パターン分類6-2
こんにちは。今回は大変でした。これからどんどん大変になっていくと思いますが、頑張っていきますのでよろしければ今しばらくおつきあいください。
んちゃ、講義をはじめます。出席カードを回してください。
前回の続きで男一人、女二人のケースでの全体的な移り変わりを考えてみます。
前回ややその辺の説明が不足していましたが、まず女子二人が同時に男子に出会う場合にはどちらが先か等の先取権はありません。この場合先に積極的なほうが男子に接近し、消極的なほうはやや引いた知り合いに落ち着くのが一般的です。また友人同士では恋愛感情を顕在化し、主張したほうが一種の先取権を持つ結果になります。唯男子のほうはおとなしい方が気になり始めるのもお約束です。安定期にはいると消極的なほうの気持ちがだんだんふくらみ始め、焦りを感じた積極的なほうはより行動的になっていきます。その後最後に告白となります。詳しくは別章後述しますが偶然や事故、友人の援助、必死の勇気、誤解をとくため等色々なきっかけがありますね。先にヒロインが会っている場合、例えば幼なじみの二人に転校してきたサブヒロインが割り込んでくるとかのケースでは結果的に三角関係は二人が気持ちを深め、確かめるきっかけとして働きます。まだおたがい恋愛感情が顕在化していないか告白できない両片思い状態である状態でサブヒロインがヒーローにモーションをかけ、ヒーローがいい加減な態度をとります。そのことでヒロインに嫉妬が生まれ、トラブルのきっかけになり、その解決が告白になります。雨降って地固まる、めでたしめでたし。(ふざけないでよ!byサブヒロイン・・・そのために四角関係にすることが多いです)逆にすでにできてる、もしくは半公認の二人に割り込む時にはヒロインがふと出会ったヒーローに惹かれるところから。次に彼には彼女(もしくはアタックしてるひと)がいる事を知ってショックを受けます。彼女がいるケースではまず思いを押し殺そうとし、かえって彼に優しくされたりして募るのはお約束です。既にアタックしている人がいる状態ではどう割り込むかが問題です。そして三角関係になっていき、安定期を経ることもありますが結局は男が決心するときを迎えるわけです。どのみち(現実とは多分異なり)出会いは早いもの勝ち、行動は先攻不利が原則みたいですね。
安定期についてですが、現実にあるのかは分かりません。作中では思いがまだ押さえ切れなくなるほど強くない、ぬるま湯の間女子同士の友情に支えられてどっちつかずの状態がしばらく続くことがあります。この状態は都合がいいし楽です。男にとってはどちらも傷つけずにハーレム状態が保て、女にとっても傷つくことももう一人を傷つけることもなく平和に好きな人のそばにいられます。そのうえはっきりとしたつきあいじゃない分気楽ですし。ですが思いが強くなるにしたがって現状維持を望む心より独占欲の方が強まり均衡が崩れるときがいつかくるわけです。(崩れないうちに他の娘にさらわれるケースもありますが。)この状態を夏にたとえた「きまぐれオレンジ*ロード」の表現はとても秀逸でした。
三角関係の中で一人の女子に男子二人のケースについて考えてみましょう。これはちょうど少年誌における男一人に女二人のケースと同じく主人公の女子にとって都合のいい状況です。女の子はたいていまだ自分の気持ちを整理し、理解し、制御できるほど心理的に成熟してません。その状態で二人の全くタイプの異なる男子が近づいて来ます。どちらにしようかなとばかりに心は揺れ、混乱していきます。尚大抵最終的にはむしろ反発しているほうとくっつきますね。例外もありますが。あと女の子のほうが(恋に恋する状態のままで)誰かを思っているときに別の男が近づいてくるケースも。この場合は先に主人公が思ってる相手がまともな人か酷い奴か、そして同い年か年上かに分けられます。
主人公の女の子のタイプは大体まだ恋とは何かはっきりと理解していないです。性格的には内向的と外向的、理知的と空想的、真面目と反抗的、特技の有無、コンプレックスの種類、他者に対する共感力などがあります。
特技についてはスポーツや勉強等のように一般的で競争できるものだと、応援してくれるもしくは隣で走っている人とそのプレッシャーを忘れさせてくれる人との三角関係になることが多いです。最後にどちらとくっつくかは一概に言えません。超能力や武術、怪力その他隠しておいたほうがいいような特技については秘密保持のためのパターンが多いですね。始めに好きな人にばれたくなくて、もう一人のつきあえという脅しにのってしまうけどだんだんその相手に惹かれて、さらに始めに好きな人にばれたときそいつがそれを受け入れるか馬鹿にするかでさらに二択となります。
コンプレックスがある娘については特徴的な構造を指摘できます。始めに選ぶ相手はコンプレックスが命じたからで、一番合っているように見えてやはりコンプレックスからくる不安が残ります。尚その相手を強く理想化することが多く、それは彼にとって負担になります。もう一人の男はそのコンプレックスを暴き立てる存在で、ゆえに強い負の感情転移が始めのうちあります。具体的には始めの相手に過度にべたべたし、反面もう一人を強く拒絶し、嫌悪します。しかし感情転移が進むにつれてもう一人に対して恋愛感情と正負の感情転移が入り交じった複雑な感情を抱き、混乱します。最後に両方がうまく誘導し、つまり最初の男が実体を見せて(まずそれも彼女にとって苦痛です)幻想を暴き、ついでもう一人の男が(彼女のコンプレックスに気付いているかいないかは別に結果的に)信頼を与え、コンプレックスと向き合う力を出させることで治療が成功します。このパターン、いっちゃ悪いですがどこまでが感情転移でどこまでが恋愛だかはっきりしませんね。他者に対する共感力は一般に強くあることがほとんどです。恋愛を除いてであることも多いですが。
相手役の男については前述の通り対照的です。主にここでの注目点は何が対照的なのかですね。髪がべたか白かは勿論、性格、能力等それによって見どころが変わります。タイプとしては前述の通りそれ自体がパターンを構成します。理想的な王子様タイプには情熱的な不良型、かっこいいプレイボーイには真面目な優等生、エースの先輩と努力家のルーキー、等。注意事項ですが前述の通り片思いの相手が本当はひどい奴でというパターンもあります。最後にはなにかで弱かったほう(年下、後輩、発展途上等)とくっつくことが大半です。キャラクターのタイプ分けについては別章詳述したほうがよいでしょう。前回でも不十分でしたし、きちんとやるとなるとどれだけになるか見当もつきませんから。
出会いについてですが、どちらが先かもしくは同時か。同時に出会ったときにはその二人が友達同士であるかまたはクラス替えかです。一方に惚れたときにはもう一人はおまけもしくは天敵です。「あいつ・・君の友達なのにとんでもない奴よ」とか。両方Nのケースでは(伏線をはりながらも)ごく自然な出会いになりますね。片方と先に出会っているケースで注意したいのは一見後からに見える方(その出会いが話のプロローグになることが多い)が先に主人公と出会っている(突然引っ越していった元幼なじみ、旅先で助けてくれた男の子等)ケースが多いことです。
話が始まった時点での関係と感情を考えると前にやった男女の関係の理論をそのまま平方することになります。出会ってすぐ、行きずりや電車の顔見知り、ただのクラス(塾)メートや部活仲間、友達、天敵、幼なじみ、先輩後輩、(家庭)教師、特殊事情等。最低でも重複除いて45通りですか。感情の+、−、Nを入れると328通りですね。まあ代表的なもののみを。
男子相互の関係としては友達同士か敵同士、つまりこれぞ強敵と書いて友と読むか仲良く喧嘩しなか本当に仲が悪いか無関係か。また上下関係もあります。
関連して女の子の精神的成長の構造的分析でしめくくります。前述の通り女の子が第二次性徴を迎えた時、男子より早いため同年代の男子が餓鬼に見えます。男子が第二次性徴を迎えたらそれは即物的ですから獣に見えます。てなわけでまず幻想の中で美化した自分と素敵な人の恋を夢見ます。それが三角関係では家庭教師、憧れの先輩、落ち着いた優等生などになるわけです。けれどももう一方になる同年代の成長につれてそっちも相手として意識できるようになるのが基本です。もう一方が成長した後に安定期を経ることもありますね。まだ女の子の心が成長仕切っておらず、また男の子のほうもはっきりするほど思いが育っていない状態では三人が微妙な距離を保つほうがいいでしょう。でも最後には必ず・・・。
本当に長くなりました。次回は四角関係及び多角関係を。何か質問は?御静聴感謝。