パターン分類8-4
んちゃ、講義を始めます。出席カードを回してください。
今回は前回の続きで、告白時の告白するほうとされるほうの関係から感情と態度について検討していきます。
感情については無論前回検討した恋愛感情がもっとも重要な感情ですが、それと平行して特にトラブルに付随した諸感情がどのような役割を果たすか考えてみる必要があるでしょう。又態度についてですが、注意すべきなのは態度が必ずしも感情と一致しないことです。何度もいっているようですが人間は惰性の動物です。認識と感情は転換しているにも関わらず態度を変えることができず、トラブルが起きるケースが非常に多いです。(素直になれないというだけのことです。「おまえって何でもないことを難しい言葉でいう天才だな」といわれたことがあるのですが、僕の語彙は本当の日本語と漢語の5%も無いですから、それはほめ過ぎというものです・・わかってんなら簡単(平易という言葉自体が難しい)な言葉にしろ!?極力そうします)
感情について恋愛感情については分析済みですのでそのほかの感情を検討してみます。ここでは感情とは厳密に心理学上言えないものまで感情にいれるかもしれませんが、心の動きなどのもっとも簡単な意味で。+の感情が告白にとっては一般に後押しとなり、-の感情が邪魔になるのはいうまでもないことでしょう。これは本来かなり困難なことで、ここでするべきでないかも知れません。
+の感情としては感謝、安心感、嬉しさ、同情心、感動、勇気など。トラブルや事件の解決時に発生することが多く、気持ちを和らげて告白し易くすることが多いです。
−の感情としては怒り、恨み、恐れ、羞恥心、罪悪感、屈辱感、戸惑い、嫉妬、引け目、逃避、集団心理などがあります。トラブルに付随して起きる感情であることが多く、それ自体もトラブルを増幅しますが時に理性を取り払って告白の手助けになることもあります。これは主にされる側の反応に関わりますね。
又より単純な機嫌も考える必要があるでしょう。告白する側にとっては機嫌の善し悪しは余り重要ではありません。敢えて言うなら機嫌のいいときに告白しようとしたらトラブルが発生して流れることが多いですね。される側にとっては機嫌が特に悪いと心にもないことを言ってはねつけることもありえます。
性的な感覚(快感や嫌悪感)についてはスキンシップのところに回します。オブラートに包んでありますが深読みすると結構重要であることが多いです。
- 感謝が起きる理由としては何かの親切を受けた、許してもらった、〜のお陰で上手くいったなどがあります。これはむしろ恋愛感情の顕在化と関わりの深い感情です。告白に臨んで感謝があるときにはしばしば安心感と一緒になります。告白にからむ具体例として、親切としては事故になりそうなところを助けてもらった、何かを忘れるなどして困っていたところを助けてくれたなどがあり、助けてもらったときには安堵感も手伝ってお礼をいうつもりがつい告白してしまうことがあったりします。許しについては嘘や誤解が絡み、トラブル解決の過程です。女の子の感謝&告白に対して「馬鹿、どこの世界に好きでもない奴に〜かよ」と告白するパターンはよく見られます。又感謝されて照れるのもよくある反応で、そこからトラブルになることもあります。安心感には危急から助けられて、寂しいときや悲しいときそばにいてくれて、など感謝とも縁の深い感情です。それまでのストレスから開放され、気持ちがゆるくなっているためついぽろりと告白してしまうことが多いです。告白される側から見てもやはり安心感がを共有していると自然に受け入れられることが多いですね。ついぽろりとの場合にはパニックになることが多いのですが、この時には自然に受け止められることが多いです。
- 嬉しさは何かが成功した、誤解が解けた、相手に何か好意(との誤解もありうる)を受けたなどで起きます。安心感などと混じることも多いです。始めに飛び上がるような衝動的な喜び(それでつい告白することも)か緊張が大きいときには体の力が抜けるような安心があり、落ち着いたら笑顔が戻ってきます。これは相手にも伝染する性質をもち、素直にすることも。
- 同情心はやや特別で他人の不幸や失敗を見たときに発生することがあります。相手によってはこれを嫌う場合があり(意地を張っていられる余裕があるときですが)、却って傷つけることも。恋愛の発生に強くからみ、恋愛なのか同情なのか相手が不安がることもよくあります。告白のときにはむしろ共感として試合に負けたなどした相手を慰めているうちにさりげなく、という形ででてしまうことが多いですね。告白される側としては強い同情心があるときには断れません。それが元で後々泥沼に陥るケースが頻発します。
- 感動はここでは凄くいいものを見聞きし、もしくは参加した事から生まれます。相手が怪我を押して試合で頑張った(こんなとき、少女マンガでは相手にしつこく攻められつつ一点入れますが試合は負けることが多いです)等ですと相手に対する尊敬さえ含みます。その時の興奮で衝動的に言ってしまうとか胸がきゅうんとしてどうしても言いたくなり、自然に口から出るとかが結構あります。勇気を感情とするのはおかしいと思いますが他に場所が無いので。後述しますが告白は恐怖との戦いであり、それを支えるのは気持ちの強さと勇気です。勇気の源になるのは自信と手本です。友達が告白して上手くいったのを見て見習おう、と告白するのがよく見られます。
- 怒りはトラブルによって直接起き、より深く分析しますと物事が思った通りに行かないときのもっとも直接的な反応です。告白されたときに相手がそれまで嘘をついていたときなど嬉しさより怒りが先立つこともあるが、大抵それは大した事にはならないですね。
- 恨みは怒りが何らかの原因(誤解もしくは非現実的な転化のほうが多い)に集中した形で、特に強い悪意となります。これがあるときにはどの道告白どころではありませんし、かなり深い場合に復讐のつもりでOKする場合もあります。まあこれが解けたその時に告白することが多く見られますね。
- 恐れも強い感情で、告白する側には拒絶される恐怖、それによって今までの友達関係が壊れる恐怖、三角関係の場合に友達を無くす恐怖などがあります。告白そのものがそれとの戦いと言えるでしょう。別の何かに怯えているときにはさらに(自信の無いことも手伝って)恐怖が募ってきます。また恐怖心とは多少違いますが、不安感が強い告白の後押しになります。病中病後で体力が無いときとか自分が崩壊しそうなとき、半ば甘えと理性が弱まるのの両方で告白してしまうことがよくあります。告白される側から言いますと特に相手のことが好きでない(もしくはそう思い込んでいる)時には何となくですが恐怖を感じるものです。断らなければならないのですが、それ自体が特に友達などの場合にはかなり勇気がいりますから。
- 羞恥心は性的なものとそれ以外のものが考えられます。性的な羞恥心について詳しくは別章後述しますが、告白に直接関わるものとしては抱き締められて告白されたときなどパニックになってきちんと受け答えができなくなったりします。それ以外としては告白する、される両方が特に人がいる(可能性がある)場合に強く感じます。告白の主要阻害要因と言ってもいいでしょう。また人格的に罪悪感とからんで嘘や目的達成失敗等の引け目があるときに告白どころか相手の顔を見るのも辛い時があります。
- 屈辱感は恨みの変種で、告白する側としてはそれがあるとかなり難しいです。悔しいけど好き、とまで割り切って始めて告白できるようになります。される側としましてはとても素直に受け取ることはできません。ただ特に男子の場合告白されたことが相手を屈服させたように錯覚することが残念ながらあります。又特に同情されたと思ったときに激しくなります。
- 戸惑いは告白されたときのパニックで、これが元で本意と違う答えをしてしまうことや告白した側が後になって(その時には夢中でつい、という場合)後悔し、否定する等があります。
- 嫉妬は特に強い感情で、告白する側としては(たとえ誤解であっても)「好きな人がいてもいい、やっぱり好き!」等のように乗り越える必要があります。される側としましては告白してきた人に対する能力的な嫉妬と三角関係のときの嫉妬に分かれます。前者の場合には上述の屈辱感が逆に働くことになり、素直になりにくくなります。三角関係について詳しくは次回。告白される側としては要するにきちんと整理してから告白するのが筋だろう、ということです。
- 逃避は主に告白する側としては告白する時の恐怖や羞恥と戦う力が無いときしばしばやります。告白された側としてはショックをごまかすためです。
- 集団心理は人間に巣くう悪魔的な要素の中でももっとも恐ろしいもので、噂と仲がいいです。告白する側には乗り越えるべきものであり、同時に卒業式などイベント便乗のときなどに強力ですが迷惑な後押しにもなります。される側としては恐ろしいのが相手がいじめや異性との対立、グループ同士の反目その他集団の中での−要因を背負っているとき、ついそれに同調して(逆らうことの恐怖感もありますが)否定的なことを言ってしまうことです。最悪の裏切りに他なりません。
態度としてはべたべたする、親しくする、普通、つっかかる、無視するなどがあります。告白などの不安定なときには心理と態度が裏腹になり易いです。又素直じゃない臍曲りなタイプのキャラではそれが普通になってしまっています。
- べたべたするのはもうつきあい始めた後が大半です。唯はっきりと告白せずにべたべたしてくるのが特に三角関係のサブヒロインに多く見られます。
- 親しい時には恋愛感情が顕在化している告白側としては逆に失われるかもしれないものとしてその親しさを位置づけてしまい、告白できなくなるケースが多いです。本当は告白したいのについいつも通りにふざけあってしまい、後で落ち込むとか相手の取り持ちをしてしまうとかにもなりがちです。告白される側として注意すべきなのは、つい冗談めかして流そうとしてしまう(これをやられると告白する側もそれに同調して冗談にせざるを得ない)事があります。まま見られる関係として男女混合のなかよしグループの中で主に男の子のほうがふざけた感じで「好きなんだし」とか「俺とお前の仲じゃないか」などと言葉や態度(かなり強いスキンシップ)でからんでくる事があります。その場合にはその男の子のほうは本気ですが、女の子としてはそれが信じられずに冗談と思い込むか何考えてるか分からないなどと混乱するかして受け止めません。この場合にも告白は難しくなりますね。
- 普通ですと告白する側が告白の前に(心の準備のため)よそよそしくなり、トラブルの元になる例が見られます。される側としても今まで通りの態度を保てずにばれたり逆に今まで通り過ぎてNoだと誤解されたりがあります。つっかかるのは所謂喧嘩友達の仲です。この状態では急に改まって告白するのはとても気恥ずかしいものがあります。告白の準備段階で今度こそと思っていたのに又つっかかちゃった、と反省するのはよくあることです。男の子が告白するときにはトラブル解決でなければかなり女の子から見れば突然で戸惑わせることになります。その段階では女の子の側の恋愛感情が顕在化していないか本当は別の人が好きか、です。女の子が告白できたときにはもう男の子はとっくに顕在化していてめでたしめでたしとなることが多いですね。唯その時に目撃者があるとつい否定してしまって悲惨なことに。
- 無視にはお互いに何の関係もない、憎悪もしくは嫌悪、一方的な軽蔑等が考えられます。お互い関係が無い状態のままでは結晶作用の大きい恋愛になりがちで、その告白ではいったん振らせておいてその後同居などの結び付けを設けて始め直す形式がしばしばとられます。告白する側としてもその時の可能性の少なさは少し考えれば分かりますから難しいです。
- 全く知らない人に告白されるのは普通嬉しいより(相手がよっぽど美形でなければ)ぞっとしません。
- 憎悪もしくは嫌悪のような強い負の感情があるときには告白する側としてはわだかまりを解くだけでなく態度においても強い自律心を必要とします。される側にとっても大変なことで、誤解が続いている状態のときには勿論受け入れ難いですが恋愛感情がお互い顕在化した状態であっても今までの態度からの急な転回はしにくいです。唯特に嫌悪感でも女子の理由の無い生理的な嫌悪感だけはどんなことがあっても解けることはありません。どんなに深い想いも却って恐怖感と嫌悪感を増すだけです。
- 一方的な軽蔑については誤解であることが多く、それが解けてしまえば後は態度の惰性だけの問題です。
それではこの辺で。次回は三角関係状況下での告白と結果についてやります。何か質問は?御静聴深謝。
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