第二巻

特に楽しい話が多いコミックス。特にアラレの、いつもの日常を鮮やかに描き出した「突撃アラレちゃん」は必見!またイチゴパンツ大作戦など、博士のスケベぶりも注目です。

第13話;アラレ空をとぶ!の巻

第14話;とつげきアラレちゃんの巻Part1

第15話;とつげきアラレちゃんの巻Part2

第16話;宇宙からの侵略者の巻

第17話;ホンモノマシーンの巻

第18話;誘かいされた!?の巻

第19話;先生がくるよ!の巻

第20話;変身ポンポコガンの巻

第21話;ムカシムカシの海水浴の巻

第22話;パニックイン散髪屋の巻Part1

第23話;パニックイン散髪屋の巻Part2

第24話;イチゴパンツ大作戦の巻Part1

第25話;イチゴパンツ大作戦の巻Part2

アラレ空を飛ぶ!の巻


扉の図案

ぎゅうぎゅうに、それまで登場した全キャラクターが枠のなかに詰め込まれている。枠の上から身を乗り出しているブタと、「Dr.SLUMP」と書かれた紙を持っているガッちゃんは枠の外にいる。枠はよく見ると二段に分かれており、分けている枠線でできた棒の上に、他とは違って大きく全身像で、科学特捜隊の制服を着たアラレが敬礼している。画面の右下、これもアップの千兵衛が指で口を大きく横に広げ、あかんべえをしている。枠のなかには多数の、星を先端につけた虹が見られる。あかねがその一つに、ローラースケートで乗っているのが印象的。右上にゴロンボ、左下に作者がそれぞれ「はじまりはじまり〜」「よんだってちょ!」と書かれた紙を持っている。ゴロンボの持っているほうの紙はかなり長く、もう一端をブタが支えている。

アラレの、少しとぼけて首を気持ち傾けた敬礼は、アニメを含めて多く使われる、印象の強いポーズである。


あらすじ

空を飛ぶガッちゃんを見て、自分も飛びたい!とおもったアラレは、千兵衛に改造を頼んだ。だが、アラレがいうように「鉄腕アラレ」に改造したら即座にアラレがロボットだとばれてしまうので、結局飛行機で妥協した。

その飛行機をあかねやピースケと見に来たタロウとアラレは完成した飛行機に乗りこむ。その飛行機はプラモデルのようにプラスチックを接着剤で組み立て、しかもエンジンも何もなく、よく振ったドラム缶サイズのコーラの噴出の反動で飛ぶ、と言う画期的なシステム。見事に離陸し、しばらく空の散歩を楽しんだが、すぐにコーラが切れて雲の上に落下した。

雲の上にはカミナリ様のゴロンボがいた。アラレとタロウは雨を降らしたりドラムセット(実は雷鳴)を鳴らしたり、あまつさえ雷を落したりして遊んだ後、デートの約束に焦るゴロンボに送ってもらって、その実地上に放り出された。タロウは千兵衛に恨み言を言おうとしたら、千兵衛はアラレが落した雷で黒焦げ。そしてゴロンボも結局デートに遅刻してふられ、アラレは一人御満悦だった。


解説

とてもテンポのいい、楽しい話。アラレが空を飛ぶことに強い憧れを持っていることがはっきりする。その憧れは今後も、様々な形で出てくる。

タロウが高校に進学したこと、ペンギン村の高校は無試験であることがわかる。

飛行機の発想だが、まんざら間違いではない。ロケットは原理そのものに戻れば流体を一定方向に吹き出せればいいのだし、炭酸を利用して高圧を与えるやり方も、ペットボトルロケットと原理的には同じ。

飛行機がプラモデルみたいであるのは、作者の趣味がプラモデルであることと関係があるのかもしれない。

ちなみにスッパマン初登場。スッパマン自体は以前主人公として作ろうとし、没になったキャラクターである。


感想

空への憧れをはっきり感じ、僕も同調して飛行機に乗りたくなってくる、そんな作品。

千兵衛がやった、足の指でテレビを消す(ゴロンボが天気予報のついでにデートを自慢したのを怒って)は僕も癖になり、それでかなり怒られたが、今でも時々やってしまう。


登場人物

レギュラー;則巻アラレ、千兵衛、ガッちゃん、木緑あかね、空豆タロウ、ピースケ、スッパマン、ブタ

ゲスト;カミナリゴロンボ(鬼。体格はやや小さ目の、可愛い感じさえある人のよさそうな壮年。もじゃもじゃの頭髪と角がある。天気予報のキャスターであり、同時にリクエストに応じて天気を管理するのも仕事。自分で決めて予報するのだから、天気予報と言うのはちょっと変だが・・・。礼儀正しいようで怒りっぽい言動。)

無名;ガッちゃんを羨ましがったニワトリとペンギン(眼鏡をかけている。両方飛べない鳥だからか)、野次馬の可愛らしくデフォルメ&擬人化されたウルトラ兄弟や象、カバ、トリケラトプス、飛行機が飛んだ際にニアミスしたUFOに乗った宇宙人

登場メカ;飛行機(とても丸っこいデザインで、エンジンルーム部分が空っぽ。そこにドラム缶サイズのコーラをよく振ってはめ込み、キャップを外した時に噴出した反動で飛ぶ。「バイクより簡単」なほど操縦性が高く、ほとんど滑走なしに離陸した。)、天気用具;雨(先端がじょうろのようになっている大きな蛇口)、雷(雷鳴を出すドラムセットと、レーダーのようなお椀状の保護具から蛇腹状になった円錐が突き出し、その先端の球から放電する本体(ちなみに「節電」と書かれており、方向を定めるための台座と外部コンデンサーがある)に分かれる。)

とつげきアラレちゃんの巻(Part1、Part2の二回)


扉の図案

  1. 第二次世界大戦中のレシプロ戦闘機(機体名はわからない、できれば調べておく!情報があればお知らせを)に千兵衛が飛行帽をかぶり、ゴーグルを上げて乗り、舌を斜め上に出している。千兵衛の頭に足をのせたアラレが、戦闘機の機首に馬のような手綱をつけて乗馬みたいにして喜んでいる。尾翼のほうにヘルメットをかぶったタロウがしがみつき、右の翼にM1ガーランドと思われるライフルを背負ったピースケとガッちゃんがしがみついている。左の翼から機首に足をかけたあかねが通信機を背負い、「おい きこえるか!オレたちを カッコよくかかねえとしょうちしねえからなっ!!」と、片方の耳をふさいで古い型の電話の受話器のようなものに叫んでいる。画面の下、枠線にしがみついた形の作者(鳥バージョン)がペンを背負い、受信機に「は・・・はい わかりました・・・・・・。」と言っている。

  2. 中国風を思わせる、上は空白でタイトル、中心に円、それを囲むように長方形の枠。円の枠の中で、怒った山吹先生があかねを膝に抑え、ズボンを脱がせて出席簿で尻を叩いている。あかねは舌を出し、苦しそう。「PEN!PEN!」とぎざぎざ吹き出しに書かれ、後ろにリボン状に「TYOME!」と四回書かれている。左上に掛軸のようなものがあり、「おしおきの図」と書かれている。円上の枠の左下には「禁酒」と張り紙、右のほうに「SINE!KA!」と書かれたブタの蚊遣りが置いてある。右下でアラレが、枠を無視して「おこらりちゃった!」と尻を押さえて笑っている。


あらすじ

  1. アラレの一日。朝起きて、飛び出してあかねを誘って、更にタロウとピースケを誘って・・・クリキントンにほっぺに100と書いてもらって大喜び。百円拾って警察を探し、逃げるパトカーを捕まえるため銀行を投げて、金が降る中パトカーを壊されたガラとパゴスに百円を差し出し、「おりこうさんね・・・」の一言に大喜び。給食の時間、ロボビタンAばかりなのに文句をつけたあかねの「おっきくなれる」の一言を真に受けたアラレは給食をぺろり。そしてあかねが飲んでいる水筒の中身、酒を飲んだら・・・「オッパイがおっきくなる」この殺し文句に「んぐっ!んぐっ!」ご機嫌に酔ったアラレとあかねを、山吹先生の嫌味な笑み・・・。

  2. 放課後。叩かれたお尻が痛いあかねと、ご機嫌のアラレ。あかねはふと思いつき、アラレの腰にロープをつけてローラースケートをはいたまま引っ張らせるが、アラレが急停止してヤシの樹に顔からガン。そのアラレが手にしているのはウンチ!捨てろと言われたアラレは、バイクでパトロール中のガラとパゴスを跳ね飛ばして、頭にウンチを押しつける。あかねと別れて家に帰ったアラレは、千兵衛に腹痛を訴えた。分解整備してみると、なんと給食とお酒が・・・まあ、千兵衛の晩飯は助かった。おやすみなさい。


解説

アラレの日常を巧みに描いた、Dr.スランプの象徴とも言える一編。

ガラとパゴスの名前がはっきりしたこと、アラレの寝起きの悪さ、マッハに近い速度を出していること、アラレがウンチと見れば触らずにいられないことなどがわかる。

千兵衛の朝食のメニューはトーストに目玉焼き、ソーセージにコーヒー。給食はビン入りの牛乳、コッペパン、シチュー、ニンジンを含むつけ合わせのついたハンバーグと思われる。旧アニメでは千兵衛の夕食をアラレが作ろうとしてとんでもない事になるエピソードが加えられている。

ガメラ(怪獣博士の巻で怪獣博士に買ってもらったカメ)がちゃんと飼われている事も判明。

この時点では、アラレの頭部と胴体は完全に切り離して独立に長時間活動でき、しかも頭部からの命令は無線で胴体に伝えられることがわかる。アラレに食事を消化する能力はないが、何らかの管で頭部にある口から胴体のどこかに送られ、ためられている事も判明。また、アラレの人造皮膚を剥がした状態も、ある程度ここで見える。

千兵衛博士は一人で自炊している、と言う事も判明。

アラレの、半ズボンに袖なしのTシャツ、頭には紐をつけない飛行帽と言うファッションもアラレが特に好むものの一つ。あかねのローラースケートも当時ブームだったのだろうか。

ペンギン村の建物が、「名は体を表わす」そのまま、銀行は大きな金庫だし喫茶店はお馴染みコーヒーポット、お菓子屋が開いたキャラメルの箱・・・である事も面白い。高校が中学園の隣で、コンクリートである事も判明。

ペンギン村から、「あげは町経由ワンダーアイランド行き」と言うバスが出ている。7:00、11:30、15:00、18:10、21:40の五本だけ。ペンギン村がいかに田舎か、よくわかる。


感想

とにかく、僕自身昔はこのペンギン村の一員であるほど深くのめりこんでいた。この日常の中に徹底して自分を置いていた。それは僕にとって、現実以上のものだった。

アラレが腹痛を訴えたため、千兵衛が分解整備のため「服を脱いで寝てみろ」と言った時、アラレが「エッチ!」とからかい、それに憮然としていたが、その意味を知ったのはやはり十年後の事だった。

アラレがウンチにこだわるのは、やはりフロイドの言う肛門期にリビドーが固着しているからだろうか。それとも、ロボットである自分には排泄の快感がない事が、どこかでコンプレックスになっているからであろうか。


登場人物

レギュラー;則巻アラレ、千兵衛、ガッちゃん、木緑あかね、葵、空豆タロウ、ピースケ、クリキントン(今回が初登場。名前の由来はおそらくクリント=イーストウッド。顔もダーティーハリーそっくりだし、当時ビル=クリントン現アメリカ大統領は無名)、山吹先生、ブタ、ガラ、パゴス、(ペンギン村村立中学園)園長

ゲスト;特になし

無名;冒頭の夜明けのシーンで、太陽を釣り上げている浦島太郎、その下で「モケコッコ〜ッ」とわめいている擬人化された牛、アラレの登校を見て「マッハを超える日は近いな」と話している擬人化された狼と「スターウオーズ」のC-3PO、「WATER」と書かれたアクアラングを背負って飛んでいる熱帯魚、カネゴンそっくりの銀行オーナー、中国人風の女の子、吸血鬼風の男の子、キツネのお面をかぶった男の子、アラレの同級生で額が長く、眼鏡をかぶった男の子、作者(映画「エイリアン」のエイリアンののびた頭の後ろをペンにしている姿で、この時しか使っていない)、ハエと「スターウオーズ」の帝国兵士(二人で「つづくんだってさ!!」と書かれた枠を持っている。帝国軍兵士のヘルメットには「HURUINE」と書かれている)、カラス、蜜蜂(バケツを下げている)、小さい羽根のついた、樹にとまっている象、農民親子(洟を垂らした子供の頭で、アラレはウンチを持った手を拭いた)、ブタ(最後に「おやすみなさいませ」と書かれた枠を持つ)

登場メカ;時計(両手にハンマー(鉄琴の棒みたいな)を持ち、頭についているベルを自分で叩く。口がデジタルの文字盤の下にあり、文字盤が目鼻に当たる。擬人化されており、関西弁)、タイムくん、スクーター、パトカー、ブーツ型のローラースケート、バイク(ガラとパゴスがパトカーを壊されたため、パトロールに使った。「ガラとパゴスのニコニコパトロール」と書かれた旗を背中につけて二人乗り)、M1911コルトガバメント、銛(アラレが樹に立てかけてあったのを拾い、太陽を刺したら風船のように空気が抜けてどこかに飛んでいき、夜に)、千兵衛の工作台(腰の高さにある机と上の、低めの天井という感じの照明兼工具ラックに分かれる。そこから何本か、電動のドライバーの類と思われる工具がコードで垂れ下がっている。横に、別のスパナやプライヤを置いた机がある。アラレにとってちょうどいいベッドで、横に頭部をかけておく、ヘッドホンから上に棒がのびているようなラックがある。)

宇宙からの侵略者の巻


扉の図案

上半分右側にリボンのかかった円枠に囲まれた、シリアス顔のブビビンマン。上半分左側が文章

「やあ!
かよわき地球人のしょくん!
わたしの名前は ブビビンマン
はるかかなたの宇宙から
地球の平和をまもるために やってきたのである
まずは そのスーパーヒーロー
ぶりを じっくりとごらんいただきたい!
-----というわけで
今回は 特別に 本格SF
超大作を
堂どう15ページにわたって
おおくりしたいとおもう」
中ほども文章、「題してDr.スランプほよよスペシャル(ローマ数字)1宇宙からの侵略者の巻

下半分は表情を排除してスターウオーズのC-3POのコスプレ(胸にコンセント)をした千兵衛が「新型そうじ機」と言ってR2‐D2に扮して「キュイーンキュイーン」と言っているアラレを指差している。


あらすじ

宇宙からやってきた宇宙人、ブビビンマンがアラレに撃墜され、自分の強さを誇示しようとしたら逆にアラレに圧倒されて・・・そして、ふとみつけた素晴らしい食料、それはウンチだった。


解説

何となく、だが映画のパロディのような構成である。場面ごとに「ACT.数字」と区切られていたり、冒頭に「宇宙は拾い。ムチャクチャひろい。あえて名古屋弁で言うならムッチャンコひれー。・・・・そう甲子園球場はおろか あのアメリカ大陸より広いのである・・・。そこまでひろいとわざわざ地球に来るアホもいるのである・・・・・・。」とふざけたナレーションが入っていたりする。

Dr.スランプの「宇宙人と言う名の奇人変人」の系譜の走りでもあるが、以後話のメインとして再登場するほどのキャラクターではなかった。


感想

とにかく、最後は本当に汚い。ウンチをほじって食べるシーンはやはり吐き気がする。

ブビビンマンの終始糞真面目で、それでいて都合が悪くなるとごまかす姿勢も笑えた。

「宇宙人にしては平気でおんなじコトバしゃべるんだな」という鋭いつっこみに、「はいマンガですから」とみもふたもない回答を与えてくれたのもなんだか物悲しいまでにおかしい。


登場人物

レギュラー;則巻アラレ、千兵衛、ガッちゃん、木緑あかね

ゲスト;ブビビンマン、サングラスをつけたモグラ

無名;アラレにつかまっておもちゃにされている小さな東洋風の竜

登場メカ;ブビビンマンの乗ってきた宇宙船(本体は百円ライター風で、その火を出すところがノズルになっている。下にも垂直離着陸用のノズルがある。それにA-10のような直線翼、その下に着陸用脚が畳まれている。ライターの下側に当たる部分に、バッタの頭を思わせる一人乗りのコックピット。コックピット内はトイレの水槽やトイレットペーパーホルダーがあり、椅子は男子小用、操作パネルは和式便所の便器を思わせる。操作パネルには電卓と空気成分分析システムの表示(酸素が「ある」「ない」「しらん」のどれかが点灯)、車と同じ円形ハンドル)、スプレー式殺虫剤「ムシゴロシ」、トイレットペーパー。

ホンモノマシーンの巻


扉の図案

上はタイトル文字。中はピーターパンのフック船長とピーターの決闘をアラレがピーター、フックが千兵衛で演じている。ガッちゃんがフックに扮した千兵衛の帽子にかみついているが、ティンカーベルの意か?

下に、あかね、ピースケ、タロウがラジコンの操作具、それも首から下げるかなり大型のものを操っている。「世界初!R・C人形劇だヨッ!」と言う言葉。タロウが眼鏡と帽子をしているのと、あかねの服装がやや昔風のところから見て、それ自体ピーターパンの子供たちのコスプレと思われる。


あらすじ

アラレとあかね、ガッちゃんがかくれんぼをしていて、アラレは研究中の千兵衛の口にもぐりこんだ。あかねはアラレとゴキブリポイポイの中にいたガッちゃんを見つけ出したが、千兵衛は怒っている。

千兵衛が完成させた発明品は電気炊飯器に手足がつき、顔があるようなもの。それは大発明「ホンモノマシーン」!それに写真を入れると、その中身がホンモノになるという素晴らしい発明である。

アラレたちを部屋から追い出した千兵衛は、発明の本来の目的、H本のモデルをホンモノにしようとする。が、それではと言うところでアラレたちが帰ってきて、間の悪さをごまかすために電話に出、戻ってきたら部屋は宇宙と「このページ」から出てきた、無限に増殖した自分たちであふれかえっていた。


解説

千兵衛の口は子供一人入れておける大きさらしい。

ホンモノマシーン、というアイデアが凄い。その、意味なく複雑なプロセスも千兵衛の特徴で面白い。

アラレは怪獣や恐竜を現実化しようとした。それだけそれらを現実に見たい、そして恐らくはいっしょに暴れたりし勝負したりしたい、と思っているのだろう。

H本を現実化する、と言う発想は「性の商品化し、女性を物と考える」というポルノグラフィーの本質を浮き彫りにしているようで、苦笑しつつ嫌な感じもする。

最後の、ムチャクチャを見て絶句すると言う落ちはとてもいい。Dr.スランプにはしばしばこういった、収拾不能な事態で収拾せずにおしまい、と言うギャグがある。


感想

意味不明の複雑さがとても面白い。モデルを現実化する、というのは、よく考えるとうまくいったら非常に厄介ではないか、と複雑な思いになる。それだけ、女性を性欲を満たすための物扱いにしているという批判があったろう。

「このページ」を入れる、という発想も驚いたし、それが一体どんな意味を持つかも考えていて恐ろしい。自分たちがマンガと自覚した上で、自分たちのいる紙面を自分で切り取って、それを現実化させる・・・と、もちろん自分たちのコピーと、さらにアラレ自身の持っている「このページ」の中に、アラレ自身が「このページ」を持っているその絵も入っているのだから、それが無限に循環する・・・混乱してくる。


登場人物

レギュラー;則巻アラレ、千兵衛、ガッちゃん、木緑あかね

ゲスト;特になし

無名;特になし

登場メカ;千兵衛の使っているスパナ、ハンマーなどの工具、ゴキブリポイポイ、ホンモノマシーン(顔が描かれ、手足のついた大きな電気炊飯器。ふたを開けて写真を入れ、お湯を注いでふたをしてよくかき混ぜる・・・しばらく踊ると湯気が立ち、写真に撮られた物がそのまま入っている。例は天丼であり、炊飯器に入りきれないはずの女性モデルやアラレたちがどのように現実化されるかは不明)、ザ・マヨネーズ(コードで「STEREO」と書かれた台につながれた、小さなサングラスをかけた擬人化ブタ三人。ギター、ベース、ドラム。ホンモノマシーの付属システムで、その音楽に合わせてホンモノマシーンが踊って中身をかき混ぜる)、電話(非常に古い形で、壁掛けタイプ。木製でベルが二つ、マイク部分になる短い管が前面にあり、それが目と口を思わせるよう配置されている。左側に受話器がコードでつながっている。右側にはハンドル。電話自体に人格があり、千兵衛自身をからかったりする。)

かいされた!?の巻

(斜体部、原作では傍点)


扉の図案

有名なイラストの一つ。RPG風で、アラレが竜に乗っており、その横を作者が歩いている。背景も装飾された枠。

竜の体型はティラノサウルス風で、かぶとをかぶり、拍車のついた靴を履いてくつわをつけ、手綱はだらりと下がっている。短い前足には手袋。首からは別に水筒が下がっている。鞍を背中にしっかり固定している。竜の目は空豆のように切れ目の入った半球形で、カメレオンを思わせる。

アラレも甲冑と剣と盾で武装している。剣は広いハンドガードのついたもので、短め。盾は小さい円盾。鎧は非常に軽装で、胸当てと鈍く短い刺のついた肩当て、胸当ての周囲を覆う爬虫類の皮のようないぼのついた素材、左右の小さなたれのみ。中心に大きな宝石とリベットのついたベルトがある。その下に股から下腹部を布が覆っており、太股の中部にもベルトが回っている。腕に袖がある様子はないが、上腕部に皮ベルト。皮手袋とブーツをつけている。かぶとはドラゴンクエストを彷彿とさせる羽のついた軽いタイプで、額に大きな宝石。アラレの表情はまじめそのもの、口をへの字に結んでいる。

作者は頭部が鳥型で、通信用のコードが耳から伸びた飛行帽をかぶっている。手に大きなペン。


あらすじ

アラレがガッちゃんをさんぽさせている時、銀行強盗が逃げ回っていた。アラレと出会った銀行強盗はアラレたちを人質にすることを思い付き、廃屋に連れて行く。

怪獣ごっこをしようとして自分がウルトラマンだとわがままを言ったりする銀行強盗が、ついに牙をむき出したが、アラレたちには何の恐怖もない。そしてアラレたちを引き止めるため、スイカ割りごっこを始めたらアラレの怪力に廃屋はもろくも崩れた。頼みの拳銃もガッちゃんに食べられ、恐怖に駆られた強盗は「おまわりさ〜ん」と泣きながら走り回るが、そのような時に限って警察は見つけてくれない・・・。


解説

間抜けな犯罪者を中心にした話の系譜の始まり。

アラレに拳銃弾などBB弾ほども感じない、と言うことも明らかに。よほど強靭な素材を使っているのだろう。

尚、この話でしているように、拳銃の引金に指をかけたまま行動してはいけない。撃つ瞬間以外引金には触れない、というのは銃に触れるために初めに叩き込まれることである。また、アラレのようにロボットではない限り、決してアラレがやったように銃口をのぞいてもいけない。人間だったら即死だった。


感想

アラレとガッちゃんの蜂ルックが可愛い。

それにしても、スイカ割りごっことはあまりにも自殺的な遊びを・・・。


登場人物

レギュラー;則巻アラレ、ガッちゃん、千兵衛

ゲスト;銀行強盗

無名;バルタン星人のセミ、木に登っているトリケラトプス

登場メカ;M1911A1自動拳銃、アラレの眼鏡を直すドライバー

先生がくるよ!の巻


扉の図案

有名なイラストの一つ。ナンバープレートP-13の水陸両用車(メーカー、型ナンバーなどの情報求む!)を煙草をふかしながら運転している千兵衛と、バンパーに座っているアラレ、アラレの頭の上に立っているガッちゃん、助手席でオープンのフロントグラスに肘をつき、ファーストフード風のジュースを持っているあかね、後席左側のピースケ、後席右側でサングラスをかけ、煙草を吹かしているタロウが枠の中に。皆前方の一点を見ており、アラレがそこを指差している。

上をアクアラングをつけて飛んでいる熱帯魚。


あらすじ

かえってすぐにアラレの一言「先生がくる」!千兵衛はすっかりみどり先生のことと思い込み、パニック状態。頭を刈ろうとしたがいきつけの「BARBARそらまめ」のクリキントンは留守、タロウがやると言ったが・・・丸坊主にされたピースケを見て脱走。

帰って自分で床屋ロボットバーバーマンを作るが、そいつはつまらないジョークを言って千兵衛をおちょくった末、見事に短くして壊される前に潔く自爆した。

そして正装して家中そうじ、飾りつけてさあいらっしゃいませ、と思ったら園長先生だった・・・。


解説

タロウに頭を刈らせたらいけない、と言うことがはっきりする。

そして「バーバーマン」はロボットが意識的にジョークを言い、しかも自殺すると言うロボットマンガの上でもエポックメイキングな存在である。


感想

冒頭に出てくる、ブタに乗って飛ばしてくるアラレが楽しそうでいい。

丸坊主の千兵衛も・・・どうせ後にはげるのだから、いいと思うが。現に後に丸坊主になるし。

千兵衛の勘違いには笑えた・・・初めて、恐らくアニメで見た際、わかったかどうかには自信がない。

アラレの正装(上品な白いシャツにチェックのワンピース)はとても可愛い。


登場人物

レギュラー;則巻千兵衛、アラレ、ガッちゃん、空豆タロウ、ピースケ

ゲスト;園長先生

無名;ブタ(大小。アラレが乗る大きいほうは{ナナハン750cc}、小さいほうは{ゼロハン50cc}と書かれている)、こえたごを担ぎ、サングラスをかけた牛の農夫

登場メカ;アラレが千兵衛を起こすのに用いたM20A1?バズーカ砲(番号には確信が持てない。現在先進国で使用されているモデルのカタログには細部まで完全に一致するものがない。恐らくもう一世代古い。共産圏ではない)、エアスクーター(スクーター状だが、浮いている。SPEE-Dと書かれている)、バーバーマン(単純な、円盤から一本の支えが伸びているタイプの足に平たい体、それに細長い人間同様の指を持つ手と楕円形に目と口だけの単純な顔。その顔は前方に開き、洗面台になる合理的な作り。胸が開くとそこにはさみやくしがきれいに並んでいる。冗談ばかり言い、腕は悪い。都合が悪くなると自爆した)、懐中時計(園長先生が千兵衛に直してくれ、と持ち込んだ、この話の諸悪の根元)

変身ポンポコガンの巻


扉の図案

鞍を乗せた大きなカエルに、カウボーイルックのアラレが乗って手綱を握っている。


あらすじ

鳥山明の実戦!カエルつり教室!・・・それを本で読んだアラレは、あたしもと竿に毛バリをつけ、発明中の千兵衛の前で揺らし始めた。引っかからなかったので今度はハリにH本をつけ、今度は釣れたが、怒った千兵衛が発明品、変身ポンポコガンをアラレに向ける。何とアラレはテレビに!

色々遊んで・・・アラレは千兵衛をカエルにして、またカエル釣りを始めた・・・、アラレは千兵衛を「かっこいくして」あげると、「かいじゅうになれっ!!」もちろん家は壊れた。


解説

カエル釣りのもっともらしい、それでいてやや自虐的なつっこみを入れている講釈が面白い。

アラレの、なにかいたずらをしようとすると決して諦めない、結構しつこい性格が出てくる。


感想

変身ポンポコガン・・・これ以上に恐ろしい発明はないと思う。質量保存則を始め、すべての保存則を無視した究極の発明!これをどう利用するか、もう何でもできすぎて考えることもできない。事実上物質的には全能だろう。

相変わらずせこい使い方(映画館にアリに変身してただで観る、カタツムリに化けて風呂をのぞく、雨に降られたら傘に、嫌いなニンジンを食べろと言われたらウサギに、憎たらしい奴は漬物石に、暑い夏は氷イチゴに、そしてハムをステーキに・・・)しかしないのが、いいのか悪いのか。


登場人物

レギュラー;則巻千兵衛、アラレ、ガッちゃん、作者(人間バージョン)

ゲスト;特になし

無名;フクロウ

登場メカ;変身ポンポコガン(タヌキの頭を模した球形の本体を中心に、鼻の部分が前にせり出す先端に小さい球のついた円錐形の光線発射口、後ろにマイク、首に当たる部分がグリップとトリガー。耳もついている。発射口を標的に向け、トリガーを引きながら変身させたいものの名前を言うと標的が呼んだものに変身する。精神は変身してもそのままで、「もどれ」と言いながらトリガーを引くと元に戻る)

ムカシムカシの海水浴


扉の図案

「オズの魔法使い」を題材にしている。ドロシーがアラレ、ガッちゃんは猫。かかしがあかねで、ライオンはピースケ、ブリキのきこりがタロウ。千兵衛が気球に乗っている。右後方に城が見え、地面が草や倒木、きのこなどをあしらった独特のぐにゃぐにゃした感じ。


あらすじ

タイムスリッパーを使い、古代へ海水浴に!でもツンツル番を忘れ、ピースケの坊主にされたばかりの頭を使って時間旅行に。でも、アラレが眼鏡を落した(落した眼鏡は水戸の御老公が拾った)。

アラレがまともな水着を持っていないので、ワンピースだったピースケが貸した。ピースケが流されてタロウが助けようとしてモササウルスが跳ねるのを見て、準備体操にかこつけて見捨てたりしているうちに、火山の噴火!

慌てて帰ると第二次世界大戦の真っ只中、アラレは桃太郎のところに・・・。


解説

大昔、と言っても時代も何もめちゃくちゃで、いるのは怪獣だったり一つ目の河童、触覚のついたUFO、アクアラングをつけた首長竜、頭がゾウのカメに乗った原始人、海底に転がっている空缶などあらゆる秩序を壊した世界が楽しい。

タロウの臆病さとアラレの羞恥心の無さがとことん出ている。

収拾不能なままおしまい、というタイプの終わり方。旧アニメではなんとかしてしまったが、それこそ蛇足のような気がする。


感想

もうこんな海水浴ができたら楽しいだろうな、の一言。でもスリルがありすぎる。

つっこみたいのは、水戸光圀は眼鏡の存在を知っているはずであることと、タイムくんは位置移動ができないはずなのになぜ第二次世界大戦の戦車がある戦場に・・・あ、ペンギン村は日本領で南海の島、ということだから硫黄島を初めとする攻防かも。

作者が子供の頃、僕と同様いつも古生物の図鑑を見ていたような、そんな気がする。


登場人物

レギュラー;則巻アラレ、ガッちゃん、空豆タロウ、ピースケ、木緑あかね、タイムくん

ゲスト;特になし

無名;水戸光圀、佐々木助三郎、渥美格之進、ガメラ、ギャオス、ギラン、モスラ(幼虫)、キングギドラ、もろもろの変な古代生物、モサ(ティロ?)サウルス、兵士、桃太郎

登場メカ;タイムくん、タロウの持っている銛、ブレンガン、トミーガン、名称不明の戦車(星マークより米軍と思われる)、戦闘機(十字マーク)

パニックイン散発屋の巻


扉の図案

Part1;右側に千兵衛、左前にアラレ、アラレの頭につかまってガッちゃん。千兵衛はフードなし、短めのフライトジャケット(胸に「SLAMP」ロゴワッペン、肩に「28」のワッペン)を着て、飛行帽をつけてゴーグルもかけ、パイプをくわえている。パイプから小さなブタが蝶ネクタイをして上半身を出し、煙草を吹かしている。千兵衛の首にはマフラー。足はブーツを履き、ズボンのポケットに手を突っ込んでいる。表情は呆れたような困ったような。

アラレはローラースケートを履き、体に浮輪のような戦闘機(調べてみますが、情報あれば教えてください)、飛行帽をかぶってゴーグルを引き上げ(いつもと違い、あごベルトはつけているみたい)、笑顔で手を挙げている。

ガッちゃんは虫の着ぐるみを着て、アラレの頭にしがみついている。

Part2;画面が細かい格子に切られている。その中に人物の顔や分割されたタイトル文字。そのいくつか(アラレ、千兵衛、クリキントン、銀行強盗、婦警)は複数の格子を使った大きい空間。上右からピースケ、アラレ(2×2)、タロウ、ガッちゃん、「イン」、アラレの下部、「パニック」、作者(鳥バージョン)、「の巻」、「屋」、「髪」、「散」、千兵衛(1×2)、暗悪健太、葵、ブタ、みどり、強盗(2×2)、「Part2」、クリキントン(1×2)、あかね、強盗の下部、婦警(1×2)、クリキントン下部、ウルトラマン、帝国軍兵士ヘルメット警官、ガラ、婦警下部、パゴス、署長。


あらすじ

Part1;客がいない「バーバーそらまめ」、千兵衛とクリキントンがロボットボクシングで遊んでいる。クリキントンの「ローカルそらまめ」がふんばった拍子にトランクスがずり落ち、笑われた復讐に千兵衛の「カントリーのりまき」の股間を蹴り上げ、ダウンしているのを助けようと千兵衛がずる・・・興奮して実際に殴り合いに、と思ったら銃を持った男が入ってきた。

客と思ったらそうではなく、例の銀行強盗。で、警察が出てきて篭城事件に!でも千兵衛たちは構わず遊んでいる。そして、突然狂暴な婦警が「犯人うちましょう」、「人質がいるから」と言われたら「じゃあ人質うちましょう」と短機関銃を乱射!そして、なめていると思った強盗は千兵衛を呼ぼうとしたがゲームに夢中。そこを子供たちが降りてきて、しめたと人質として見せようとしたら・・・忘れもしないアラレとガッちゃん。

恐怖に駆られた強盗は自首しようとしたが、つまらないから戻れと・・・。

Part2;と言うわけで篭城は続く。哀れな強盗はアラレたちにおびえるばかり。

出てこい、と警察に言われて切れた強盗が乱射するが外れ・・・へたくそ、と元刑事のクリキントンが見事に署長の額にヒット、オロナインで治した。

騒ぎが広がる中、PCBテレビリポーター暗悪健太が登場。マイクをガッちゃんが食べてしまったので、急遽番組を変更、さらにアラレが岩を投げて月を割ることができると聞き、それをメインに・・・

夜、収録が始まって千兵衛がしゃしゃり出たりしたが、アラレが見事に岩を投げて月を割った。大歓声の中、忘れられて一人立ち去る強盗・・・。


解説

言うまでもないことだが、急所を蹴るのはボクシングでは重大な反則である。即座に反則負けを宣告せず、カウントを始めたレフリーはひどい。

話がどんどん暴走して強盗など何の意味もない、という独特の「ペンギン村の平和」の論理がもろに出た作品。何かと言うと村をあげての野次馬が集まる、というのも笑える。

アラレが岩を投げる速度は・・・岩が単純に1tとして、月を割る・・・今度資料を調べて計算してみる。手元にある本で、地球を壊すのに必要なのは・・・地球を壊すのに必要な隕石の大きさが直径210km、アリゾナのクレーターが直径40m質量30万tだから、その質量は3×10の8乗kgに直径の商52500の三乗約1.4×10の17乗を掛けて約4×10の25乗kg、速度は秒速10kmくらいということで運動エネルギーは約2×10の33乗kgmm/ss、岩の速度は約6×10の14乗m/s、やはり単純計算では光速を超えるから相対論補正で光速に近い速度となる。計算ミスがあったらごめんなさい。

千兵衛たち、ペンギン村の大人たちの「出たがり」もここではっきりする。


感想

警察の、別の意味でのチームワークが実に面白い。

いつのまにか忘れられていく、というよりこの騒動の中心でさえない強盗が妙にかわいそう。


登場人物

レギュラー;則巻千兵衛、アラレ、ガッちゃん、空豆クリキントン、ピースケ、木緑あかね、ペンギン村警察(署長、ガラ、パゴス、婦警(単行本7のおまけページのクイズで名前「ポリー・バケッツ」が出ているが、本編中は名前がどこにも出ていない。「ギャオス署長」も同様)、「スターウオーズ」帝国軍兵士ヘルメット)、お春ばあさん、暗悪健太(スッパマンの人間としての名前。PCBテレビのレポーター。「スーパーマン」の人間名、クラーク・ケントのもじりと思われる)&カメラ(頭部がカメラ。腕に「PCB」の腕章)、キツネ面

ゲスト;銀行強盗、(野次馬に混じって)大番長

無名;セミのコスプレをしているブタ、ヤシガニ、ウルトラマン、ウルトラセブン、牛農夫、弁当売り、老人と孫娘、河童、キツネなど諸野次馬

登場メカ;ボクシングシステム(レバー二つ、ボタン二つで二つの選手;高さ15cmくらいの二頭身の、頭にアンテナのついたロボットをコントロールして試合を楽しむ。ちゃんとレフリー兼実況もいる。同様の大きさで縞シャツに蝶ネクタイ。頭部がゴング。右手にハンマー、左手にマイクを持っている。選手ロボットには実際に感覚があるらしく、ちゃんと男の急所もついているし、そこを蹴られるとうずくまる。)、M1911(強盗)、イングラムM10(婦警)、リボルバー(パゴス)、パチンコ(帝国軍兵士ヘルメット警官)、ハエたたき(ガラ)、拡声器(ヘルメットにメガホンつきスピーカーがついており、マイクにつながっている。署長が使用)、岩

イチゴパンツ大作戦の巻


扉の図案

Part1;ルノーのクラシック車(情報求む)に乗って、「N」のロゴの入った野球帽をかぶって舌を出しているアラレ、千兵衛、ガッちゃん。

Part2;集団で走っている。前からアラレ、千兵衛、ドンベ、ネズミ、「Part2」と書かれた立て札を持った作者鳥バージョン、飛んでいるガッちゃん、あかね、ピースケ、タロウ、みどり、警察の面々、ツルベー、その頭に乗っているブタ、頭が機械のライオンのようなキャラ、ウルトラマン、女の子、怪獣、ダース=ベイダー、C-3PO、R2-D2、象、バルタン星人・・・・・・。


あらすじ

Part1;トビトカゲの自己紹介、と思ったらアラレが飛んでいる!と思ったら動物にお駄賃をあげて、スケボーに腹ばいになって引っ張ってもらっただけ。

帰ってきたアラレがガッちゃんに歌・・・「みっちゃんみちみちウンコたーれてーかみーーがないのーでてでふいてーもったいないからなめちゃった!!」その歌を教えたのは、山吹先生と聞いた千兵衛は白々しくベートーベン作曲かな?と。そして突然アラレが「センセのパンツはイチゴのパンツ!」と叫ぶ。体育の着替えの際に見た、と言う言葉にうらやましい、わしも見たいと駄々をこねる千兵衛。

だが、どうすれば見られるのだろうか・・・と悩む千兵衛は、ついに素晴らしいプロジェクトを思い付いた。アラレの動物使いの能力を用いて必要な動物を集め、とりあえず自分で実験(セーラー服姿に・・・変態呼ばわりされつつ)、見事にブタのくしゃみがスカートをめくる。

だが、無情にもその日、みどり先生はズボン・・・。

Part2;懲りずにお駄賃を増額し、計画を続ける千兵衛。今日こそはみどり先生はスカートで、ゴジラパンツとのこと。でも千兵衛はパンツの模様などなんでもよい。

そしてついに計画がスタート!タイミングを合わせて負けず嫌いのネズミを走らせる、石につまずいてこける、悔しいので近くのロープを食いちぎり、そのロープで止めてあった棒の弾力で卵が割れてヒヨコが生まれ、そこにいるミミズを見て追いかけ、跳んだミミズを嫌いなゾウガメが石を投げ、その石がテープレコーダーのスイッチに当たり、そのテープが蛆を挑発、怒ったウジが蝿になって飛ぶ、それをカエルが見つけて食べる、満腹になったカエルが眠くなってちょうど近くにある布団に寝る、その布団はシーソーになっていて、その布団と逆の側についたローソクがロケット花火を点火、そのロケット花火を見てトンビと勘違いした近眼のコウロギが光線銃を乱射、その一発が木の枝に結び付けた風船の紐を切って風船が浮上、それを見た太陽が喧嘩を売ってかじり、風船が割れてびっくりして冷や汗、その冷や汗が落ちてブタの加えたパイプの中で眠っているスズメを起こし、起きたスズメがはばたいて鼻をくすぐられたブタがくしゃみ!

で、結局・・・着流しに股引ののんきおじっさの裾がまくれ、千兵衛はショックで寝込んだ。めでたしめでたし。


解説

スケボーに腹ばいになって飛ぶふりをする、と言うのは本来スッパマンの得意技だが、元祖はアラレ。恐らく、作者の子供時代に皆でやっていたのだろう。

「みっちゃんみちみち」この曲は当時、猛烈に流行った。アニメでは歌詞を穏やかに「くさをつみ、てにもって、もったいないからたべちゃった」にしていた。とことん下品なくだらないものを、子供たちの深層心理は求めているといういい証明である。

千兵衛の、スケベ・・・特に山吹先生のパンツに対する情熱をあますところなく語った作品。そしてこの落ちは、Dr.スランプの基本姿勢「勧”純”懲”スケベ”」の姿勢を浮き彫りにしている。

この計画の一番おかしい点は、確かに因果関係はつながっているが、そのほとんど全てが確実ではない。ネズミの走るコースに石を置いていても、つまずいてこける確率はごく低い。いくら産まれそうでも地面に叩き付けられて割れたらヒヨコが無事な保証はないし、投げた小石がテープレコーダーの再生スイッチを押す確率など天文学的。もちろん光線銃の流れ弾が風船の糸を切る確率など想像するのもばからしいし、さらに太陽の冷や汗がスズメに当たるタイミングなど考えるのも恐ろしい。ましてそれを、タイミングを合わせるなど不可能である。


感想

とにかく千兵衛の暴走がおかしい。単純に扇風機を埋めるか、ちょっと風が吹く程度で怪我をしないように弱めた地雷を埋めておけばいいと思うが・・・それ以前に、パンツを見たければ犯罪だが盗撮するとか、正当な手段としてはきちんと口説けばいいと思う。第一、肝心なのはパンツではなく中身だが、少年誌・・・の年代ではしばしばそれが忘れられてしまう。

アラレの「動物使い」の特技は見ていて楽しい。考えてみると、これがアラレとわぴこの原作における最大の共通点かも。

「みっちゃんみちみち」の歌に、当時何万人の「みっちゃん」が地獄を見たことか・・・。そういえば、この歌はDr.スランプがオリジナルなのだろうか?曲はアニメから?情報求む。

「大作戦」が結局、蝿と恐らくはミミズを犠牲にするのが少し引っかかるが・・・。

清水真澄「チャンスをちょうだい!」にもゴジラパンツが出てくるが、それはこれがもとになっているのだろうか。


登場人物

レギュラー;則巻千兵衛、アラレ、ガッちゃん、山吹みどり

ゲスト;トビトカゲ、のんきおじっさ(カバのような顔、いつも洟を垂らしている農夫。麦藁帽子に鍬、大半の歯が抜けた口をだらしなく開いたぼーっとした表情で知られる。「カール」のCMのキャラクターに似ている。どちらが先かは知らない)

無名;カバ、象、ネズミ、ブタ(アラレが飛ぶふりをして帰るのに協力、お駄賃をもらう)、大作戦のメンバー;負けず嫌いのネズミ、もうすぐヒヨコが産まれそうな卵、ミミズ、ゾウガメ(カメの甲羅から象の首と短い手足)、ウジ、空腹のカエル、近眼のコオロギ、太陽、スズメ、ブタ

登場メカ;バーバーマン(Part2の始まりにアナウンスに出てくるだけ)、スケートボード、うちわ、ガッちゃんプールにしている両手のアルミ鍋、定規や三角定規、アラレのかぼちゃパンツ、コンピューター(古い?テープで記録、穴の空いた紙テープで出力)、そろばん、測量機具、電卓、メジャー、スピードガン、望遠鏡、鳥の羽、(大作戦)カセットレコーダー、シーソー、ローソク、風船、カエル用布団、ロケット花火、石、ロープ、コオロギ用光線銃、氷嚢

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