートギャグもできる。
代表作
1995〜98「南第一学園」
南第一学園は生きている。壁に話しかけると答えるし、どうやら巨大ロボットにも変形できるらしい。そんな中、一見普通だがそんな変な学校に順応しきっている人間のまきちゃんたち、魔法使いのオーラちゃんなど色々なクラスメートが平和にドタバタ。とても楽しくキュートな学園四コマ。
1995〜97「ちゃいな
@ちゃいな」
中国の山奥、双子の小さい妹、リンとマオと暮らしている武術の達人の兄さまを中心にした楽しい四コマ。
子供の無邪気さに苦労する兄さまがなんとも言えず微笑ましい。
1998〜99「幻想曲芸(さあかす)団」
サーカスに入ろうとしたたすくちゃんだが、残念ながら不合格。ただし、雑用をしながら修業して玉乗りもこなせるようになれば舞台に上げる、ということでしばらく修業することになる。
がっくりしてよそのサーカスに行こうかな、と思ったけれど、教えてくれることになるソルトにけなされ、意地になって頑張るたすくちゃん。
それにこのサーカス団はいつも目隠しをしている団長、ピエロメイク(素顔)で厳しいソルトと優しいオリゴ、自動人形のマリオネットとレイ、見分けがつかない小さな三つ子のトト&カカ&ロロ、カボチャカカシのパンプー(本当に布の下は藁人形)、カッコイイ…というか一応人間に見えるけど女言葉の雪之丞さんなど個性豊かを通り越している。
抜群に楽しくキュートなキャラクターが織り成す楽しいファンタジーワールド。
今までの実績、現在の地位
90年代後半に充実した四コマ作家陣でもずば抜けた人気と実力を誇っていた。
他は暗く邪悪な作風が多かったので、子供からオタクまで広くアピールできる可愛く抵抗感のない絵柄と独特のメルヘン感覚は貴重だった。
ちなみにデビュー以来ずっと「ハチャメチャ現役女子高生」の肩書きだった。
四コマからショートに転向して間もなくインターネットで引退宣言し、証拠として一時的に公開したメールアドレスに住所を知らせたファンにペーパーを郵送した。いくつかのサイトでペーパーはアップされているので、ぜひ検索してみて欲しい。
それには「沖田遼一」名で今後活動するとあるが、現在のところ見ていない。
個人的な感じ、思い出
その明るく楽しくかわいいタッチも独特の世界も大好きだった。
引退宣言については予断を避けて中立的でいなければならないと思うが、とにかく残念。
忘れられない作家だし、早く元気に復活するのを見たい。