パターン分類11-4

んちゃ、講義を始めます。出席カードを回してください。

今回はキャラクターの続きと言う事で、容姿をより深く検討していきます。

女子の体格以外の容姿を構成する要因には髪型、髪の色、髪の質、眼鏡の有無、派手な顔か地味な顔か、目の形、顔の細さ、歯列矯正器具を入れているか、化粧の有無、特徴的な黒子などの有無、何らかの傷痕の有無、装身具、ファッションなどがあります。

女子の髪型はとても多様です。ただし、校則が厳しい学校ではかなりの制限を受けます。実質的にリボンやバレッタのような身を飾るものが使えない校則や、長い髪自体が禁止、また長い場合には三つ編み(三つ編みに眼鏡は優等生の典型で、それを外すと美女と言う変身もパターンです)などうるさくない形に限定する、その他様々な制限があります。まず長いと短い、そしてパーマとストレートに分かれます。細かい事は専門外なのですが、長髪でストレートなら何もいじらないでダウン、そしてそれを小さな三つ編み、ねじり巻き、バレッタ、カチューシャなどで飾ったもの、ポニーテールとそれ自体の多彩なリボンによるバリエーション、左右に分けたポニーテール、ポニーテールをさらに編み上げたりカールさせたりしたもの、それを一つのおだんごにまとめたシニョン、外見が後ろ一本になる表編み込みやツイストで後ろ、それを肩方向に流しているもの(上品な感じになります)、三つ編み左右二本のおさげ、左右を共におだんごから出したり輪にしたり、または多数の細かい三つ編み、それらの先端リボンのバリエーション、上に結い上げたアップスタイルなどがあります。長髪で、肩にかからない程度の長さならあごぐらいの高さでボブカットや長めのマッシュルーム、そして上の髪型の大半。極端なケースですが、左右に分けて縦ロールをしている場合にはそれだけで高慢かつわがまま、世間知らずなお嬢様でたいてい意地悪役とキャラクター付ける事ができます。

パーマですが、それ自体が高校までではある程度特異です。天然と人工に分かれ、天然の場合にはそれを信じずに修正を強制する教師との争いが学校に対する反発の象徴、そしてよく使われる出会いや嫌いな奴に優しくされて恋愛感情が生まれ、顕在化するきっかけなどになります。人工のパーマが許される学校はかなり自由度が高く、普通は許されません。

ショートヘアは小学校までならマッシュルームカット、ショートボブ、少しカールをつけたもの、ピン、カチューシャ、バレッタなどヘアアクセサリーを使ったアレンジなどがあります。ロングヘアからショートに切るのが失恋の印なのは昔からのお約束ですね。

特別な髪型として和風の髪型があります。これをするのは舞妓など伝統芸能に従事しているケースや結婚式での文金高島田などだけで、実際にはに中学生までの女子がする機会はほとんどありませんが、少女マンガの特別ケースで結婚式をしたりその妄想をしたりすることはあります。

髪の色は日本人の場合上述のように黒が標準で、それに色素が薄い茶で、それが老齢もしくは特異体質の白髪まで色が薄くなっていきます。外国人の場合には白人の金髪、シルバーブロンド、プラチナブロンドなどが代表的です。また染めることで緑、赤、青、等の極端な色も出せますし、また上述の自然な色も染色で出している場合もあります。純粋な黒は一般的すぎて、外見を気にする、それも都会的なものに憧れる女子にとってはマイナスと思われます。それで染めたり脱色しようとすることも多いです。染色や脱色が飛行の象徴として、ギャグも含めて扱われることも多いです。天然で金髪や白髪など、極端な髪の色の場合にはどうしても天然と信じてもらえず、抑圧的な教師の目の敵になるのは仕方ありません。天然パーマと同じです。白黒を基調にしている少女マンガの上では黒をベタ、少し金がかった感じや濃い茶ををつやベタ、極端な色等をスクリーントーン、そして茶のように薄めの色を白で表現しています。

眼鏡の有無も重要です。日本人のかなり多くは近眼ですが、少女マンガでは日常眼鏡をかけたキャラクターはあまりいません。優等生の象徴として眼鏡をかけている場合も多いですが、彼らも普段はコンタクトで生活しています。また、言うまでもありませんが眼鏡で顔が隠れている場合、眼鏡を取ったら美形、となることが圧倒的に多いです。詳しくは下、男子のところで。

普通女子はサングラスを着用しません。あるとすれば大学生以上の大人がリゾートで着用する、変装用または極端に大人の世界に順応している高校生以上か都会的で金持ち、暴力とさほど関係がなく、高い知性があって大人っぽく、気持ち街の裏まで入ってしまっているようなタイプの不良(不良の分類もより精密にした方がいいでしょう。次回、ファッションとあわせて詳説します。)です。

顔立ちそのものが派手か地味か、というのも単純ではありませんが、なにかしら分るものです。無論髪型、髪の色(二人組では髪が黒い方が地味で疑似姉妹関係では妹、ベタがないほうが派手で姉、ということが圧倒的に多いです)、技巧的な飾りなどで何と無く分るものです。無論それは性格と直結しています。体格との相関関係もあり、昔なら派手な顔立ちの美女はほっそりして長身、地味な顔の目立たない子は幼児体型で、現在なら派手なタイプは背も高くてグラマーとなります。

目の形はそれこそ作家の絵柄ですが、大きく分けて描き分けとしてつり目とたれ目、そして縦長と横長の組合わせで表現します。大体つり目は昔なら意地悪役で今でも気が強い娘、たれ目は逆に気が弱くてお人好しといった感じが出ますが、全て表現力次第です。

顔の細さもかなり重要で、それで線が細い感じやその逆に健康的な感じを表現できます。

歯列矯正器具ですが、これは針金などでできており、歯の表側についています。外見上、特に口を開けて笑った時など結構みっともなく見えます。特につけ始めた頃はそれを気にします。これをからかわれると深刻なトラブルになります。また、矯正後、顔のラインが微妙に変化することもあります。

化粧は既述の通り、本格的に必要になるのは女性の場合二十歳を超えてからです。肌の張りから必要になってくるのはもっと遅いですが。無論、少女マンガのキャラクターになる高校生までの女子には無関係で、失敗してかえって醜くなるのが普通です。細かい議論は省きます。

特徴的な黒子やにきびの類ですが、黒子で美貌を損なわないのは目の下、口元などの小さ目のものです。そっくりな一卵性双生児を見分けるのに使われることも多いです。また体の普段服に隠れている部分の黒子が幼なじみが昔一緒に風呂に入っていた象徴としてしゃべったり、またはサスペンスで本人特定のために使われたりします。大きな、しみに近いものは大きく美観を損ないますので、普通使われません。にきびとは、正式な医学的論議は省きますが皮膚の毛穴に脂肪や老廃物が詰まった状態です。それは赤いできものの形を取り、かなり美観を損ないます。特にそれを潰してしまった場合、患部に色素がたまってしまうので一生跡ができます。それに似ているものに痘瘡があるのですが、現在はあまり関係ありません。また、にきびは顔のどの部分にできるかで、例えば額が想いにきびなどと占いや恋愛感情の象徴、または好きな相手のにきびを見て相手の気持ちを推測するなどに使われます。

傷痕では顔で美観を損なっているのとそうでないものに分かれます。美観を損なうような傷痕は普通深刻な火傷です。美観が損なわれていると言うのは、特に女子にとっては致命的であり、絶望になります。それの原因がもし他人だったら言うまでもなく深刻な恨みになり、サスペンスの場合などでは直接復讐の動機にもなります。男子に責任がある場合、美観はそれほど深刻には損なわれていません。大抵髪の毛の中や下着で隠れる部分など、ほとんど誰も知らないようなもので、それほど大きくもありません。それでも男子にとっては重大な責任であり、普通男子はその責任を取って結婚するつもりでいます。美観を損なっていない、ごく軽いものでは顔以外の手や体の切り傷、膝をすりむいて治癒した時のケロイドなどが代表的です。特に幼児期に活発だった女子の場合、それが多いこともあります。

特別なケースでファンタジーがかった話では、体の特別な形のあざ、星座の形をした黒子など、特別に神秘的なものによって選ばれた印があります。後述のように刺青がその人為的なケースにあることもあります。ちょっと特殊で漫画では見たことがないですが、それの延長にキリスト教の聖痕(キリストの磔刑の時の傷が深い信仰を持つ聖者の体に再現される奇跡。伝承にあわせ、頭部にいばらの冠、背中のむち、手と足首の釘、脇腹の槍のどれかもしくは全部の形に痛みがなく、止血できない出血が生じるという。何件かは教皇庁でも認定されている。その血に触れたりその聖者の名前を借りて祈ったりすることで奇跡的治癒があるという)も考えられます。

装身具などですが、上から順にカチューシャやバレッタなどの髪飾り(既述)、冠、イヤリングとピアス、顔のピアス、ネックレスやペンダント、服のブローチ、刺青、ブレスレットや腕時計、指輪、意匠を凝らしたベルト、その他衣服を止める物で意匠を凝らしたものがあります。

男子の体格以外の容姿を構成する要因には、髪型、髪の色、眼鏡の有無、顔が厳ついか優しいか、あごは成長しているか、ピアスやバンダナを始め装身具を付けているか、目、顔や体に大きな傷があるか、そしてファッション、体毛の感じなどがあります。

男子の髪型の場合、長髪かどうかがまず重要です。長髪の場合、普通そのまま自然に伸ばしていて、更にポニーテールにしたりはしませんし、極端な場合を除いて長さは肩までです。短めの髪ですが、その短さも極端なものでは丸坊主からサラリーマン風の73分けまで結構多彩です。ただし、ムース、ジェルなどを使ってしっかりと固めようとする子と何も考えずに適当に水をつけた櫛で梳いただけにはっきり分かれます。男子は女子と違い、外見を一切考えなくても生きていけるものです。髪型で大きく所属している文化を規定できるのも男子の特徴です。極端な場合モヒカンやスキンヘッド、剃りこみの入ったリーゼントなどが不良の象徴で、坊主頭が野球及び格技系体育会の象徴です。極端な場合校則で坊主、というケースもあります。マッシュルームカットは大体小学生までの幼さを強調する髪型で、それ以上ではおぼっちゃまでがり勉でひょろっとしたキャラクターに決まりです。長髪はそのままダウンで、肩にかかるかどうかぐらいのボブが普通です。それ以上極端なことはやらないでしょう。長髪だけで十分、普通に収まりたくないと言う主張を構成しています。

髪の色は女子の場合とほぼ同じです。

眼鏡の有無ですが、女子同様眼鏡は知性の象徴です。眼鏡の形にも左右されますが、眼鏡をつけているというのはそれだけで優等生もしくはがり勉タイプとなります。特にうずまきが入ったビンの底のような度の強い眼鏡は普通極端にがり勉で、それでいてトップにはなれない、性格的にはやや高慢で学歴信仰が過ぎて社会的な力をなくしているキャラクターの象徴です。

また、サングラスは普通、学校などでは許可されませんし中学生以下が着けるものでもありません。不良または極端にカッコつけた男子か、またはスキー、海など(スキーなど雪原でやるスポーツの場合、サングラスが無かったら最悪の場合雪盲で失明する!)のリゾート、バイクなど実用上のシチュエーションでつけるものです。

顔が厳ついか優しいか、あごは成長しているか、など、顔の線も大きく性格を表現します。特に男子は第二次性徴の中であごが大きく成長するため、それがなければ幼い印象が、逆にそれを強調して成熟しているような迫力を出せます。

ピアスやバンダナを始め装身具ですが、性格との関連が大きいです。学校のルールに違反しない優等生または普通の男子はほとんど装身具を許容されないのですが、例外としてミサンガ位はよほど厳しくない限り許容されます。

やや不良じみた性格の生徒の場合、バンダナ(長髪で茶髪の場合特によく合う)や指輪等を着ける事が多いです。服装にもかなり依存し、例えば黒い革ジャンには銀製で大き目のペンダントと黒いサングラスにバンダナ(それにハーレーダビッドソンにジッポーライター)でないと似合わないです。

目の色は日本人など黄色人種は黒が基本で、他は茶色の諸系列です。白人には青や赤など多彩な色があります。目の形と鋭さも性格を如実に表現し、特に攻撃性の強さは目の感じではっきりわかります。

顔や体に大きな傷がある場合、それは人相を大きく悪くします。逆に、ファンタジーや時代物では顔の大きな傷が海賊、山賊などのシンボルとして用いられることが多いです。また、様々な傷が過去をさりげなく示すのに用いられるのはもちろんです。

体毛の感じですが、これは思春期以上で脇や股間、胸、すねや腕に生えてくる毛についてです。言うまでもなく少女マンガではそういった毛は男性性を強調しすぎるためギャグ以外では排除されます。

ファッションは男女とも、次回に回しますね。

というわけで今回はここまでにします。何か質問は?御静聴深謝。

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