パターン分類4-2
んちゃ、講義を始めます。出席カードを回してください。前回の続きです。
主人公の相手役に対する態度としては+,−,N。細かくいえば好意的、恥ずかしくて避けてる、仲良し、なんでもない、天敵、無視のどれかですね。
- 好意的、つまり既に好き!は非常に複雑です。相手がどうでるかと周囲の状況ですね。既にくっついてる状況なら障害がポイントで、相手がつれなければ追っかける過程で相手の長所をどんどん見つけていくと。ただ問題として、恋愛感情は顕在化していても、それでも照れ、気持ちがばれたくないという恐れ、三角関係などで忍ぶ状態などでは気持ちがばれないよう、わざとつれなくすることも多く見られます。
- 恥ずかしくて避けてる時は相手がそれをどうとるかが肝心です。気軽に声をかけたら逃げていった、そのときに男が{俺に気があるのか}と読むか{嫌われてるのか}と誤解するか。特に後者でしかも委員会で一緒だったら仕事になりません。この場合は告白の勇気が最重要ポイントなので、恋が育つ過程については大抵優しくされてとかたまたま・・とかのありきたりなエピソードで済みます。ただ避けてる理由が恋愛感情だと気付いてないときは心理面で色々とあります。仲良しだとエピソードには困りません。今までと違う目でみてしまう事、つまり今まで仲間としてみていたのに男として見てみると意外な面が幾つも隠れてた事に気付く、ここでときめきが大きくなっていきます。更に相手が今までの感覚でジュースの回しのみとかをしたら・・。何でもない相手とは仲良くなりながら思いを育てていきます。その変化がポイントですね。やはり相手を知る過程でです。
- 天敵が相手だと今までの態度の惰性との戦いになります。人間は惰性の動物ですからときめきを覚えた後、むしろそれを打ち消そうとして今までどうりの態度で接してしまいがちです。そのことでも恋心が強くなっていくものです。そこで優しくされるとかして相手の別の面に触れたら・・。恋心に自覚してもそう簡単に態度が変えられないことが(本当は照れてるだけですが)障害になります。
- 無視している相手が気になった時にも態度を変えられなくて、でもそうするほど気になっていってとなります。前述の馬鹿にする心理も参照してください。大抵それが理由ですから。従来男だと思ってなかったやつが男だと分かってくるにつれて感情、評価が反転します。
距離に関してですが、クラスメート等が転校して離れた、旅先などで出会った、電車内で出会った、部活で対抗試合がある程度に近い学校の他校生、クラスメート、幼なじみといったところでしょうか。
- 転校していった相手だと今まで気になる程度だったのが、結晶作用で相手を美化し、いい思い出だけが膨らむものです。例えば半分忘れていた相手に用事が出来た時などはその思い出すことで結晶がつきまくります。そして電話機の前でのためらい、相手の変化の発見が強心剤になります。こういう場合はほとんど結晶作用だけで思いが育っていきますね。
- 旅先などで出会った行きずりの(言葉が悪いですが)相手だと100%結晶作用だけです。普通それで再会したら虚像とのギャップで壊れるものですが、丘の上の王子様の時なんか絶対そうなりませんね。転校してきたなどですぐ近くになった時には変わりはてていて天敵と化すこともあります。尚そのときは大概三角関係に。
- 電車内で出会ったときは特に相手の名前も身分も知りません。でもまた会える可能性のある距離ですから、それまで結晶作用を進めながら探していきます。会いたいとの思いがすれ違うたびに膨らんでいく訳です。
- 部活で対抗試合があり、そこで出会った時は一目ぼれか喧嘩かのどちらかです。一目ぼれだと相手に彼女がいる場合、押さえようとしてますます膨らませていきます。たまたま会ってアドバイスを受けたり、一緒に練習したりして罪悪感と合わせて思いが募ることも。いないときは又会えないかな、と結晶作用が始まり・・後は憧れの先輩と大体同じです。喧嘩になってからは距離が遠い分大変です。この場合には敵意の影で恋心が育っていくか、謝ろうとして中々会えなくてタイミングがずれて、そのすれ違いのなかで(更に相手のかっこいい所を見たりして)思いが強まるかです。
- クラスメートと幼なじみについては近い分楽です。いつも見ていられますし。相手を見ている自分に気付き、接触を重ねていくことで思いが膨らんでいきます。相手に関する知識がとても重要なことが今までの講義で分かってきました。知らないときは結晶作用で気持ち(虚像に対するですが)を膨らませ、また知っていく過程でも相手のことをもっと好きになっていきます。知らないとき知ろうとする事も特に行動に結びつくぶん強力ですね。
相手役の主人公に対する態度ですが、これも好意的、恥ずかしがって避けてる、意地悪、仲良し、天敵、無視と。あとスケベもありますか。少女マンガで男の子の心理を描いてるのは余り見ませんね。あさぎり夕先生(この面子で覚えてる人いるのかな)の「卒業写真」では女の子と男の子両方の側から描いてましたが、あれ泣けました。少女マンガで泣いたのは当時覚えてる限りであれだけです。現在は「約束の夏休み」が入りましたが。
- 男の子が好意的に接してくるのは比較的少ないです。あの年ごろの男の子は物凄く恥ずかしがりですし。この場合はとことん優しくされてほだされていく(とともに成長のきっかけにもなる)事が多いですね。
- 恥ずかしがって避けてる。現実にはこれが多いと思うのですが、少女マンガではそんなに見ません。このときにはこちらが嫌われてるのかなと誤解し、自分にだけ冷たくすると思い込んでしまいます。そうなるとなんとかしようとし、それが結果的にアタックになっていくことに。または押さえようとすることでかえって思いを募らせることも。まれに避ける相手が可愛くて追っかける楽しみに目覚めてしまうことも有ります。
- 意地悪はま、好きだからこそいじめてしまうというやつで。これには当然反発しますが、ときめいている相手の意地悪だとどこか心地好さが混じってきます。現実にはこれはおかしい気もしますが、人間の心理は微妙なものですから。またこちらが相手に対する思いを自覚しているときにはめげずにアタックし続けるなかで思いが募っていくものです。
- 仲良しの時は上と重複しますが男の子の態度も意識し始めたこちらに合わせて変化します。女の子のほうの変化に戸惑い、気を使い、時に傷つき。その優しさに触れるにつれてますます思いは募っていきます。
- 天敵の男の子が普段と違う優しさを見せる、これ黄金パターンです。でもいつもどうりにしてても一度意識してしまった目には相手役のかっこいいところがはいってくるものですから。特にたまたま一緒に笑ってしまったりしたらドキドキがとまらなくなるのは当然のこと。もともと天敵という関係には近親憎悪があることが多いですから。無視は特に相手役が優等生で主人公を馬鹿にしているなどがあります。そのとき主人公は相手役の意外な面を発見していくことで思いを強めていく事が多いですね。勉強等を教えてもらう関係になることも多く、この時には相手役の「やるじゃん&見直した」がポイントです。
- すけべな奴、これは微妙です。むかつきますし嫌ですけど、どこか憎めない奴ですから。スカートめくりしたり覗いたりする時と優しいときや優秀な時とのギャップがポイントになりますね。一部好きだからいじめてしまうと共通します。例えばこちらが泣いてしまって相手が反省し、ちょっかいを出さなくなってかえって寂しい・・フェミニズムの立場から見ると嫌なことですがありますよね。どちらかというと少年誌のラブコメに多いパターンです。少女誌ではまだ男がすけべなものだということを受け入れる段階までは描き難いですから。
今回はここまで。続きは次回。レポートとして(冗談ですってば)自分の体験と少女誌、少年誌での思いの育ち方について比較して下さい。次の次あたりでやりますからいい予習になるでしょう。
それではこの辺で。御静聴感謝。
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