パターン分類7-1
んちゃ、講義を始めます。レポートを出席カードの代わりにします。
今回から転の段階に入ります。まずはトラブルについて。それこそ恋愛そのものよりも深いかもしれないです。
まず相手は男女間のものとそうでない友人や親、教師などがあります。男女間のトラブルについて、きっかけとしてはハプニングによるものと誤解や気持ちのすれ違いによるもの、何らかの言動によるもの、噂によるもの、状況の変化によるものなどに絡まり合っているのではっきりとではありませんが分けられます。
原因としては相手の何かに対する怒り、より細かく分けて生理的な嫌悪感、羞恥心、嫉妬、変心や浮気、疑惑、幻滅(誤解であることも含む)、金銭等の物欲、紛失(ゲームのセーブが消えたなども含む)、コンプレックス、何らかの屈折した要求、性格の不一致、以前からの互いに対する不快感や恨み、第三者の策謀、精神的な混乱、偶然(ご都合主義ともいう)、相互の無理解、嘘、別れ話、特殊な決まり等が考えられます。トラブルが起きるタイミングについては出会い〜恋愛感情の自覚&顕在化、恋愛感情の顕在化〜告白、告白〜思いの確認、くっついて後にわけてよいでしょう。互いの関係や三角関係の有無等についても考えるべきでしょうね。
ハプニングについて考えてみますと、そのパターンとしてはまず物理的な接触、恋愛感情についての書き物(ラブレター、メモ、写真入り手帳等)の紛失もしくは覗視、目撃もしくは遭遇、覗き等。
物理的な接触とはまあ廊下でぶつかってキスした等です。考えられる事を挙げていきますとやはり最も多いのが廊下で走っていたり自転車などでぶつかってキスしてしまってどうしようもなく気まずくなり、それがきっかけで恋愛感情が生まれていった等です。この形の接触にはキスだけでなく例えばただ一緒に倒れこむだけで十分ですね。他にも女の子の胸に手が当たったり顔を突っ込んだ、スカートに顔が入った等性的な接触の面が強いことに注目してください。読者サービスであると同時にさりげない恋愛の性的な側面の婉曲的表現でもあります。この形の接触は出会いと同時に起きるとまず相手を強烈に意識させます。男のほうの態度によって素直に謝ればそのまま好感に、そうでなければ決定的な悪印象になって天敵になりますね。恋愛感情が顕在化するきっかけになることにもなります。恋愛感情が既に顕在化していますとこれは幸運であり、どきどきで危ないくらいでしょう。また顕在化の強力なきっかけにもなります。特に未熟同士の幼なじみなどでは。他に瞬間接着剤、髪が絡んだ等も使われます。
他の物理的な接触には例えば(僕の実話)習字の授業中墨をすっていたら跳ねて女の子にかかった等の軽い事故、故意のスカートめくりなど、頭をぶつけるなどしての人格交換等があります。墨を跳ねかけてしまったときには何日道々謝り続けたでしょうか。少女マンガであればそこから恋が芽生えるのですが。女の子が少し意地悪な性格であれば何か無理なことを要求し、危険を犯してやり遂げた男に「ばかっ無茶して・・」となるでしょうし比較的おとなしいタイプであればすぐ許してくれ、男の側の感謝が恋愛感情に変わるでしょう。また乱暴で手の早い女の子であれば頭から墨汁をひっかけて大喧嘩、そのまま天敵になるでしょう。(現実はただ嫌われただけ)逆に女の子が男の子に水や墨汁をかけてしまったりしたら大体はすぐ許してくれ、優しさに惚れるケースでしょう。これは恋が自覚されて後、思いが膨らんでいくエピソードとして用いられることもあります。稀に逆襲から天敵になることもあります。
スカートめくりなど故意に行った行為については、好きでないもしくは恋愛感情が顕在化していない相手だとやはり強い怒りと羞恥を呼び起こします。覗きとも関連してきますね。常習犯の天敵の男の子を紹介するのに日常の一部として用いられたりもします。ギャグとしてパンティーをはいていないときに狙われ、それを好きな人に見られるなど災難として用いられることもありますね。好きな相手にやられると羞恥は激しいのですが内心は構ってもらえて嬉しいとなることも。これはむしろ少年誌でしょうか?女の子の反応には怒ると泣くがあります。今まで怒るだけだった女の子が泣き出すのを見て男の子がもう相手が子供じゃなく女何だと気付いてどきどきし始めるというのがあります。それを三角関係と絡めて二人同時にめくったら大人しいサブヒロインは泣きだし、活発なヒロインは怒り出す。それを見たヒーローがサブヒロインに惹かれて〜というのも多いですね。スカートめくり程度ですと少なくとも従来は可愛い悪戯として半ば許容されてきましたが、一種のいじめとしての悪質な行為もあります。茶巾と呼ばれる女の子のスカートを頭上で縛るとかの完全にセクハラといっていいものやそれ以上に陰湿な女子によるいじめもあります。少々蛇足。
男女の人格交換は男の子にとっては始めのうちは天国(ギャグで私の体に変なことしないでよ!とかトイレどうするんだ!とかも)ですが、次第にその不便を痛感して女性の弱さを理解するようになることもあります。特に雑誌の基準で許容されていれば(何がかは言わなくてもいいですね)より強く。
女の子にとっては気になる男の子の信じられないほどのパワーを実感し、かつ嫌悪感の反面半ば憧れをもってみていた男の子の集団に参加できる好機でもあります。結果的に男女の相互理解が大きく進み、互いを理解した上で受け入れると言う理想に近づくことになります。まあ「とりかえばや物語」以来の性役割混乱によるギャグ+エロスが売りのパターンです。
スキンシップについてのまとめはくっついた後、一章を割いて詳論する予定です。
恋愛感情について記したものにはラブレター、日記、相手についてのメモ、隠しどりの写真やそれを隠した生徒手帳等、編みかけのマフラーなど、また何らかの記念品も含みます。それを見られると少なくともその相手には自分が誰を好きかはっきりと分かってしまう(と少なくとも考える)訳です。最悪の事態は公開されることですね。状況は落とすのが男子か女子かに分けられます。大抵女子ですので女子が落としたら拾うもしくは見られるのが好きな相手、他の主人公を好きな男子、他の主人公が好きな相手を好きな女子:中でも(その場合当然主人公の気持ちを知らないもしくは知ってて知らないふりをしている)親友、無関係の級友等に。後ただの級友、家族、教師等ですね。無くなりっぱなしで結局出てこないこともあります。くっついた後の話ですが秘密のプレゼントもあります。
男子が落とした場合は大概主人公が拾って大喜びです。また何かのきっかけで彼の机の上の自分の写真を見かける等も。これはトラブル解決の切り札としてですね。また読者だけに男子の気持ちを知らせるため無くなりっぱなしにすることも。また他の女の子に対するものを拾ってしまい(見てしまい)そのまま協力に回るケースもあります。女子が落として当の相手に拾われた時相手の感情と態度はストレートに喜ぶ、好きなんだけど恥ずかしがって嫌がる態度を示す、別に何とも思ってなくて真摯に対処するもしくは笑い飛ばすのどれかですね。ストレートに喜ぶのはもう問題無しでしょう。ここでは相手が拾っている事を知らず探し回る主人公を中心にしたどたばたです。好きなんだけど〜の時は周囲に人がいた、他に主人公を好きな親友に遠慮して、単純なパニック等の理由が考えられます。この時には嫌われてると誤解した主人公の誤解をいかに解くかで、誤解のところに回します。それっきりのこともありますが。別に何とも思ってない時は真摯に対処してくれると(中身を見ないで返したら単なる出会いの一パターンになります。最後に「これ読んで」「だったらいいなって夢見てた」と。)いいのですが。これは他にも三角関係の清算(「気付かなかった、ごめん」「わかってた。泣かせないでよ」)にも使えますね。相手がひどい対応をすることもあり、そのときには深い傷を負うことになります。これは男嫌いの理由になったりもう一人に目がいくきっかけになったりします。
他の主人公を好きな男子が拾ったときにはまずその男子がどうするかです。すぐ中を見ずに主人公に返すか中を見てから返すか、宛先に渡すか、そのまましまいこむか。中を見ずに主人公に返す場合には主人公は不安がります。また渡されたときに怒りをぶつけてしまい、すれ違いが起こることも多いです。中を見てから渡すもしくは見えてしまった時には、もし主人公がその人の気持ちを知ってるなら、恥ずかしいだけでなく相手の気持ちを思いやって悲しくなるでしょうね。そのときに彼が潔く引いてくれるかどうか。知らないときは大抵協力を申し出ます。でその中で次第に見たほうの男に引かれていく、と。宛先に渡したときにはそのまま宛先の男がOKを出したら女の子にとっては嬉しい事故です。が、大抵は間もなく渡した男の真意を知り、そっちが気になってくることになりますね。NOだったら余計なおせっかいでした。でもそのまま必死で謝り、慰める男の気持ちを受け入れることになるのが一般的です。
宛先の男を好きな女子が親友だったら隠滅はないでしょう。唯隠してしまい、そのことが言えずに友情の危機になることはありますね。他には素直に返してライバル宣言をする・・事ができたら苦労はない、大抵は自分の気持ちを隠して応援に回り〜となります。またその親友がその宛先とすでにつき合ってたらもう泥沼。黙って身を引くか試してから身を引くか面詰するか。
宛先の男を好きな無関係の女子の反応はまずしまいこむか隠滅するかさりげなく返すか。このことはライバルの存在を感知もしくは確認することを意味し、それが意地悪や牽制の意味での見せ付等の行動につながります。結果的にはそれがやぶ蛇に。
恋愛面で関係のない者に拾われたら最悪の事態、公開が待っています。噂のところで後述します。
家族ですとからかわれるだけで済めばよいのですが、管理者としての親に見つかった時は大変です。特に何らかの事情で好ましくない相手だったときには厳しい叱責と禁止があり、それは前述の通り火にガソリンを注ぐことになります。
教師も大体同じです。多少類型的ですが「学生の本分は勉強だ!」とか。(だったら大人の本分は仕事なんだから恋愛も結婚もするな)
でてこないときには探してくれた男の子との話になりますね。その子が当の相手だったら最後に見つけて「・・これ見て」とか。また捨てられたときには捨てた相手に強い恨みを持つことになります。物によってはとても大事なものとは思えなかったりしますが。
秘密のプレゼントについては唯幸せな二人の犬も食わないというやつです。
お互いの気持ちを信じきれない二人の不安がキーですね。本人は深刻なのですが端から見ているものにとっては石投げたくなります。
撃は男女間に限定しますと浮気が特に多く、他にも告白、相手に彼女がいる、万引きなどの犯罪、いじめなどがあります。
浮気については誤解と真性に分けられます。誤解については後述。真性の浮気を目撃したりもしくは感知したりしたらどうなるかはいうまでもないでしょう。逆にしているところを目撃された時も大変さは同じです。どちらも別章詳述とします。また誤解でしかないものもありますね。
告白についても別章詳述。相手の彼女を目撃し、落ち込んでいるところを励まされるのは特に{先生の婚約者は〜青い鳥は近くにいた}パターンの定番です。
いじめについての目撃は大変です。その目撃に気付かれたら脅しをかけられ、気付かれてないときには相手を助けようとしてそこから恋が芽生えるのが一般的です。いじめられているのを目撃されたときも同様。いじめについては別章詳述としたいのですがまだ本格的に扱っているのが少ないですし、やらないかも知れません。まだ客観化できる自信もないです。
覗きについては・・ハプニングとしてのそれと男の性であり本能でありロマンでもある故意のものに分かれます。僕にとってはむしろ阻止のほうに楽しみが向いてましたね。文集には隣のホテルを覗いた奴の思い出が記されています。女子にとっては犯罪です。スカートめくりなどと重複しますが例えば喧嘩友達の紹介エピソードに使ったりします。
ハプニングとしての覗きですが、特に同居物では定番です。出会いとしてこれが起きると相手に対する強い悪感情の原点になります。天敵関係の始まりとしても定番ですね。恋愛感情が育ち始めたときに覗かれると相手の誤り振りが見物です。そして覗かれたほうの羞恥とときめきも。恋愛感情が一気に育つきっかけになったりもしますね。付き合い初めて後のについてはスキンシップのところで。
それでは長くなりましたのでこれぐらいにします。レポートとして好きな作品におけるトラブルの原因について考えてみてください。いい予習にもなりますよ。何か質問は?御静聴深謝。