指令塔

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巨大な門がある。奥から声が聞こえてきた。
「NOを入力してください。」
ガーゴイルは、メインコンピューターがはじきとばしだした紙に記されていたNOを入力した。
ガーゴイル「ここに、今までの全ての出来事を考え出した親玉がいるってわけだ。」
一行は中へと入っていった。

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一行が、その部屋に足を踏み入れると、全ての視界が消滅した。
そこには何もなかった。
ただ、限りない無が広がっていた。
彼らには今ここに、どのような状態で存在しているのかも、わからなかった。
突然、シャーマンの壷が落下し、砕けた。
ここには、上下も、まして底などないはずなのに・・・

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その中から、8匹の魔物が出現した。
全ての魔族が一同に会したのである。

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12人を、まばゆい光が包み込んだ。

スライム「ぐあっ、体が熱い。焼けるようだ・・・」
彼らはその場に倒れ込み、しばらくの時が流れた。
そして再び彼らが目覚めた時、その姿は異様に変ぼうしていた。

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それは紛れもなく、人間の姿であった。
ミノタウロス「どうしたというのだ。」
Aスフィンクス「これは・・・人間の体。」

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12人の足元に、一つの星がうかびあがった。
彼らはその星に深い安らぎと懐かしさを感じた。
「ようこそ、待っていたよ。これが君達のそして私達の星だ。」
どこからともなく声が聞こえてきた。
12人は、いっせいに、その声の方向へ向きなおった。

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それは異星体であった。
彼は優しくゆっくりと語りかけてきた。
「ようやく人間の感情を取り戻したようだね、私の肉体よ。」
ガーゴイル「肉体?」
異星体「そうだ。君達は精神の抜け殻となった肉体だったのだ。人類は滅亡を理解した時、はるか昔人間が忘れさった感情を取り戻すため一つのプロジェクトを計画した。
それは、自分達の肉体と精神を分離させてお互いを戦わせること。その時、肉体が戦いという逆境の中で本当の感情を思い出すことができたなら、再び肉体と精神は一つになり、新しい人類として生まれ変わる。
人類は、同じ失敗を繰り返さないよう、このプロジェクトに全てをかけたのだ。」
ドラゴンニュート「それでは、お前達がその精神だというのか・・・」
異星体「そう。人類は、全てを理解してこのプロジェクトを実行する精神に神という名をつけた。
そして、何もしらず憎しみの固まりとなった肉体に悪魔という名をつけた。我々は元々一つなのだ。全ては新しく生まれる人類のためなのだ。だましたとか、卑怯だとかいわないでほしい。」
ゴーレム「いまさら信じない訳にはいかないだろう。それに、もう戦うことは無意味だとわかったからね。我々は、これから何をすればいい?」
異星体「これより、私達は一つになる。
今までの戦いは全てイメージの中で起きていたこと。魔界や地下の世界など、もともとなかったのだから。
全ては肉体を覚せいさせるためのプロローグ・・・」
ハーピィ「一つになったら私達はどうなるの。」
異星体「全ての記憶は忘れるだろう。新しい世界を切り開くためには過去は邪魔になるからね。
但し、我々が未来、進むべく道を誤った時、潜在意識の中から神や悪魔が作りだされるかもしれない。
その時、人類は神も悪魔も元々は自分達だということに気付かないかもしれないがね。」
スケルトン「わくわくするじゃないか。今、本当に新しい歴史が始まるわけだ。もう俺達の準備はできているぜ。」
異星体「それでは、過去にお別れだ。」

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再び、12人をまばゆい閃光が包み込んだ。

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そこは美しい大地だった。無限に広がる草原に、12人の男女が静かに眠っている。
太陽の光りの暖かい祝福を受け、彼らはゆっくりと目覚め始めた。

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一人の男が口を開いた。
「とてもいい天気だ。」
それに女が答える。
「空がきれい。」

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別の男が笑った。
「あー、腹が減ったな。」
空を見つめていた男がいたポツリとつぶやいた。
「これから、いろいろな事をしなくてはいけないな。忙しくなるぞ。」
すぐさま答える男がいた。
「でも、楽しみだ。」
一人がふとおもいついたように、しかし自信ありげにいった。
「そうだ、この地に名前をつけよう。地球・・・地球ってのはどうだい。」
女はにこやかに微笑んだ。
「地球・・・いい名前ね。」
12人は、思い思いに空を見上げた。

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今・・・地球の歴史が始まる・・・

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