パターン分類8-9
今回で一応告白は終わりです。くたびれましたがやりがいがありました。今はこれが僕にとって一種の生きがいになっています。
何より頭を使っている実感があり、次々に物事が見えてくる快感は何にも替え難いです。というわけでこのログメモリと時間*通信費の無駄にもう少々(ではすまないと思いますが)おつきあいくださいませ。何で理学部数学科には卒論というものがないんでしょう。まあ学部でやることなんてほんのさわりだからですが。なんだか本当の能力を試す機会も与えられないような気がしますし、全校で我々だけが正式な学術論文の書き方の講義を受けられないというのがとても悔しいです。
んちゃ、講義を始めます。出席カードを回してください。
今回は予告通り恋愛以外の告白について。
その前に少し前回の補足をします。前回系統的にまとめていなかったのですが、告白とそれに対する対応において非常に重要な要素に冗談があります。内容的には重複しますが、まとめておく必要はあるでしょう。
これが重要になるのは告白のとき、告白の直後のフォロー、その返事です。
告白自体が冗談なのは言語道断ですが、そこから始まるパターンもあります。{からかったつもりが本気に}の変形として冗談(普通は賭け)で告白し、それで相手が本気になるのにつられて自分までいつの間にか本気になり、その前後(本気になってからばれることもありますしばれたことがきっかけになることもあります)相手に冗談だったことがばれるのだがプライドを振り捨てて謝り、くっつくというものです。また、告白時点の関係のところで既述ですが友達同士で冗談めかして「好き好き」と気軽な口調で言い、そのせいで相手は本当の気持ちに気付けないと言うのもあります。これは言う側としては照れ隠しでしょう。友達同士の中で顕在化した気持ちをどうしていいか分からず、改まるのも照れ臭いのでできるだけいつもの感覚で好きと言う・・練習と言いますか、通じないのは分かっているので半ば壁や枕に言っているのと変わらないでしょう。又抱きつきながら言ったりとスキンシップとからむこともあり、これは男から言えば冗談にまぎれて接触したいということです。相手は気持ちが顕在化した後は不安です。信じていいのかそれとも冗談なのか。そこからトラブルが始まるのが一般的な経緯です。100%振られている(相手につきあっている相手がいる)ことを知っているときに、特に卒業のときなどに冗談にまぎれて口にしておくこともあります。
告白の直後のフォローとしては告白した後恥ずかしさに負けて「なんてな」等とごまかすことで照れ隠しを計るものです。これは相手にとってみるとまあほっとしますが肩透かしであり、期待していたときには残念で腹立たしいです。又一度これをやるともう信用されなくなり、大変です。もう一つ前回説明したNoのときに相手に対する思いやりから冗談と言うことがあります。相手に重荷を背負わせないためにで、愛のために敢えて泥をかぶる気高くも切ない行動です。
返事として、その受け止めるのを拒否した対応の一つに冗談めかすことがあります。「冗談ばっかり!ほら授業始まるよ」等と。これは意識的であるのとそうでないのがあります。意識的なのは拒絶するしかないときで、相手の傷を最低限に押さえてかつ自分も守るためです。無意識なのは戸惑いが強いときに自己防衛反応としてで、卑怯と言っていいでしょう。相手にとっても残酷です。真剣に告白しているのに、冗談なんかじゃないのにと。そう言って気持ちを押しつけたら冗談扱いしたのが意識的無意識的を問わず、女子なら耳を塞いでヒステリー反応を示すなど強い拒絶を行います。一種の逃走です。これをやられると告白したほうも罪悪感を持つことになります。
もう一つ補足しておきますと、言うまでもないことですが告白とその返事の嘘は重大な結果を生みます。これについて全て議論すると大変な量になるので略しますが、基本的には告白する側が嘘で告白する、告白の後にそれを否定する(上述の冗談と言って相手を傷つけまいとするのと同じ、又は何らかの事情)、告白された側が家庭、三角関係などの事情や意地、誤解などで嘘のNoを言う、何らかの事情等で好きでないのにつきあうことを承諾する等。その真相が伝わるルートには大別して二つあり、嘘をついた者の意思かそうでないかです。そうでないケースには偶然でとか友人及び(諦めて協力に回った潔い)ライバルなどが伝えてくれたとかがあります。
更に告白の後についても多少補足が必要かも知れません。考えれば分かると思ったのですが、それを言ってはこの講義の存在意義が無いので。
- 告白の返事がOKならつきあうだけ、と普通はなるでしょうがそうとは限りません。卒業や転校などの場合には特に低年齢の場合確かめ合ったけどやはり上手く連絡手段が作れなくてそのままと言うケースも散見します。また、両思いでも色々と事情があってつきあえないと言うのもあります。何か願掛け(入試、スポーツの試合の勝利や記録等)が済むまではつきあえないとか自分が見てやらなければいけない人がいるとか。それで思いを確かめあっているにもかかわらずすったもんだが続くことも。
- Noでも後で色々あり、結局はくっつくケースも多くあります。Noの特別の理由があるときにはそれが取り除かれればよいですし、本当にNoであっても気持ちが次第に変化していくこともあります。その際、Noの後に何らかの形で近づくこと(同居することになるなど)になって、ということが多く見られますね。長期連載向きのパターンです。
最終的にはつきあうかどうかが一番の分かれ目です。
恋愛以外の告白については友人間、家族、教師、先輩後輩等が考えられます。
詳しくは恋愛以外のパターンになりますので概略のみ。恋愛以外の告白は基本的に嘘又は隠し事です。隠し事には隠していた本当の気持ちも含まれます。
友人間では嘘や隠し事には三角関係がらみとそうで無いものにまず分けられますが、三角関係の中で他の感情も同時にしこりになっており、それを告白することもあります。事はその点単純じゃないです。
- 三角関係については既述ですが、それに付随する感情について少し考えていきます。男一人女二人の三角関係では前述の通り通例全くの対等ではなく、タイプとして対照的で敵対なら変種の上下関係(その極端なのが意地悪役)、親友なら庇護関係がよく見られます。それに限らず、何らのコンプレックスももたない人間関係などありえないのですが特に三角関係ではそれがはっきり出、三角関係であること自体言えない場合は勿論ですが、お互いにオープンであってもその微妙な感情までは言えないし分かり合えないものです。それはかなり年齢差があっても同じ事です。大抵は三角関係の事実を告白する(既述)と同時にその感情についても告白することになります。所詮人間関係はお互いの忍耐でなり立っているものです。(お前にだけは言われたくない、常に耐えさせてばかりなのに!!言われる前に自分で突っ込んでおきます。自覚すれども反省はせず(リナ・インバース)ではなく、自覚も反省もすれど改善の可能性無しです。余計なことをしたらかえってひどいことになるもので)その感情については色々とありますが、基本的には自分に無いものを相手が持っている、そして関係そのものに付随するコンプレックスです。嫉妬と憎しみさえ心の底に抱いているものです。このような感情の噴出は同性の場合、激しい喧嘩として顕れることが多いですね。具体的には変種の上下関係の場合には当然下に見られ、いじめられてきたほうはその恨みがたまっています。しばしばいじめていた側はその相手が苦痛を感じていたと言うことさえ理解できないものですから。また、いじめたほうにもこのような場合一種の恨みがあるものです。相手の心の奇麗さそのものが眩しく、それに惹かれるヒーローの気持ちも含めて不愉快極まり無いものです。善悪はともかく、周りから見れば完全無欠のお嬢様でも内面としてはかなり苦しいものがあり、何か、特にヒーローのヒロインに対する告白と支配するほうに対する弾劾をきっかけにそれが堰を切ることがしばしばあります。
- 庇護関係でも特に庇護される側が強いコンプレックスを抱えているケースが多いです。具体的にはまず一種の被害者意識です。庇護されていると言うのと支配されていると言うのは紙一重で、結構耐えていることもよくあります。また庇護しているほうの大人っぽさ、優秀さ等にも憧れ、それが反面で嫉妬になって心の奥底にたまっています。そのことが三角関係で庇護している側が三角関係であることをされている側に伝えず、隠しているのについて子供扱いされ(女として対等に見てもらえず、侮辱され)ていると感じているものです。庇護している側もまたそれが負担になり、相手のわがままを耐え、自分が犠牲になっている(と思いこんでいる)ケースが見られます。
- 男二人女一人の三角関係でも男同士で上に似たことがあります。この場合には男同士だと女同士に比べて特に競争が強調される傾向があります。
- 現実には今時の男と言うものはもっとどろどろしていますが、少女マンガでは今でもかなりからっとした男像に描かれております。具体的には拳で話をつける事が多いです。
- 三角関係がらみでない同性の友人間での事についての告白では、大体単純な嘘が基本です。また他の強い恨みや感謝の気持ち等も見られます。詳しいことは恋愛がからまないケースに回します。恋愛以外のパターンそのものが全然見えていませんから。
家族間の何事かについての告白は三角関係、恋愛それ自体、それに付随する言動、金銭等その他のトラブル、進路等についてのが考えられます。
- 三角関係について、大部分は既述ですがまたここでも上と同じ、否それ以上に強く様々なコンプレックスがあります。詳しい事は専門書をひもといてもらうとして(専門用語の羅列がこの講義の目的でもないし必要もないでしょう。今まで散々やっていますが。釈迦に説法かも知れないし、第一何単位か他学科履修制度でとっていますが専門分野ではないしそれで間違えていたら大恥ですしね)、様々な三角関係でそれが出てきます。女の子は母親対してほとんど生まれながらにライバル意識と抑圧(教育でもあるのですが)に対する恨みがあります。また姉に対してはその変形としてのライバル意識と大人に対する羨ましさがありますね。母親ほど極端に離れていないからこそ、大抵思春期の母親が女であり続けることは無理ですが姉は身近で一番魅力的な年代に見えるものです。又妹も厄介です。両親の愛を奪われたという無意識の恨み(カインコンプレックス)が残っていますし、大抵パターンとして大人っぽく奇麗な姉と子供っぽくて可愛く、活発な妹ですからその意味でも互いに自分にない魅力を見ています。そしていつも年長であるが故に不利な立場に立たされてきた恨みもたまっています。男の子にとっての父親、兄、弟もそれぞれ詳しくは違いがありますがここではほぼ同じ事と言っていいでしょう。また、もっと単純なことについてのしこりや恨みがたまっていると言うのも同居している分多いでしょう。親子兄弟でも本当に何でも言える仲などありえないですから。三角関係において、それらが膨らんでいって感情的に爆発し、吹き出してしまうことがよくあります。これは三角関係以外でも何らかのトラブルからとしてあります。
- 恋愛それ自体の告白はやや幼い親が半ばからかう形で子供の恋愛について聞き、答えを拒否してトラブルとなり、結果どうしようもなくなってといったものとある程度年長になってから、特に禁止されている相手(親同士が仲が悪い、本当は兄妹であることを隠している、復讐などの複雑な因縁、差別など)との交際や男女交際それ自体の禁止に対する告白があります。
- 恋愛に付随する言動についてはやはり秘密のデート、宿泊を含む旅行(これは幼年少女誌の範囲ぎりぎりですがうまくごまかすことはあります)、親に内緒で部屋にいれたなどがあります。詳細は後程。
- 金銭に関してはいじめで恐喝され(どこがいじめなのでしょうか、完全にマフィアの犯罪じゃないですか)、家の金を持ち出すという重大なものから子供が陶器等を割ってしまい、そのことが報告できないなどの比較的小さい事まで色々とあります。
- 進路はかなり大きい問題ですが、普通長編連載以外では出てきません。ましてそれで、親と相談したりはよほどの事態です。特に親がレールを敷いているとき(医者、弁護士、伝統芸能、クラシック音楽、財閥等)はそれに反抗する事があり、それを話すこと自体が大変なことです。又普通の家庭でもリスクの大きい能力型で不安定な進路(芸能界、芸術など)は反対が大きく、同様のトラブルが発生します。
教師との恋愛以外の告白としてはかなり古臭い印象があり、むしろ少年誌のパターンですがやや私的に(食事したり寝転んだりして)教師と話す中、教師の方も心を開いて話し始め、それにつられて自分の悩みを吐露していくという形があります。また器物の破損、万引きなどかなり重い犯罪行為についてもあるかもしれません。男女交際禁止の場合、反発から交際宣言で対抗することもありえます。
先輩後輩と言うのはある意味教師と友人の中間的な存在です。問題もそんなことです。
今回は概論のみとし、詳しいことは次回以降の付き合い初めてからが終わった後に考えていくことにします。
レポートとして好きなマンガの告白シーンの分析と自分の体験の分析(こちらは提出しなくていいです)を各400*5〜7枚ぐらいで再来週のこの時間までに提出すること。名前と出席番号を明示し、授業後又は研究室に。
何か質問は?御静聴深謝。
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