パターン分類9-13

んちゃ、講義を始めます。出席カードを回してください。

今回はプレゼントについて考えていきます。プレゼントは男女の中を深めるための有効な手段であり、いいアクセントにもなります。補講でやる予定でしたがつきあっていない状態でのプレゼントについてもここでまとめます。少しならず重複しますが。

一般論としてプレゼントについてですが、当たり前のことですがプレゼントには理由と内容、渡す経過と状況、結果があります。ここでは男女間に限定します。

重複がありますが内容についてまとめますと、まず男子から女子へと女子から男子へに分かれ、男子から女子の場合には大別して喜ばれる物と喜ばれない物に分かれます。喜ばれるものは花、什器等で女子の目から見てもセンスのいい物とちょっとしたものだが女子のつぼをついているものがあります。センスのいい物は始めから女子の心理に詳しいケースも年上などでみられますが、大抵は女性によるアドバイスにしたがった結果です。そのアドバイス自体が様々な誤解の種になります。ちょっとした物が非常に喜ばれることもあり、心がこもっているものやたまたま欲しかったもの、誕生日においておめでとうの一言や特別な日に単にそばにいてくれることもそれに含まれます。喜ばれないものは基本的に女子の気持ちを考えていないもので、男子の感性が暴走したものや嫌がらせの意図があるもの、過剰に高価なもの等があります。一般に男子は女子にプレゼントをするのは照れてなかなかできないものです。女子から男子へも大略は同じですが、特に多く見られるのは手編みのマフラー、セーター、手袋などと手作りのチョコレート、ケーキ、クッキー等の菓子類です。これらは一般に自分の手で作ることが奨励され(だったらホワイトデーの飴もアクセサリーも手作りにするのが公平だと思いますが)、女子が器用なことと不器用でないことが極端です。少なくとも昔は主人公は全て不器用で、その失敗と失敗作にもかかわらず喜んで受け取る男子の優しさがパターンでしたし、今でも少なくありません。しかし最近はそのパターンにこだわらず、むしろ渡すプロセスに力を入れるケースが多く見られます。仕上げに手間取り、結果的にパーティに遅刻してしまうと言うのが多く見られますね。

プレゼントの形式的な理由にはつきあっていない場合は相手の誕生日、クリスマスやバレンタインデー、ホワイトデー等の行事や何らかのお礼、見舞い、貸し借りに近い急場のちょっとしたもの、別離の形見、お中元や引っ越し等に付随する礼(年賀状等もそれに近い)、差し入れ等があります。つきあっている場合には上記の全てで義務に近い形になります。

誕生日プレゼントはある程度親しい(ただのクラスメートでは難しい、幼なじみで毎年の習慣か親しい友達同士)か何らかの感謝が混じるかです。習慣でないときには義理だけではなく好意が混じっています。告白なしで好意が伝えられるため、顕在化していても告白できない時には便利です。内容は男子から女子にの場合は間が抜けた物と気の利いた物、嫌がらせに近いものに大きく分かれます。間が抜けた物は女子が普通は喜ばない物で、飾り気の無さ過ぎる物やギャグに近いほど極端に流行遅れな物、センスが外れている物、故意でなくマナー違反な物、また大げさな物などがあります。逆に見た目は悪いけど心がこもっていて結果的に喜ばれると言うのもあります(これはむしろ女子から男子へ)。気の利いた女子に喜ばれる物は花、アクセサリー、マグカップなどの什器、学習用具、リボンやハンカチ等でかわいらしく、女子向けの物です。嫌がらせに近いものは何らかの復讐やからかい半分で計画されるもので、蛙等の動物(のおもちゃ)、変な人形、あまりにも幼稚な物、時限装置式の花火などびっくり箱の類等があります。これは女子を泣かせる結果になります。注意すべきは一般論で片付くとは限らず、女子の好みにも個人差があると言うことです。それを利用したパターン{本当の好み}もあります。普通男子が女子向けの物を購入するのはかなり恥ずかしく、またどのような物がいいのか判らずに他の女子に相談し、それを目撃されて誤解に陥るのもパターンです。特殊なやり方で誕生日の朝、机の上や玄関先に花束をという手もあり、謝るときに便利です。感謝のためのときなどは誤解されないよう気を使います。女子から男子は誕生日が祝日(75.2.11)で経験が無いのでよく判らないのですが・・平日でも同じでしょうけど・・作品中では恋愛感情が顕在化しているかつきあっている場合には手編みのマフラーやセーターなど、ペアの什器等があります。恋愛抜きのときには比較的安価で実用性の高い筆記用具等になります。状況ですが、細かい議論は抜きにしますとパーティ等の集団でと個人的にに大別できます。集団の時には公然と渡せますが目撃されているので大げさなものや気持ちがこもりまくっているものはつきあっていない場合は渡せません。個人のときにはそれこそ渡すの自体が大変です。つきあっている状況では秘密交際でなければ公然と渡せるのですが。付随して誕生日を忘れた関係のトラブルもあります。

クリスマスプレゼントは親しい仲で、パーティなどでランダムなプレゼント交換の形を取ることもあります。この場合も恋愛感情を告白することなしにプレゼントができるため便利です。クリスマスには例えばサンタクロースの人形やクリスマスリース等それ独特のプレゼントがあることも特徴的です。クリスマス独自のパターンの多くがそれらのプレゼントに関係したものです。男子から女子へは普通あまりロマンチックなものではないですが、欲しがっていたサンタクロース人形や幼なじみの場合思い出の絵本等恥ずかしいものもあります。女子から男子の場合告白を兼ねる場合には手編みのマフラーやセーターもあります。そうでないときには誕生日同様当たり障りの無いものですね。

バレンタインデーは普通女子から男子へ、愛の告白を兼ねてチョコレートを贈ることになっています。細かな蘊蓄については今カトリック大事典が手元に無いですし言うまでもないので触れません。それは本命チョコと義理チョコに分かれます。本命が告白をかねてやつきあっている状態で、義理が恋愛感情抜きの社交辞令です。理由としてですが、義理には親しいとかクラス中に配っているとか以外にも何らかのお礼や幼なじみの習慣などが見られます。つきあっていない場合直接告白と結びつき、その点いい機会でもあるのですが難しいです。義理チョコに混ぜてという手もありますが。逆に義理チョコのつもりが誤解されると言うケースもあります。一般的にバレンタインデーが近づくと女子は告白を意識するようになり、男子は内心ひそかに期待を始めます。プレゼントの内容ですが、無論チョコレートが一般的です。同じチョコレートでも一番値打ちがあるのが手作りで、次いで高級品ですね。またクリスマスに間に合わなかった手編みのセーターやマフラーも多く見られます。義理チョコの場合は大抵安価な板チョコの類です。注意すべきは学校によって校内でのプレゼントが禁止されているケースが多く、それをどうするか自体が十分パターンになっています。また男子から渡すこともしばしばあります。

ホワイトデーはバレンタインデーと日本において対をなすもので、男子から女子にお返しをする日です。直接告白というのはあまりありません。その場合にはバレンタインデーにです。それだけに理由も返礼が基本で、キャンデーが主ということになっています。他にも様々なものがありますが、高額な物は普通高校生以上か上流階級です。バレンタインデーに対する返事をそこまで引き伸ばすケースも多く見られます。

何かのお礼というのは何らかの助けを受けたときにその返礼としてのプレゼントです。助けで多いのは暴漢からの救出(夜道で襲われかけた所で守ってくれる)、激励、何らかの窮地に追い込まれたときの助力等があります。これは一般に大人の儀礼で、親が代わって相手の親にお礼の品を調えるということもということも深刻な事態の場合しばしばあります。子供どうしの場合大抵女子から男子でちょっとしたお菓子の差し入れが多いです。

見舞いは病気や怪我で入院した等が主です。理由としてはつきあっているからはもちろんですがある程度親しい仲で心配だから、そうでなくて恋愛感情を理由としない場合には自分が何らかの形でその怪我に関係しているからです。それにはかばってもしくは守るため戦って、女子のほうのミスに原因があったなど何らかの責任があるケースです。そこから豊富な三角関係のバリエーションがあります。見舞いが看病の始まりであるケースも多いです。恋愛感情がある場合も無論プレゼントをして見舞いにつなげるきっかけになります。保険室程度の場合には単に顔を見るだけの見舞いで、プレゼントは無理です。せいぜい校庭の花とかですが、それ以上に喜ばれるものはありません。自宅療養や入院時には花、果物、本等が見舞いの品としては一般的です。本の場合にはレベルが違って(優等生にマンガを持っていったり逆に優等生が気を利かせたつもりで参考書や極端な場合洋書、哲学書などの読むのも難しいような本を持っていく)間が抜けてしまうこともあります。特に女子が入院して男子が見舞いに行く場合には花を買ったりがしにくいので女子がまず喜ばないような本を持って行ったりすることが多いです。幼年少女誌では見られませんが、男子が入院したとき年上か精神年齢で優位に立っていて男子のほうの気持ちに気付いていない女性の幼なじみの場合にからかい半分でH本をというのもあります。またあまりに不器用でひどいものを食べさせ、かえって病気や怪我を悪化させる(一撃必殺シチュー@魔術士オーフェンはぐれ旅)ことも。

貸し借りに近い急場のものは学校で普段使うようなもので、筆記用具や体育用具等です。要するに忘れ物をごまかすためのものです。この場合には返し損ねてそれが重くなり、結局告白まで行くことが多いです。また返し損ねる理由が転校であるパターンもあります。つきあっている状態では特別のことではないので話にはからみません。

別離の形見は卒業や転校のときで、卒業時の第二ボタンなど、幼い時の転校、話の中での転校に分かれます。卒業時に女子が好きな男子に記念として詰め襟の場合第二ボタン、ブレザーの場合ネクタイをねだる風習があります。意味はまあ感染呪術で相手を手元に止めておきたいと言うので、なぜ第二ボタンかは心臓に一番近いからでしょう。心臓は無論呪術的にも命そのものですから。他にも特に後輩から卒業生で花束やリボンなどがあります。それらは行事として行われることが多いのですが、独立してもあります。これらの場合は第二ボタン等をねだる行為自体が事実上の告白です。幼いときの転校は形見があるとそれが極端に美化された思い出と結びついて宝物になってしまいがちです。具体的な品には貝殻などの拾ったものや(押し花にして保存している)花等があります。大抵再会した彼は変わっていて、思い出さえ踏みにじって・・・となります。話の中(回想である前のケースとは違う、現在のこと)での転校でも少女マンガでは面と向かってちゃんとしたプレゼント>はしにくく、何かに紛らせたちょっとしたものにとどまることが多いようです。またこれはプレゼントされるものではないのですが、記念写真等を大切にするのも同様に推移します。普通別離においてはむしろ気持ちを確かめ合い、連絡先を伝えることのほうが重要です。この発想は幼年少女誌ではないですが、キスするなどのスキンシップをプレゼントにすることも見られます。大抵友人の面白半分のけしかけです。

お中元やお歳暮等は大人の儀礼ですが、例えば家庭教師など大人が関わっているときには考えられます。子供同士では年賀状やクリスマスカード、暑中見舞い等が多く見られます。これらは手紙の一部ですね。

差し入れについては以前かなりやりましたが、一応まとめておきます。多くは女子が運動部の男子に激励の意味(と恋愛感情)を込めて菓子類、スポーツ飲料、タオル等衣類を公然ともしくは秘密裏に差し入れる行為です。公然と渡すのは同じ学校の場合はふだんの練習終了前後、他校生の場合には試合直後などに待ち伏せて渡します。秘密裏の場合は相手のロッカーや下駄箱、名札をつけて目につくところ等に置いておきます。ラブレターと重複するところが大きいです。関係は単なるファン、幼なじみ(この場合のみ差し入れの対象がスタープレーヤーでない場合がある)、恋人同士があります。これは大抵恋愛感情を意味し、対象がスタープレーヤーの場合には憧れの恋でしかないケースも多く見られます。

渡す経過についてですが、仲がいい場合には特に問題はないのですが悪い場合やトラブル中では渡すこと自体にトラブルが多発します。詳しくは告白における手紙についてとほとんど一致します。別に大したものではないのに、貰った物が重くなって恋愛感情の顕在化にいたる、というのは見舞い、ちょっとした貸し借り等の友達同士で当然な物からよくあります。バレンタインの本命チョコやクリスマスプレゼント等は告白に直結します。その場合にはプレゼントの紛失、不器用さによる引け目等が話の中心になるケースが多いです。また既述のように両親や先輩、意地悪役等による妨害もあります。細かな状況とそれぞれのパターンについては重複しますし補講に回します。

結果としては喜ぶのと喜ばないのに分かれ、喜ぶのもその時には拒否して後でとその場から喜ぶのがあります。

その時に一時受け取りを拒否する理由は目撃による羞恥、見た目の悪さ、態度の惰性などがあります。

その場で本当に喜ぶ場合には問題なしです。プレゼントしたほうも本当に嬉しいです。なお、よく見られるケースに料理の得意な女子が食いしん坊の男子によくお菓子の類を差し入れ、男子のほうは恋愛感情を全く意識せずに無邪気に食べ尽くしている、女子もそれで物足りない想いもあるけどやはりおいしく食べて貰って幸せという関係があります。

結局喜ばれないのはまあ失恋と同じことでしょう。その場合には前述の通り{青い鳥〜}パターンが発動します。

つきあっている状況下では普通双方の誕生日、クリスマス、バレンタインデー及びホワイトデー、場合によってはつきあい始めた記念日にプレゼントが当然必要になります。無論それで、もし何らかの手違いで渡し損ねたときには重大なトラブルの種になります。かと言って逆に無理しなくてもそばにいてくれることが最高のプレゼントと言うのもありますが。よくプレゼントをめぐって何らかのトラブルが発生し、それの解決とプレゼントを渡す行為が直結するトラブル解決型再告白の形になります。その場合特別な理由なしのプレゼントというのももあります。プレゼントの内容については上で講義した通りです。また、詳しくは浮気のところでやりますが、つきあっているにも関わらず他からプレゼントが贈られるケースや前の彼女と関係する品を後生大事に持っていることに対する嫉妬がしばしば見られます。

それでは今回はここまでにします。何か質問は?ご静聴深謝。

もくじへ

もえるごみへ

ホームへ