第三巻
皿田きのこ、スッパマン、ニコチャン大王など変なサブキャラクターが続々登場!また、後にどんどん少なくなるアラレ中心の話が多い事でも貴重。
第26話;ドンベ物語の巻
第27話;てけてけチルドレンの巻
第28話;恐怖の婦警さんの巻
第29話;地球SOS!の巻Part1
第30話;地球SOS!の巻Part2
第31話;アラレ大変身の巻
第32話;ハロー 不思議島の巻
第33話;ギャースカ大魔王の巻
第34話;おとぎマシーンの巻
第35話;悪魔の変身スペシャル!!の巻
第36話;恐怖のよいこッコの巻
第37話;英雄スッパマンの巻
第38話;おつかいアラレちゃんの巻
扉の図案
第二次世界大戦中と思われる戦車(国籍、番号などは確信できない。M2重機関銃を積んでいることから連合国と思われるが。後で確認する)が正面を向いて奥にあり、そのハッチから飛行帽のゴーグルをあげたアラレが腕をハッチにかけている。その前で戦闘服に身を固めた千兵衛がくわえタバコで「オレよりハンサムな奴はうつぞ!!」、その横でドンベがわれ関せず、と言った感じでうどんをすすりつつ「そうとうタマがいりますよ軍曹」と突っ込んでいる。戦車の横に「キミは安心だなっ!!」と文字。背景はなく、非常にシンプルな印象。
あらすじ
いたずらキツネのドンベが、アラレをからかおうとしてお化けに変身したらかえって驚かされ、コンクリートの壁に変身したら男の急所を突き破られ、犬扱いされ・・・少し和んでしまい、でもやはり敵意をむき出しに別れようとしたところで罠にかかった。
アラレは即座にドンベを助けてやり、千兵衛に治してもらおうと言うが、両親を人間に殺されているドンベは嫌がる。アラレのアイデアで人間に変身し、治療してもらって去るが、千兵衛はキツネだと見通していた。
解説
人情ものの中でも、もっとも心温まる話の一つ。千兵衛とアラレ、両方の優しさがとても心に残る。
犬あつかいにこだわったり、変身と言って懐中電灯を上に向け、着替えてそのままウルトラマンになりきったりとアラレの性格が特に生き生きと描写されている話の一つでもある。
感想
ただただ心が温かくなる。
登場人物
レギュラー;則巻千兵衛、アラレ、ガッちゃん
ゲスト;ドンベ
無名;サングラスをかけたブタと飛んでいるペンギン、ジュースの自動販売機(普段は古い自販機、しかも80!だが、手があるし入れられたコインが木の葉だと気付いた時、取り出し口を口のようにして葉を吐き出している。その時当然のように見本窓が目のような印象になり、全体が顔となる)
登場メカ;懐中電灯(ウルトラマンに変身する、とアラレが上に向けた)、罠、千兵衛の救急箱や松葉杖
扉の図案
映画ポスター風。警官のコスプレをした、頭身は二等親なのに顔だけ(いつものシリアス顔とも違い、気のいい二枚目半映画俳優と言ったおもむき)リアル、煙草をくわえて微笑んでいる千兵衛。
書き文字がとても多く、上から(小さく)「195円の巨費と3日の歳月をついやし今堂々と完成!!」、その下に一種のタイトルとして薄く太字で「ドクター・スランプ」、さらに画面中心あたり、千兵衛の下に「SLUMP」と薄字、千兵衛の左肩あたりに則巻アラレ、ガッちゃん、皿田きのこ、空豆タロウ、則巻千兵衛とキャスト風に。さらに下、千兵衛の肘の下に「モノクローム セルフサービスサウンド 監督/製作/脚本 鳥山明 アシスタント <近未来の大型監督> ひすわし」と。また、余白にポスターとしての書き文字とは無関係に、「てけてけチルドレンの巻」とタイトル。
千兵衛のコスプレは・・・帽子正面に舌を出したアラレのワッペン。制服から国籍、時代を確定(情報求む!)することはできないが、ベルト右側にはリヴォルヴァーが皮ホルスターで装着されている。左腰には警棒、材質不明。シャツの前のボタンを上からいくつか外しており、Tシャツが見えて少々だらしない。両上腕部のワッペンには「SLUMP」のロゴ。
あらすじ
幼稚園ギャル、皿田きのこが砂場で遊んでいると、モグラゴッコをしていたアラレとガッちゃんが突然出てきた。
きのこは何とか主導権を握ろうと威張るが、結局人間じゃない二人に何度もちびってしまう。
そして通りかかったタロさもくわえ、皆でままごと・・・でも土を食べるのが嫌(アラレやガッちゃんは平気で食べている)なタロウの提案でかくれんぼに。が、いつのまにかかくれんぼを忘れ、きのこの家でアラレとガッちゃんがナウいギャルに変身!といってもそのナウさは、派手を通り越してもはや化け物の域・・・。アラレは縁に星などのラメがついた太いメガネにつけまつげ、ごてっと塗りたくった口紅、髪は強くパーマにして球形にまとめ、そこら中に無数のリボン。服は星のついたぞろっとしたワンピース、サンダルと小さ目のハンドバック。ガッちゃんは髪をストレートにし、またごってり口紅を塗って触覚にも縞のリボン!服はアラレとおそろいかワンピースだが、「NOW」と大きなロゴ。説明だけではまともに思える、現物を見ないとこのグロテスクさは分からない!
解説
「ナウいギャル」「イモね」もう今は死語だが、当時はその刈り上げカットともども流行の先端を突っ走る存在だった。そして、その流行だけを追いかけていきる生き方を巧みに風刺しているようにも取れる。
めったに見られないあかねのセーラー服姿もチェックポイント。
ガッちゃんの触覚からビームも今回が初披露。
アラレがブラジャーを「へんなメガネ」、口紅を「へんなクレヨン」と言っていることから、彼女がいかに女性のおしゃれに無知かはっきり分かる。
感想
とにかく楽しい。徹底的にギャルぶって、なんだか威張っているきのこちゃんの性格と口調が面白い。
また、「流行を追いかける生き方はくだらない」という、僕の人格に深く食い込んだ観念は恐らくこの話が原因。
登場人物
レギュラー;則巻千兵衛、アラレ、ガッちゃん、木緑あかね、空豆タロウ
ゲスト;皿田きのこ
無名;ヘリコブタ(飛行帽を始め古いパイロットファッションに身を固め、サングラスになっているゴーグルをつけてタケコプターのようなもので飛んでいるブタ)、カンス(蚊、A型好き)、頭部がブタで体が芋虫の変な生き物、ブタに蝶の触覚とかげろうのような羽根がついて飛んでいるもの、バットマン(商標上いじられ、デフォルメ)、ブタコウモリ(ブタの体にコウモリの翼、長靴)、眼鏡をかけたフクロウ、物陰でいちゃついているフランケンシュタインと魔女(?)
登場メカ;きのこがひっぱっているラジカセ(スピーカーが口と擬人化)、バケツと移植ごてのセット、かいかい薬(蚊が持ち歩いている薬で、バケツからハケのようなもので刷った所に塗る。かゆくなる)蚊取り線香、アラレがしているライト付きヘルメット、ハーレーダビットソンのバイク、おままごと用食器セット
扉の図案
背景は飛び交う小さな、幾何学的に単純化された亀で、大きくワッペン風にデザインされた円。縁には上に星、下には「ARALE(ハートマーク)NORIMAKI」。やや斜めに、画面から飛び出すような飛行帽のアラレ。かなり太い線で、口を縦に大きく開けて挑戦の意を表現している。
下に太字でタイトル。
あらすじ
千兵衛が恐るべき冤罪の疑獄に巻き込まれた。買い物帰りに、婦警さんが千兵衛を強引に呼びとめ、三輪車に関する駐車違反の罪で咎めたのだ。
身に覚えがないと言い張る千兵衛だが、脚の長さが証拠と言われ、また「カオがわいせつ罪」、そして怒ってつかみかかったら婦女暴行罪を言い立ててくる。無視して帰ろうとすると、機関銃を突きつけられて・・・やむなく罪を認めた千兵衛だが、そこに本当の三輪車の持ち主。だが、婦警は何も言わせず大声を上げ、千兵衛を脅かしてごまかした。
立腹した千兵衛は透明人間になる薬を作り、復讐に出るがパンツを脱ぐのをためらったがゆえ、アラレたちに石を投げられ、にっくき婦警を見つけて顔にマジックでバカと書こう、と構え走り寄ったが信号無視で車にはねられ・・・ミイラ男に。
解説
警察の人権感覚の無さを風刺したのだろうか?Dr.スランプには常に、警察を馬鹿にする姿勢が見られる。その中でも特に暴力的な彼女を描いた、なんだかリアルな、それでいて不思議と不快感のない作品。
千兵衛がとことんひどい目にあう話でもあり、ある意味アラレたちが一種の悪役として・・・その無邪気な暴力を使ってしまう、良識の無さも出ている。
また、千兵衛の自分を超絶美形、との妄想が序盤のひとり言ではっきり示されている。
透明人間になる薬の・・・目に色素が無くなると目が見えなくなることを始めとする矛盾については言い尽くされているのでここではのべまい。細かくは「空想科学読本」などを。
感想
どうも、話そのものはとても後味の悪い話のはずだが・・・読んでみるとすっきりする自分が怖い。
登場人物
レギュラー;則巻千兵衛、アラレ、ガッちゃん、木緑あかね、空豆ピースケ、ブタ、作者(人間型、あほさを強調すべくだらしない笑顔で洟を垂らし、耳に鉛筆をはさんで「AHO」と書かれたTシャツ)
ゲスト;婦警、皿田きのこ
無名;婦警に駐車違反(歩道駐車)を咎められた宇宙人(服は笑えることにヤマトの制服を思わせる、下向き矢印の胸元。顔は典型的で大きな禿げた頭部、ニコチャンを思わせる触角)、交通事故を報告したホットドッグ自動車屋台のおじさん
登場メカ;自動販売機(APPLE CIDERとある)、婦警の乗っているバイク、その後部に積まれたラジカセ(擬人化、エンジン音を吹き出しでしゃべっている)、きのこの三輪車(仮面ライダーの顔が前面に)、M10イングラム、透明人間になる薬、宇宙人が駐車違反をしたUFO、マジック、ホットドッグの移動屋台と思われるシトロエンのワゴン。
扉の図案
あらすじ
海賊旗を掲げたUFO、中にはニコチャン大王とその家来の二人!侵略のため、地球人のサンプルとしてアラレとガッちゃんを連れてきた。が、恐れを知らぬ二人は変わった姿(等という生易しいものではない)のニコチャンに逆に質問攻めにし、笑い転げる。そして、いつのまにかガッちゃんがその宇宙船を食べてしまい、たった一人のチビすけの手によって地球は救われた・・・。
遭難したニコチャンたちのため、アラレは千兵衛に宇宙船を作ってもらおうと地球に連れて行く。話はすぐまとまり、作っている間コーヒーポットに連れて行くが、そこでもニコチャンはべた芸人と化す。そして受け取った宇宙船は、いつまでたっても飛び立たない・・・ただの車だった。千兵衛は彼らが宇宙人だと気付かなかったのである。
解説
マンガ史に残る奇天烈キャラ、ニコチャンの登場。その姿だけでも度肝を抜かれるが、その上に名古屋弁に馬鹿さかげんと、この話がDr.スランプのとんでもなさを一番よく出しているかも。
ニコチャンについて描写すると、南アメリカ文明の巨大人頭像のような、一重まぶたでたるんだ感じの頭が中心。鼻や耳はない。その下から非常に短い足が二本(その中に耳)、耳に当る部分から、また短い関節が感じられない両腕が出ている。衣服は着ていないが、手袋とブーツをつけている。そして、頭上部は尻になっており、さらに二本触角のように筒状の鼻孔が突き出ている。知能程度は普通の会話はできるが、数学力は非常に低く割り算や掛け算が最新コンピューターでもできない。ニコチャン大王は名古屋弁で会話しているが、家来は標準語。
火星をまるで岩かなにかのように爆発させた・・・どうやったものか。あれだけの巨大質量、どう破壊するにしてもかなりの時間がかかるはずだが。また、ガッちゃんは宇宙空間を羽根でどうやって飛んでいるのか、ニコチャンたちは真空中で窒息しないのか、などというツッコミは基本的に野暮。
ニコチャンと地球人の美的感覚が全く違い、その中で千兵衛がハンサムといわれて落ち込む。
感想
もう、とにかく問答無用に笑う作品。言葉は野暮。ただ見て笑え。
登場人物
レギュラー;則巻千兵衛、アラレ、ガッちゃん、木緑あかね、空豆タロウ、ピースケ
準レギュラー;木緑葵
ゲスト;ニコチャン大王、家来
無名;ウルトラマン(状況ナレーションのみ、遠足姿でヤシの木にしがみついて)、元ネタ不明の空飛ぶヒーロー
登場メカ;ニコチャン宇宙船(非常に古典的なUFO。かなり長い、放物線回転体上の居住部にやや広い皿状のエンジン部?がついている。下には出入り口らしい大きな穴が中央に、その周囲を下向きに五個の半球状ドームが突き出している。皿状部から海賊旗がポールで掲揚されている。居住部には四角い窓と丸窓があり、頂点にぜんまいのネジ、頂点近くのドーム上になった部分に一門の砲門とその反対側に二つの目。その目を通じて、潜望鏡のように外部を観測する。機内は丸部屋が一つあり、タイル張り。灰皿や諸計器、パイプなどが見られ、電球が下がっている。砲の照準器はかなり古い感じの、経緯それぞれを手回しの大きなハンドルで調整する形。威力はかなりあるらしく、火星を一撃で粉砕した。)、車(ライト周辺は恐らくポルシェ911、大きな透明ドームの屋根と後部の二つの突起が特徴、8馬力、前後二人乗り)
扉の図案
幾何学図形の壁紙を背景、キャラは円形の枠から身(バストショット)を乗り出している。前列右からあかね、ピースケ、千兵衛、後列右からタロウ、アラレ、ガッちゃん
あらすじ
夜、オケラが寝ているアラレの大口を穴と間違えてのぞいていると、いきなり舌に絡められて呑まれてしまった。
翌朝、アラレが朝食の支度をし、礼儀正しいお嬢様口調で話しかけて折り目正しいセーラー服で静かに歩いて登校、もうこの時点でみんなパニック!更に学校では勉強までしてしまう!!
夕方になってやっとオケラが吐き出され、戻った。オケラが頭に入ってしまい、普通なら電子回路が来るっておかしくなる所が、アラレは元がおかしかったからまともになってしまったのである。その夜、ペンギン村ではアラレの復活祝いに村祭りが。
夏休み、アラレのあまりの暴れように・・・千兵衛はオケラを探すのであった。
解説
とことんギャップで楽しませた傑作。
ペンギン村ではテストも無いのに勉強していると変態扱いされる、と分かる。
そして、普段のアラレがどれほど村人に愛されているか、元に戻ったのを記念して村祭りをすることに出ている。
感想
猫部ねこ「きんぎょ注意報!」第二十話「わぴこちゃんどうしたの?」で、おとなしくなってため息を吐いているわぴこに、僕は「オケラだ!」と叫んでしまった。
優等生でお嬢様なアラレは、不自然だが不思議な魅力がある。
登場人物
レギュラー;則巻千兵衛、アラレ、ガッちゃん、木緑あかね、空豆タロウ、ピースケ、山吹みどり
準レギュラー;タイムくん、キツネ面、空豆クリキントン、ペンギン村警察、ニコチャン大王と家来
ゲスト;オケラのケラちゃん、怪獣博士、ドンベ、クマ、ブビビンマン、カミナリゴロンボ、銀行強盗
無名;ウルトラマンとウルトラセブンなど(子供の体型、服装)、(擬人化された)ゾウ、ブタ、ネズミ、ちゃんちゃんこを着た子、鉄人二十八号や仮面忍者の子供版、おかっぱ頭の女の子、十円はげの男の子(ペンギン村中学園生徒)、農夫、怪獣(名前忘れた・・・頭部が三日月状の、恐らく刃)
登場メカ;かぼちゃ鉄砲(スイカ鉄砲と同じく、かぼちゃを飛ばす一種の吹き矢)
ワンダーアイランド
扉の図案
見開きの扉で、右のほうは前のページの続きのコマ。?マーク型の島がピンポン号の眼下に見えている。
その横に、かなりシリアスなタッチで驚いた顔の千兵衛。左ページの中ほどに、座ってお澄まししているアラレと、「SLUMP」と書かれたグラスに入っている水に裸でつかっているに座り、スキューバダイビングの装備をつけているガッちゃん。手には銛、その先端にさくらんぼ。
周囲にはヤシの木、ハイピスカスの花があり、雲やピンポン号、虹などがバランスよく配置されている。
あらすじ
千兵衛がアラレ、ガッちゃんを連れて魔の島、不思議島を訪れた。
そのきっかけは物置の古い書物を始末していた時、H本の間にはさまっていたビデオテープ。それは千兵衛の亡父の遺したもので、魔法の惚れ薬、ホーホレチャッタノヨララランラン薬の作り方である。そのレシピの中に、不思議島に住むギャースカ大魔王の涙があったので、それを取りにである。
ギャースカ大魔王の住家を一人の女性に聞くと、血を吸ってきたので救急用インスタント血液をあげて、アッチ池という池に魔法の朝顔の種をまくことに。だが、その一畳もなさそうな池から、なんとドラゴンが出現した!!
解説
不思議島は作者のデビュー作の舞台。
千兵衛の亡父の風貌と、また発明家であったことが明らかになる。
ビデオが「なおこのビデオは自動的に消滅する」と言い、すぐさまビデオごと自爆した・・・これはスパイもののパロディであろうか。
不思議島はペンギン村のあるゲンゴロウ島以上におかしな島で、上からも山やヤシの木が伸びていたり、変な生き物がいっぱいいたりする。
救急用インスタント血液、それが実現すれば確実にノーベル医学賞ものだ。確かにアルブミンのような、応急的に血液の代わりをするようなものもあるが、水を注いだだけで全血になる、というのは不可能だろう。
感想
千兵衛のスケベを知り尽くした上でそこに誘導する父親が、なんとなくしみじみする。
不思議島自体のハチャメチャさも面白いし、テンポもいい。特に吸血鬼が千兵衛に噛みついた時、真似をして吸血鬼のお尻に噛みつくアラレと、さらにそのアラレのお尻に噛みつくガッちゃんが何とも言えずおかしい。
登場人物
レギュラー;則巻千兵衛、アラレ、ガッちゃん、山吹先生(千兵衛の妄想の中)
ゲスト;千兵衛の父(万兵衛、と旧アニメであったが、原作に情報は無し)、吸血鬼、ドラゴン
無名;アクアラングを背負った熱帯魚、木につかまってツクツクホーシと言っているチビ侍、歌う鳥、小さいトリケラトプス、サイチョウらしきくちばしの大きい鳥、女妖精、桃太郎、金太郎、赤ずきんちゃん、モグラ、自分のしっぽに座っている猿、地面から丸い頭だけを出している変なもの、ピーマン(ひげ、サングラス、豹の毛皮製のパンツだけのターザンのような男)
登場メカ;ピンポン号(球形のコクピットがほとんど。円形の大きく前面を向いた窓があり、その下に口がある。頭の上には前を向いたサーチライトがあり、左右に円盤状の支部から腕が出てうちわを振るって飛行する。下には短い二本の脚がある。)、ストーブ(高さ1m弱の円筒形。上にT字型の煙突があり、大きい燃料投入口がそのまま口になっている。また、目と眉毛があって擬人化、手もあって左手に火ばさみを持っている。)、テープ(ベータと思われる。終了後大爆発を起こした)、ビデオくん(擬人化されており、テレビが本体。下には短い一本の脚(デスクトップ機に似ている)があり、その下に円盤型の移動器。画面の下に口があり、その口にテープを呑み込んでセットする。手もあり、上についているボタンを直接自分で操作する)
扉の図案
桃太郎がテーマ。アラレが桃太郎で、左手に望遠鏡を提げ、右手に白扇を開いている。その横に車輪付きの砲。車のようなナンバープレートがついていて、Dr.SLUMPと書いてある。猿が席に座って照準を定め、その横で犬(ビーグルと思われる、擬人化&デフォルメ)が補佐、上で擬人化された雉が、弾丸としてか大きな升(MAMEと書いてある)に山盛りになった豆を準備している。奥に鬼の格好をした、体を少し塗った千兵衛と、アラレの上に同じく鬼の格好をしたガッちゃん。
あらすじ
ドラゴンはアラレが瞬殺で宇宙に放り出し、朝顔の種を蒔いたら瞬時に天まで育ってしまった。
それを登ると雲の上にギャースカ大魔王がおり、アラレがその頬をつねったために涙を。その涙を水筒に受けた千兵衛はさっさと帰ろうとするが、もちろん大魔王は怒り心頭。アラレを頼みにする千兵衛だが、エネルギー切れでもうだめか、と思ったらガッちゃんの触角からビームが炸裂!
なんとかペンギン村に戻り、涙に自分の鼻くそを混ぜてホーホレチャッタノヨララランラン薬の完成!早速山吹先生を呼び出す千兵衛だが、その隙にアラレがあかねたちにもおしえてあげよ、と持っていったら転んで木の根にかけてしまった。アラレはそのコップに水を入れてごまかし、やってきた山吹先生に千兵衛はそれを勧めて・・・後ろから千兵衛に惚れた木がやってきた。
解説
宇宙に投げ飛ばされた竜が、中日ドラゴンズのユニフォームを着て来年こそは、ということから恐らく作者は中日ファンと分かる。
天まで一瞬で伸びる朝顔は、「ジャックと豆の木」などのパロディだろうがとても勢いのいい表現で大胆だった。
ギャースカ大魔王の風貌は、後にドラゴンボールで登場する牛魔王を彷彿とさせる。
純真無垢なアラレだが、時には自分の失敗を隠蔽することもあるのが意外。
感想
収拾不能ラストがとても面白い。アクションシーンの迫力もとてもよかった。
登場人物
レギュラー;則巻千兵衛、アラレ、ガッちゃん、山吹先生
ゲスト;ドラゴン、ギャースカ大魔王(身長4mほどの巨漢で、牛のような角と鼻輪をしている。顔の周りと鼻の下に濃いひげ、短い革のパンツにマントをして他は裸。木の棍棒を持っていて、とても怒りっぽい)
無名;話の進行で「つづきだ」「つづきだ」「わっしょい」「わっしょい」と浴衣姿で踊っている4匹の擬人化されたビーグル犬、海にいるマンボウ、クラゲ、人魚らしい金髪女、金魚すくいのわくを持った金魚、バルタン星人の頭部にカニの脚とハサミ代わりにバルタン星人の腕がついたもの、鯉のぼり、小さな家を背負ったヤドカリ、木
登場メカ;ピンポン号、電話(いつもの壁にかかっているものではなく、かなり古いもので円盤型のスタンドマイクとちょうどいと電話のような耳に当てるマイクがコードでつながっている)、ゾウ型の外水道蛇口
扉の図案
企画、「タイムくんの時間観光案内 その1」。枠の外でタイムくんが「10年前のワルガキどもでございまーす」と、アラレやガッちゃんに紹介している。1970と書かれており、「はかせ18さい山吹先生13さいピースケ3さいあかね3さいタロウ5さい」と、それぞれに矢印で指示。前列右からよだれかけをしてプラスチック製の移植ごてを持ったピースケ、レインコートに傘を杖のようにつき、不適な表情で左手をポケットに入れている、髪を左右に分けて結んでいるあかね、頬に少し傷をつけ、ジャンパーの前を開けて(子供なのに)煙草を吸っているタロウ、後列右が変わらずぼさぼさ頭だが、かなり若い感じの千兵衛、左が短パンにTシャツ、前が開くセーターを前を開け、スニーカーをはいて髪を右側にまとめた、元気そうな感じのみどり。
あらすじ
千兵衛が発明をしている時、アラレとガッちゃんがプロレスゴッコを始めた。泣き出した千兵衛を慰めるため、アラレはピロリンキャンディーを差し出す。
そして完成したのはおとぎマシーン・・・本の中に入れる機械。千兵衛が入ろうとしたのは、やはりH本!?間違えた、と千兵衛が飛び出した隙に、アラレとガッちゃんは桃太郎の中に。
そして、桃太郎・・・出発した桃太郎は妙に三輪車のペダルが重い、と思ったら後にアラレとガッちゃんの乗った乳母車が。つれてって、と言う二人を断ったが、きび団子をガッちゃんに食べられたせいで犬、猿、雉を仲間にできず、一人で・・・と思ってもアラレたちはついてくる。
鬼が島では小さな鬼たちとアラレたちが鬼ごっこ。呆然としている桃太郎を、一人の鬼の子供がタッチ・・・
世界地図を持った千兵衛が戻ってくる気配に、おとぎマシーンが皆を本から出すと、桃太郎たちまで出てきて桃太郎が千兵衛にタッチ。桃太郎はちっとも帰ってきませんでした、とさ。
解説
とてもDr.スランプらしい作品。千兵衛の発明、それを遊んで邪魔するアラレたち、そしてその発明をアラレが動かしたことで収拾不能なパニック・・・一番典型的なモチーフが全て入っている。
重要ツールの一つ、ピロリンキャンディーが登場したことも見逃せない。
感想
あったらとても便利な道具だと思うが、辞書や数学書のように抽象的な内容しかない本にはどう入るのだろうか。僕自身が入ってみたい本は、やはりDr.スランプそのものだ。他にも・・・入ってみたい本は無数にある。
ホンモノマシーンの時もそうだが、H写真集に入ったとしても・・・よほど世慣れていない限りかえって厄介では?
それにしても、もしアラレたちを聖書に入れたら・・・どんなことになっただろう。想像しただけで笑える。
これは深読みかもしれないが、楽しくアラレたちと遊ぶ鬼を見ていると・・・桃太郎という話そのものが、このような牧歌的な生活を送っていた人々を無理に征服して秩序に組み込んだ話、と言う解説を思い出して少し哀しい。
登場人物
レギュラー;則巻千兵衛、アラレ、ガッちゃん
ゲスト;桃太郎
無名;おじいさん、おばあさん、犬、猿、雉、ガメラの赤ちゃん(アラレたちが鬼が島に渡る時乗り物にした)、鬼(小さな子供たちばかりで、とても明るい)
登場メカ;おとぎマシーン(本に人を入れる機械。球形の本体が顔を模していてシルクハットをかけ、分厚い黒ぶち眼鏡をしている。下には一本足の支柱、その下に体を支えて移動もする円盤。横から手が伸びて傘を持っており、その傘がおとぎ光線発生器。その光線を浴びると、人の体がどんどん縮みながら後にある本の中に収束する。本からはおとぎマシーンの命令で出すことができる)、ピロリンキャンディー(渦巻きの入った円盤型のキャンディーに棒がついている)
扉の図案
タイムくんの時間観光案内その2。タイムくんが枠の外で、読者に「今回は5年後のペンギン村をのぞいてみました」と説明している。1985年で、はかせ33さい、山吹先生28さい、タロウ20さい、ピースケ、アラレ、あかね18さい、ガッちゃん5さい。
前列右からピースケ、ブレザーに短パン、革靴だが背は全く伸びていない。アラレも成長しておらず、もちろん現実の数年後のように縮んでもいない。毛糸のポケットのついたカーディガンにチェックのスカート、ネクタイをしている。あかねはくわえタバコ、少し大人っぽい印象。ダウンジャケットにセーター、下はジーンズにブーツ。左足を立て膝、右足をあぐらのように座っている。頭にガッちゃんを乗せている。ガッちゃんは髪の生え際が少し変わり、成長したような感じ。
後列右から保安官マークのついた皮ジャンを着たタロウ、髪がすっきりして毛糸の帽子をかぶり、眼鏡をかけた千兵衛、そして千兵衛に肩を抱かれ、人妻風の落ち着きがある、髪を少し短くしてセーターを着ているみどり。
あらすじ
作者の描き分けの甘さを突き、あかねが山吹先生に変装して千兵衛をからかうことに。
山吹先生を装って千兵衛を訪ねたあかねはビールを飲みたい、と言って鯨飲、ついでにアラレも呑む。ガメラになったり飛んだりと、酔ったアラレの要求を山吹先生を装ったあかねが煽って実行させ、笑い転げる。
風船を入れたオッパイが割れたのをすぐ直るとごまかしたり、馬鹿にして口を指で開き、舌を出すポーズを挨拶とごまかしたりしてあかねとアラレは笑い転げる。そして、千兵衛は今度はホンモノの山吹先生と会い、舌を出す挨拶をしたり本当にオッパイが直った、と触ってみて・・・殴られた千兵衛はやっと真相を悟り、あかねとアラレを追いまわすのであった。
解説
扉から、千兵衛とみどりが将来結婚することが暗示され、以前も予告されているがタロウが警官になることもはっきりする。また、ガッちゃんが成長している、ということが「成長せず分裂する天使」の設定が非常に後になって思い付いたこと、と示している。
千兵衛の特技、シリアスタッチが三分しか持たない、と判明。
初版はともかく、著作権が厳しくなってからは怪獣やウルトラマンの使用をごまかしていたが、今回はガメラが話の中心だけにどうしようもなかったらしく、(C)マークを明示している。
千兵衛が山吹先生にエッチなことをして殴られる、というのも前半の重要なパターン。その勧「純粋」懲「スケベ」はDr.スランプに終始流れる法則で、そのせいで僕は思春期初期、過剰な抑圧を自分に押し付けてしまってかなり大変な思いをした。
感想
千兵衛の間抜けぶりにとことん笑った。また、山吹先生に変装したアラレとガッちゃんにも大笑い。
登場人物
レギュラー;則巻千兵衛、アラレ、ガッちゃん、木緑あかね、山吹先生
準レギュラー;園長
無名;太陽、木にセミのようにとまっているトリケラトプス、ゴジラ、
登場メカ;車(ミニクーパーのオープンカー仕様と思われる)
扉の図案
バスケのユニフォームを、あえて短パンに入れる形で着ているアラレと千兵衛、ガッちゃん。
ガッちゃんはGと書かれた野球のヘルメットをかぶり、手に長いバスケのリングのような網のついた、虫捕り網のようなものを持っている。
アラレはアメフトのようなヘルメット、小脇に「BOME」と書かれた爆弾を抱えている。ユニフォームの番号は13番。
千兵衛は小脇にバスケットボールを抱え、呆れた表情でアラレを見ている。ユニフォーム番号は28番。
あらすじ
ひさびさの授業、「村のよいこたち」の時間・・・「どうぶつをかわいがりましょう」「おとしものはけいさつにとどけましょう」に元気よくはーい、と答えたアラレが、山吹先生の落とした教科書をそのまま警察に持っていった。
警察は恐れおののいてよいこ、と誉めてしまい、調子に乗ったアラレはあちこちで怪力任せにアリをなでて潰したり、三輪車から落ちたきのこ・・・を皮切りにウンチ、そして村の全てを警察に持っていったり、ティラノサウルスの頭を押さえつけてなでたりと村中大混乱。
解説
アラレの素直さでいいつけを守ると、かえって災難を呼び起こしてしまう・・・規則遵守に対する諷刺だろうか?また、民話にも過剰に言いつけを守ってトラブルになるモチーフが見られる。
今回、きのこはいつものラジカセではなく、ヘッドホン付きウオークマンを持っている。
感想
僕自身、規則を杓子定規に守ろうとしすぎてとんでもないことになることが多いので、身につまされる話・・・の割に、これから余り学んでいるとは言えない。
山吹先生の、大正風の縦縞和装がなんだかいい。
登場人物
レギュラー;則巻千兵衛、アラレ、ガッちゃん、山吹先生、木緑あかね、ピースケ
準レギュラー;園長、作者(人間型、鼻に煙草をさして馬鹿さを強調)、キツネ面、警察メンバー、皿田きのこ、ウンチ
無名;(生徒)ウルトラマン、ウルトラセブン、仮面ライダー、ゾウ、坊主頭、おかっぱ、十円はげなど、アリ、動物園係員、家の住民、元パイロットの老運転手、山、太陽
登場メカ;きのこの三輪車、アラレがウンチを運んだ木の車など?
扉の図案
かなり有名なイラストの一つ。カンガルーのように二足歩行をする、耳がとても大きい犬にアラレが乗って冒険をしている。
犬はサンダルを履き、ハーネスをつけておち、背中に恐らくリュックを背負ってそこから傘が見えている。また、口には馬のような装具をつけており、アラレは犬の頭に乗って手綱を握っている。さらにアラレの背中のほうには、木で組んだ棚のようなものがあり、そこには枠に巻かれた毛布、ちょっとした機械、通信機があり、アンテナが長く伸びて三角形の旗が垂れている。また、枠からはバケツと水筒が下がっている。
犬は優しい目で目の前にいる、カタツムリの殻を担いだ飛べない鳥のような、それでいて目がカタツムリのように突き出ている生き物を見ている。
アラレはかなり頑丈な耳覆いつきのヘルメットにサングラス、ダウンジャケットに黒のTシャツ、短パン姿。犬の視線ともカメラ目線とも進行方向とも違う、やや上のほうを見ている。
足元の草がとても簡潔なタッチだがリアル。
あらすじ
スッパマンの紹介と、そのあほぶり。目立たない服装に変装し、喫茶店でジュースをすすっていると千兵衛たちがスッパマンの噂をし、馬鹿にされたのに腹を立ててタロウのコップにゴキブリを入れて立ち去った。
そして銀行強盗が入るのを目撃、変身しようと電話ボックスに急行するが、あかねが先客・・・毛虫を使って追い出し、変身して子供のスケボーを奪い、銀行に行く・・・が、銃を持っている強盗にあえなく降参、手伝って見送る。銀行オーナーの罵声を浴びたスッパマンは、その報復にダイナマイトを店に放り込む。
そして公園で休息中のスッパマンをアラレとガッちゃんが見つけ、顔でお絵描きを始める。腹を立ててびびらせようと瓦割りをするが、アラレは地球割りを見せた。そしてそろばん、給食の早食いと対抗するがことごとく敗れ、勇気の人さし指・・・ウンチにタッチを行うが、それこそアラレにとっては得意中の得意。
スッパマンは最後にジャンケン、ついに勝利!
解説
今まであまり目立たなかったスッパマンが前面に出る。とにかく強烈なアホぶりに、素直に笑える。
アラレの特技、地球割りが初登場した。もちろん、現実の地球は生卵より殻が薄い、ほとんどが液体だから岩のようにパカッと割れることはありえないが。岩と仮定して必要な力は計算するだけばかばかしい。
給食ファイト、というのは小中学生がよくやる競争の一つ。大食い早食いは古来、単純で神聖な男の力比べの一つである。
勇気の人さし指も、確かに今の僕には難しい。小学生でもできる者は学校に一人いるかどうか・・・。
感想
スッパマンの邪悪で姑息な行動に、なんとなくにやりとしてしまう。ある意味、人間の本音の一つなのだろう。
毛虫を舌に乗せたり、ゴキブリを紙に包んで持ち歩いたり・・・常人の神経ではやはりできないだろう。瓦三枚割りは地球割りに比べるとたいしたことない様に見えるが、普通の人には難しい。僕も試したことはないが、何とかできるかどうかだろう。
始めに、当然のように年代の違うタロウと喫茶店でだべっている千兵衛が・・・違和感が無いのに違和感を感じる。アラレができる前、千兵衛はコーヒーポットで葵をからかったり、タロウやピースケ、あかねとしゃべったりしていたのだろうか。
登場人物
レギュラー;則巻千兵衛、アラレ、ガッちゃん、空豆タロウ、ピースケ、木緑あかね
準レギュラー;木緑葵
ゲスト;スッパマン、銀行強盗(ダチョウに乗り、バンダナで顔の下を隠し、サングラスをしてテンガロンハット、靴には拍車をつけて膝には革の膝あて)
無名;ブタ、スクーターに乗った女、サングラスをかけたペンギン、銀行のマスター(擬人化されたペリカンで、眼鏡をかけてバイザーをかぶっている)、スケボーに乗った子供、ピグモン
登場メカ;ゴキブリの死体、毛虫、電話ボックス(更衣室代わり)、スケボー(スッパマンがスケボーの上に腹ばいになり、そのまま転がすと空を飛んでいるようにも思える)、リヴォルヴァー(コルトピースメーカー?シングルアクションで、初弾を撃つのに左手でハンマーを上げている。もちろん、普通のダブルアクションをカッコつけているとも考えられる)、ダイナマイト(導火線付きの筒状)、瓦、
扉の図案
アラレがガッちゃんの運転する、ゼンマイ仕掛けの高所作業車に乗り、マジックで幼稚園児のような扉絵を描いている。上にタイトル、一番下にとりやまあきら・・・「り」は一度「ろ」と間違え、バツをつけて上に「り」と書いている。
上のほうに右からウルトラマン(名前は書く途中)、ガッちゃん(「がちゃん」と矢印で)、千兵衛(はかせ)、ウルトラマンの下にうんち、下の段が右からピースケ(ぴすけくん)、タロウ(たろさ)、あかね(あかねちん)。
あらすじ
ライターを発明した千兵衛は空腹である。でもラーメンが無い。で、アラレに買いに行かせた。
どこに行けば売っているか知らないアラレは、二日酔いで寝ているあかねに聞きに行った。着替えるあかねがブラジャーをつけるのを見たアラレは、ぶらじゃぶらじゃと叫びながら飛び出した。
煙草屋にはない。汲み取りをしているニコチャン大王は、返事が遅いので無視。
クリキントンにアラレは猫、ガッちゃんはネズミの着ぐるみに合わせてひげを描いてもらい、ついでにタロウの居場所を教えてもらう。そしてタロウの案内でランファンショップに行き、無事にブラジャーを購入したアラレが商店街で大声「おーいタロさ〜〜〜っぶらじゃ あったよ〜〜〜〜〜〜〜っ!!!」大恥をかいて泣くタロウ。
そして空腹を抱え、待ち焦がれた千兵衛の元にやっとアラレが帰ってきて・・・「ぶらじゃ!!」
解説
アラレの天真爛漫さが引き起こすトラブルを巧みに描いている。天真爛漫な分、アラレにはとても変わった形で大人の女性に憧れる心理があり、それがいつも「おっぱいが大きくなる」ことを望んでいるや、今回のように13歳にもなった女の子がみんなブラジャーをつけると言われると自分も欲しくなることに出てくる。
アラレとガッちゃんが一番好む服の一つ、猫とネズミの着ぐるみがとても可愛い。アラレは頭に猫耳のついた頭巾をかぶり、服は蝶ネクタイをつけてサスペンダー付きのしっぽつき短パン。
地球に取り残されたニコチャン大王とその家来が色々なバイトで宇宙船を買おうとすることが示される。また、ニコチャンにとってブラジャーは目隠しであることも判明。
お春ばあさんが煙草屋をしていることもわかる。
そしてタロウと千兵衛の受難で読者を笑わせる結果になる。また、普段慎むべき言葉である「ブラジャー」を大声で連呼したり、玄関先で胸をはだけて千兵衛にブラジャーを自慢する(もちろんアラレには大きすぎ、乳首が見えている)ことが、アラレのタブーを無視する力を表現していると思われる。
感想
昔の僕には少し恥ずかしく、ほとんど読み返していない唯一の作品。
あのライターは金と暇を持て余している人間には売れるのでは?
登場人物
レギュラー;則巻千兵衛、アラレ、ガッちゃん、木緑あかね、空豆タロウ、ピースケ
準レギュラー;空豆クリキントン、お春ばあさん、ニコチャン大王&家来、スッパマン
無名;カラス、ランジェリーショップの店員、覆面のようなものをつけた主婦、女学生、パンダ、子供、ウルトラマン
登場メカ;ライター(ゼンマイとボタン、コイン投入口のついた10cmくらいの立方体の箱。ぜんまいを巻いて百円を入れ、ボタンを押すと蓋が開き、中から蝶ネクタイにサスペンダー付きズボンをした、かなり上品な執事といった感じの小さなロボットがマッチを持って出て、マッチを擦ってタバコに火をつける)