パターン分類8ー5

んちゃ、講義を始めます。出席カードを回してください。

今回は三角関係下の告白についてです。総論については三角関係のところとトラブルのところを参照していただくとして(相当重複するのは避けられませんが)、パターン別に告白それ自体とその結果についても軽く考察していきます。やはり三角関係の経過についての考察はかなり甘く、そのあたりについては一度きちんと検討し直したほうがいいかも知れません。

三角関係下での告白についてですが、三角関係のバリエーションごとに誰がだれにを考えていきます。

女二人に男一人、女一人に男二人、男女各二人の四角関係の三つが代表的です。それぞれ及びそのほかのパターンについての詳細は復習してください。前述の通り三角関係において告白は少なくとも急展開、大抵決着のきっかけになります。又告白から始まる三角関係というのも多く見られます。その告白には恋愛の告白以外に真実の告白として友達でもあるライバルに自分も同じ人のことが好きと告白するものがあります。それについてもここで議論します。

女二人に男一人型の三角関係において、誰がだれにの組み合わせとしてはヒロインがヒーローに、サブヒロインがヒーローに、ヒーローがヒロインに、ヒーローがサブヒロインにの4つが考えられます。そしてヒロインとサブヒロインの間に三角関係についての告白があります。

告白の時の状況について考えてみますとヒロインとサブヒロインの関係、ヒロインとヒーロー、サブヒロインとヒーローの(現実とヒロインの憶測の)仲について考えれば十分でしょう。

ヒロインとサブヒロインの関係としましては無関係、友人で喧嘩、仲良しのままに大ざっぱですが分けられます。ヒロインとヒーローについてはトラブルの有無のみが注目すべき要因です。サブヒロインとヒーローの関係には本当の関係と主人公の主に誤解である関係の両方が考えられます。無論ヒーローとヒロインの関係にもサブヒロインの誤解があります。

ヒロインのほうが三角関係と分かっているがサブヒロインのほうがヒロインの気持ちを知らない場合にはそれが判明することから喧嘩になるケースが大半です。判明については偶然、ヒーローの告白、ヒロイン(がサブヒロインに対して三角関係であることについての)告白等によります。偶然について詳しくはハプニングについての議論と補論も参考にしてください。恋愛の相手にばれるケースと大体同じ事です。この時に起きることはまずサブヒロインの激怒があり、ヒーローがヒロインのほうを好きな場合には理解していくにつれて最終的に譲る(ここで救済のためのサブヒーローが登場する事も多い)事になります。ヒーローがサブヒロインのほうを好きなケースではヒロインはヒーローの気持ちも知っており(サブヒロインともう既につきあっているケースを含む)、恋愛については諦めています。この場合にはサブヒロインの怒りかたは罪悪感と屈辱感(哀れみで譲られたと感じるため)で「余計なことをしないでよ」と言った形になりますね。この場合にはまず偶然でばれることになります。コンプレックスのぶつけ合いになることも多く、そちらが話の中心であることも。

その逆のときにはヒロインのほうが主眼となり、ヒロインの心理とヒロインとサブヒロインの友情を軸に話が展開していきます。

ヒロインはサブヒロインが自分のヒーローに対する気持ちを知っているとは思っていないけれど本当はとっくに知っているというのはヒロインのほうがある意味サブヒロインをなめているということです。サブヒロインに自分の気持ちを隠す動機にはサブヒロインが三角関係に耐えられないと思い込む(この場合普通ヒロインのほうが保護する関係が多い)とかサブヒロインに嫌われたくないとかです。本質的にサブヒロインを信じていないわけです。その余計な思いやりがサブヒロインから見ると思いやっていてくれているのは嬉しいけれど対等のライバルと認められていないようで悔しい、そして実は分かっていることを言えないというようなアンビバレンツがあります。この状態ではヒロインもサブヒロインも自発的には告白できません。偶然もしくはヒロインのほうがサブヒロインの取り持ちをして告白を強要することはありますが。その時は既述の通りヒーローがヒロインに告白し、それに戸惑ったヒロインが拒絶、そこでサブヒロインが実はヒロインの気持ちを知っていたことを告白して譲ることに。ヒーローのほうからの告白だったらサブヒロインに対してでしたら上と同様、サブヒロインに対してでしたらそこでヒロインの祝福に対してサブヒロインが感情をぶつけ、全てを露にします。

その逆であっても起きることは同じで、感情描写が主体にになるだけのことです。

補論;厄介なこととして告白の目撃があり、それについてもここで簡単にまとめておきます。

目撃については好きな相手に他の女の子が告白するのを目撃したか、逆に自分がしたのを目撃されたか、あるいは好きな男が他の娘に告白したのを目撃したか、自分がされたのを目撃されたか、無関係な告白を目撃したか。

好きな相手に他の女の子が告白するのを目撃したときはそのとき既につきあっているかどうかに分かれます。つきあっていれば軽く嫌味を言える仲ならよいのですが不安に駆られて相手を試そうとし、いらぬさわぎになったりします。つきあっていないならOKかどうか。OKだと地獄に真っ逆様。そのときには例えば相手が自分に思わせ振りな言動をしたので復讐する、とか慰めようとしたもう一人の男にひどいことをし、後で謝ろうとしてくっつく等。NOだったらまず誰が好きなのか問いただし、その返事(主人公)を聞き逃すことに。聞けるときもありますが。

自分がしたのを目撃されたときには目撃者が告白の相手を好きな親友で、その相手を自分も好きなことを隠していたりしたら泥沼ですね。なじられて辛い思いをし、諦めようとしたりきちんとライバル宣言をしたり。また無関係の級友に目撃されたら噂地獄に。

好きな男が他の娘に告白したのを目撃した場合はその相手が親友ならとりあえず祝福し、またその親友が主人公の気持ちを知ってて断ったときにはでていってまとめるなど。

自分が告白されたのを目撃されたケースでは告白してきたのが好きな相手か、だとしたら目撃者は他のその彼を好きな娘か主人公を好きな男子か、好きじゃない相手に告白されたら目撃者が本命かその告白した人を好きな娘かに分かれます。恋愛的に関係の無い相手に目撃されたときには噂で、間接的ですが結果的には好きな人に目撃されるのと一緒です。

好きな相手に告白されたらまあめでたしめでたしなのですが、目撃者もその相手を好きでしかも親友、ついでに自分も彼のことが好きと言っていない場合OKしたらそれは裏切り以外の何者でもありません。断っても相手とはぎくしゃくするわ後悔するわ譲った親友に後で責められる(その時にヒロインの気持ちに気付いているケースといないケースがありますがどの道早いか遅いかの問題です)わで大変なことになります。親友でないライバルの時には{意地悪役〜}の場合ですとそれがきっかけで追いつめられた意地悪役が命に関わるような大陰謀を仕掛けるきっかけになったりします。

目撃者が他の主人公を好きな男子だったら主人公は大抵その場では返事をあいまいにし、その横恋慕しているほうがまとめてくれます。その場で出てきてと後での両方の場合が考えられますね。

好きじゃない相手に告白されるのは厄介で正直迷惑です。特定の好きな人がいないときにはいいのですが、いるときには断らなければなりませんから。特に本命が目撃者ですと厄介で、本命がまだ主人公の気持ちを知らないときなどは取り持ちをされたりします。でも後になってそれが本命のほうの顕在化のきっかけになっていたりしますから、全部が迷惑とは言い切れないですね。又既につきあっている状態で別の誰かが割り込む形で告白してきたら嫉妬で大変なことになります。

その告白してきた相手を好きな人に目撃された場合には大概その場で断り、そのことについて後で責められて本命を白状するはめになります。

ヒロインとヒーローの関係について一般論としては既述です。

サブヒロインとヒーローの関係についてですが、ここで重要なのは実際のことよりむしろヒロインがそれをどう思っているかとその実際とのずれ(誤解)です。その誤解の原因にしばしばヒーロー本人の言葉などがからむ(サブヒロインのことをどう思う、と水を向けたら可愛いと答えられ、どん底等)事があり、やっかいです。サブヒロインとヒーローが好きあっていると誤解している(この時には本当はサブヒロインもヒーローでは無くその友達を好きだったということもよくあります)時にはヒロインからヒーローもしくはその逆の告白で訳のわからないことになったりします。その場合には三角関係自体がヒロインの独り相撲だった、ということになりますね。

長くなりましたので続きは次回とします。何か質問は?御静聴深謝。

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