枕元の計算用紙
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31日
ちょっとした思考実験をしてみましょう。
まず、『宇宙のスカイラーク』(E・E・スミス)を参考に、物質Xを思考実験の前提として仮定します。
物質Xの性質は、単純に三つです。
1「Xを鉛に触れさせると、鉛はXになる」
2「Xで、銅とアルミをつなぐと、とてつもない電圧を生じて乾電池が大型原発並みのエネルギーを生む」
3「Xを鉄の船に塗ると、超光速の宇宙船になる」
それがあれば、失業や貧困はなくなるでしょうか?
そうではないだろう、と言えます……物質Xにも等しい、大量の石油やグアノがとれた国々は、楽園ではないのですから。
資源の罠というものがあるのです。
より現実的に、思考実験を変更します。
「今、カーボンナノチューブを安価に、どんな長さにでも作る方法が見つかれば、貧困と失業はなくなるのか」
何万キロものカーボンナノチューブがあれば、軌道エレベーターを作ることができます。
そうすれば、宇宙太陽光発電でエネルギーを得られます。
それで、貧困と失業は解決するでしょうか?
さらに。これは仮定ではなく、現実です……否定できるでしょうか?
極超音速スカイフックという一種の軌道エレベーターは、現在実用化されているケブラー繊維で可能です。
そして地球の海の大半……地球の総表面積の半分以上はろくに光合成をしておらず、ちょっと肥料を撒布し海藻+貝の養殖縄を浮かべるだけで、莫大な収量を得られます。
今、海水で潅漑できる塩生植物は、いくつもあります。
なのに、なぜ今この地球で、貧困と失業があるのでしょう?
……思考実験を禁じる。海と宇宙を考えることを禁じる。というのが、地球人の鉄の掟なのでしょうか。
それとも、僕だから間違いなのでしょうか。
僕がユークリッド幾何学の基礎的な問題の証明を書き写しても、僕の口から出れば間違いなのでしょう。
人間は、真偽を検証するより前に敵味方識別装置を働かせるように進化してきました。
瞬間的にまず敵味方識別、そうでなければサバンナでは生き延びられなかったのです。
30日
人が誰かに、「こうしろ」を強く押しつけやめようとしない……本人の意思と言うこともあります。
命令されていると言うこともあります。
命令はされていますが、そこまでしなくても本当は良いのに、本人の意識していない意思が、命令を拡大解釈して、絶対にそうしなければならないという考えを築くこともあります。
「命令だから」というのはきわめて強力です。
人の良心を簡単に失わせる力があるのは、通称アイヒマン実験でも明白です。
他にも「予算」も、人の心を一瞬で書き換える、強力な呪文です。
他に、どんな呪文があるでしょう?「みんなが」「普通」も強力です。
「バスに乗り遅れるな」も強いですね。「被害者がいる」も。
29日
エンジンつき農機具が田畑に入ったときの牛馬のように、先進国の労働者の大半は不要になったのでしょうか。
だとしたら、牛馬と同様に…食肉にすることはできません。ガス室も政治的に困難でしょう。
でも、ブラック企業と自殺があります。
日本人は、もっともっと貧しくなり、労働時間を長くすべきだと思っている人が多くいます。
日本人の九割が、ボロを着て麦を食い一日二十時間働けば、日本はよくなる、と。
働けない人はエスキモーの老人が吹雪の中に去るように美しく自殺すべきだし、働ける人はさっさと過労死すべきだと。
本当にそうしたら、本当に日本経済は回復し、財政は均衡されるのでしょうか?
28日
月に、生活保護が130万、普通に働く最低限の賃金を80万とします。
生活保護を減らして、働けば得になるようにしろと言うのは、要するに生活保護を70万にすれば、80万で働くほうが得になるから働く、ということでしょう。
でも、それで……要するに、低い階層の多くが80万、さらに一部のどうやっても働けない人が70万となれば、現状より消費は大きく後退するでしょう。
さらに、働こうとしても仕事につく能力が低い人も多くいるでしょうし。日本の職場は、能力が低い人を受け入れるシステムではありません。
逆に、最低賃金を140万にすればいい、というのは?
でもそうすると、本当に今の経済は80万以上出せないのだ、だから多くの雇用は外国に行ってしまう、となります。
ベーシックインカムを130万、最低賃金を10万にすれば、働ける人は働くでしょうか?
27日
持続可能を言う人は、元素転換装置を前提にしているのでしょうか……銅が枯渇したら文明は終わり、というのを認めないために。
でも、軌道エレベーターは駄目なのに、風力発電で動く元素転換機は機能する、と?
考えてないだけだと確信していますが。
26日
体罰による自殺があった学校で、もうしばらくしてなにが起きるかは目に見えています。
当の教師は解雇されるかもしれません。何の処分もないことすらありえます。
どちらであっても、バスケットボール部でも他の部でも、間もなく怒鳴り声が響き全員が、理由もなく殴られるでしょう。
要するに、「新聞が何と言おうが、体罰が正しい」「みんな殴られて育った」「校門の内側には、世俗の法や道徳は通用しない」
だから全員、あらためて絶対服従の家畜だと、骨の髄まで体に叩き込みなおすのです。
教師の誰かがもう体罰はしないと言えば、OBなどに潰されるでしょう。
おそらく、教師全員を解雇してすら、無駄でしょう。OB全員・保護者全員の、支援と支配を完全に断ち切らない限り。
そしてその支援は莫大な金額であり、暖かな精神的なケアであり、そして卒業後の就職であり、卒業後大学などの運動部における地位です。
それらがなければ、体育会系の人間は大学で生き延びることはできません。
それが伝統です。
体罰を止めたければ、廃校しかありません。
いや、廃校してさえも無駄かもしれません。
人間の本質に、「結束の固い群れは、外の法や道徳を無視する」が強くあるのです。
そんな怒鳴り声と激しい、理由のない体罰は、全国の何百という学校で今行われているでしょう。
25日
狩猟採集生活のために進化で脳に刻まれた道徳感情に操られ、近代文明の制御に失敗し滅亡に至る…それが人類の宿命でしょうか。
道徳感情は……子に食物を分け与えることも、親の仇を皆殺しにすることも、汚れた土地から移動することも、伝染病患者の罪を責めて焼き殺すことも、アフリカの草原では絶滅しない結果に結びついてきました。
その意味では正しかったのです。
ですが今は……道徳感情はホロコーストを止めません。むしろ、ホロコーストや魔女狩りのような、「世界をキレイにする」ような虐殺は、人間にとっては善に感じられてしまうのです。
近代文明下で石油が枯渇したときどうすべきかも教えてくれません。
人類が今いるところに適した、正しい行動は何でしょうか? それを、完全に虚心に考える必要があります。
ではどうするか?試行錯誤、r戦略が最善でしょう。
進化こそ、試行錯誤が正解であるという最良の例です。
ですが人間は、簡単な、道徳・英雄の物語になった答えを求め、自己正当化を目的としてしまいます。
だから滅亡が必然、なのでしょうか。
24日
アルジェリアの、日本人も多く犠牲になった悲惨なテロですが、僕はアフリカの現実についてとことん何も知りません。
日本政府も何も知らないのでしょう。
そしてできることはないでしょう。
また、「銃ではテロは解決しない」と日本の左派論壇がわめくのは目に見えてますが、彼らに任せても何も解決しないでしょう。
本当に何も知らないのです。
どうすればいいのかわからないのです。
今この地球の現実なのに。
そして、そのような危険を冒して石油を取ってきてもらっている、その電力でこうしてパソコンが動いていると言うのに。
23日
アマゾンやコンゴ河などの膨大な淡水を、沖にメガフロート水田を作って活用することを考えてきました。
頑丈なメガフロートは必要ないかもしれません。
ビニール袋のちょっと分厚いのでいいかもしれないのです。
海水は淡水より密度が高いので、淡水は海水に浮きます。
ですから、ビニールプールを巨大化して海に浮かべて淡水を入れれば、圧力のために形が崩れることはなく安定します。
稲は植えられないでしょうが、アゾラ…藍藻との共生で空中窒素固定能力がある、浮いて増えるシダ…とホテイアオイならいくらでも増やせるはずです。
それは食肉のための飼料となり、また発酵させてバイオマスエネルギーにもできるでしょう。
発酵残渣は肥料にもなるでしょう。
また、海水潅漑可能な空中窒素固定植物も、これからの世界の鍵となりえます。
22日
皆がPTSD状態なほど傷つき、無力で、希望が何もない…
そんなときには、宗教と憎悪しか残りません。
宗教も、結局は憎悪を飾るだけです。
地球人の大半は、憎悪しか残っていない状態です。
そしてその状態に人々を固定し、ぶつけ合わせる分断統治が、常に有効です。
新しい時代にはジョブレスリカバリーしかないのであれば、そのことを皆が悟ってしまえば、もう世界には憎悪しか残りません。
21日
大量の、金属粉を泥水のように分散させた水や水蒸気流を、パイプの中を超高速で流す。
それを利用して発電する……フレミングの法則を用いて。
または、食塩水はそれ自体伝導性があります。
いまだにタービンでモーターを逆回転させている、ということは、流体を直接動かす発電は不可能なのでしょうか。絶対に。
20日
今の人類が必要としているのは、仕事です。
それも十億単位の、衣食住がちゃんと保証されるような。
それさえあれば、その仕事のための衣食住を作る仕事も含めて、五十億人ぐらい今暮らしているところから移住したい人はいるでしょう。
大卒で仕事がない若者も、世界全体で何億人もいるでしょう。
高い失業率は人材の浪費だ…皆、そう思わないのでしょうか。
それによって、紛争地帯も「人の圧力」から逃れられるでしょう。
卒業したのに仕事のない大学生がテロリストになることもないでしょう。
「急募。
英語・フランス語・スペイン語・中国語のどれかが読み書きができ、代数学・微積分学基本定理とクエン酸サイクルを、ちゃんと周辺の演習問題を解ける水準で理解している、三十歳までの若者五億人。
五体満足で、母国語の音声言語での指示に従う意志がある十五歳以上の者、三十億人。HIV感染者可。
一日十二時間労働、体罰なし。
全寮、衣食住、HIV治療含む医療保証。十五歳以下の扶養家族も寮で衣食住を与え、無償教育を行う。
老人・病人の扶養家族用の病院も要相談。
キーボードつきのスマートホンと衛星ブロードバンド接続支給。
国籍・性別・宗教不問」
それだけで、この地球の多くの国の問題は完全に解決するはずです。
人数としては、いるはずです。
問題は、それこそデス・スターを作ろうとしてもそれだけの労働需要があるかどうか、です。
明日カーボンナノチューブをどんな長さでも安価に作れる方法が解決されて、軌道エレベーターを本気で作り始めても…さらに、常温核融合が本当に可能になっても、それだけの労働需要はあるでしょうか?
19日
日本の財政がやばいと言われています。
借金をして色々作って、借金が増えたということは、新幹線も成田空港も東京港も、作らなかった方が良かったのでしょうか。
製鉄会社が借金をして熔鉱炉を作り、二十年後に借金が増えて倒産しそうなら、その熔鉱炉は作らなかった方が良かった、というわけです。
国も同様でしょうか?
家計での借金は、単純に収入より支出が多いので起きることが大半です。家計は投資としての借金は……そう、土地はそうですね。
子供の学費も投資性が高いです。
そう考えると、日本が教育を整備したのも失敗だったのでしょうか。
要するに、せっかく大学院に行かせた子が、それを返せるだけの給料を稼いでくれなかったのですから、高卒で就職させていれば良かったということでは。
日本は、新幹線も作らず、学校に行くのも貴族だけにして、国家財政を拡大しないこと、国債を発行しないことに専念していれば良かったのでしょうか。
そうでないとしたら……国家財政が根本的に、企業の借金と異なるのなら、それは何でしょう。
単純に日本の借金の大半はバブル後だったのだから、あのとき正しく、財政再建と規制緩和に舵を切っていればよかったのでしょうか?
問題なのが、正しいことをした韓国がこれからうまく行くかどうかです。
18日
体罰事件で、橋下市長が受験中止や廃校など、過激な対応を主張しています。
それに対して、反橋下の人々は、「スタンドプレイ」「権威主義を強めるため」「本当は体罰容認しているのに白々しい」などと、その対応も橋下氏批判の種にしています。
僕はこう考えます……橋下氏は、純粋な悪でもないし、全知全能至善の神でもない。
すべてを、ナチズムと自分の地位のために利用する悪魔ではないでしょう。少なくとも部分的には、体罰再発を防ぎたい、という善意があるのでしょう。
逆に、善意だからこそ危険なのだということもできます。善意が悪い結果を生むこともあるのです。
ただ……とにかく、一つでも体罰を防げるなら、誰が何をしてもいい。僕はそう考えます。
そのため悪い結果が将来あるとしても……悪い結果に結びつく可能性があることは何も容認しない、では時間旅行者同様、呼吸すら許されません。
悪しき心を持つ人が何をするのも反対する、でも、誰も何もできません。
ちょうど……そう、皇国史観に凝り固まって共産党員を弾圧するような警官が、殺人の現行犯を射殺する……その行為自体は、許されるとしたほうがいいでしょう。
たとえそのことが、将来のより大きな悪に結びつくとしても。
というか、この体罰事件で見事にいじめは忘れられましたね。
いつもどおりです。こうなるのはわかっていました。
17日
貧しい国と豊かな国があります。
説明イ「豊かな国は、貧しい国から奪ったんだよ」
説明ロ「豊かな国がすごい経済成長した。貧しい国は、貧しいままだった」
説明ハ「豊かな国は神の恩寵、人種的優越、質実剛健な道徳、・・・・・・・・」
イ・ハなら楽です。イなら「奪い返せ」、ハなら「信仰と道徳」。
でもロなら?
しかも厄介なことに、石油国も豊かで自由な楽園にはなってません。
金だけでは解決しないようなのです。
だから、多分貧しい者達、貧しい国々が豊かな人々・国々を打倒して富を再配分してもうまくいかないでしょう。
逆に、豊かな人々が今までどおり楽しむ、それもこうしてつながり、テロが容易になれば難しいでしょう。
豊かな人々は、貧しい人々を皆殺しにすることはできます。
そして地球全体で、徹底した身分制の神権政治を作り上げることもできるでしょう。人類は身分・神権政治で何千年も安定した文明を築いた動物です。
16日
「人間用ドッグフード」を考えてみましょう。
できる限り安価で安定した大量生産が可能な素材…飼料用の大豆・トウモロコシやその発酵物、糠のような精製副産物、乳製品副産物など…を用いる。
そして人間が必要とする栄養を、デンプン・必須アミノ酸・必須脂肪酸・ビタミン・ミネラルなどをすべてバランスよく、完全に満たしている。
食味も我慢できる程度はうまい。その点は、人類用の合成調味料は研究されつくしているのでいくらでもどうにでもなる。
常温で長期保存可能…カリカリタイプに加工できる。
結構需要は大きいと思います。
カロリーメイトは本来そうなるべき品なのに、少し違いますよね。結構高価ですし。
まあそれは、食味と高級感を優先したのでしょう。
15日
現在大人でも、本当は絶対にやってみたいこと。
「幼稚園を一日貸切で、一人で好きなだけ遊ぶ」
多分これは、誰もが無意識で強く抱いているけれど、言葉にされるまでは考えることもできない願望だと思います。
一日幼稚園に入る、というのはテレビ俳優がやったりはあるでしょうが、結局子供たちを世話する、養護教諭たちの立場になります。
でも一人だけなら…子供たちに遠慮する必要はありません。
やりたい放題。
大人数人でやってもいいかもしれませんが、その場合冗談抜きに幼稚園を破壊しかねませんね。
そしてその一部は、とても簡単に実現できます。
どこの図書館にも子供コーナーはあります。ブックオフにもかなりの数の絵本や児童書はあります。
そこで一日過ごすのは、素晴らしく楽しい体験になるのは確実です。
絵本や児童書、児童向け図鑑などは侮れませんよ。内容が素晴らしいんです。
14日
風力発電と農業は共存できないのでしょうか。
風力発電には、塔の基礎と電線と整備用道路の面積しか必要ではない、他は全部農地のままにできる、というのは間違いなのでしょうか?
牧場だと低周波音が動物を苦しめる、とかはあっても、稲やトウモロコシも音に耐えられないのでしょうか?
単なる反対のための反対、群れで反対と決めたから反対する、では?
13日
今のネットで、自民党に対する批判がほとんど容認されない…
自民党を積極的に評価している人は皆無です。
極右価値観で言っても、安部首相は前回首相だったとき、日和りまくったのが事実です。まあ、それでも保守論壇の人々は、唯一のホープだとしがみつくしかないようですが。
民主党みたいなダメ政党じゃない、というだけ…
そう、民主党政権に対する否定的感情が、桁外れに、圧倒的に強いんですよね。
「いまごろこんなもんといわれても手遅れだ!!
いいか、これは、この世界でいちばんいい銃だ!
いちばんすぐれた小銃なんだ!! おれには、これしかないんだ!
だから、これがいちばんいいんだ!!(松本零士)」の心理でしょうか。
自民党以外は売国無能、というわけで…
12日
金星があの状態なのは、不思議です。
それを言うなら木星や土星さえも。
ましてエウロパなど、水が豊富な大型衛星が。
地球には、生命が生じてからも何度も隕石がぶつかったはずです。
大きい地球の石塊が、地球の重力を振り切って他の惑星まで飛んだこともあったはずです。
地下深い、石の中にも特殊な微生物はいます。
微生物は想像を絶する悪条件にも耐えます。
それには宇宙の旅を乗り切り、再突入でも死滅しなかったのはあるはずです。
そして、微生物には強力な、環境を変える力があります。
地球に生命がいなければ、海はとっくに日光によって分解され失われていたそうです。
逆に、間違いなく金星に何度も行き着いた微生物が、金星を緑の星にしなかったのはなぜでしょう?
木星の、「ちょうどいい温度」の層から増殖し、環境を改造しなかったのはなぜでしょう?
それとも、金星も木星も、地球と共通する微生物に大きく改造された上で、あの姿なのでしょうか?
11日
体罰による自殺が問題になっています。
しかし、体罰をなくすのは不可能と言っていいでしょう。
学校、特に教師の育成はきわめて閉鎖的な社会で行われます。
閉鎖的社会は、「外の法律はウチでは関係ない」です。
まず「娑婆ッ気を抜く」、外の道徳や法意識を、心の奥底から完全に取り除き、ウチの道徳が絶対的な良心になるよう洗脳します。
ですから、ウチで体罰が容認され、奨励され、義務とされ、教わっていれば、法はいかなる抑止にもなりません。
そして世論も、その内側の超法規的な論理を…体罰を心から支持しています。
もう一つ、いくら厳しく取り締まろうと、来年には体罰は解禁されるかもしれません。
日本の政治が右傾化するのを止める要因はありません。
今後、自民であっても石原慎太郎〜橋下ラインであっても、保守政権が体罰を解禁するかもしれないのです。
今も、力を増している保守思想では、体罰擁護論は主流です。
そうなれば、体罰をしないことは愚かです。
「法律で禁止されているから」というのなら、法律が改正されればそれまでです。
法律の論理を教育に、では、特に内藤朝雄氏のいじめ論が思い出されます。
警察の介入を許し、アジールを壊すことで、「市民の論理」を学校に入れよ、という。
僕は基本的に賛成です。ただし、僕はそれがうまく行くかどうか知らないのだ、とは言っておきます。
保守派にとっては、それこそ教育の終わりでしょう。
市民という言葉、近代社会そのものが、否定されるべき戦後民主主義、すなわち亡国の悪なのですから。
10日
マックジョブの、マニュアルオペレーター、世界最貧困層と同じ市場貨幣価値の労働者に、ヒトとしての尊厳?
ネットで駄文を書くことも、ポピュリズムにしかならない政治行動もせず、マックジョブに心のすべてを集約することで市民となる?
それとも、マックジョブとは別に、現実に立脚した社会活動を行う?
どれも不可能です。
9日
技術の蛙飛び、というものがあるそうです。
先進国は歴史的にまず固定電話網を作り、それから携帯電話を発達させました。
それに対して、途上国は先に携帯電話網をつくることができます。
低い技術でできますが、膨大な銅線が必要で面倒の多い固定電話より、携帯電話のほうが今は低コストで便利です。
まあ、逆に先進国の高度技術に依存している面もあります。
しかし、インドやキューバの歴史を見ればわかるように、先進国の高度技術に依存せず自給自足で技術水準を高めて独自にハイテクに至ろう、というのは無理です。
固定電話網すら、小さい国が「自力で」作るのは困難なのです。
なら最初から携帯電話網を作り、不便な地域では風力発電や太陽電池を使えばいいのです。
それが、今貧しい国を豊かにする鍵になりそうですね。
それと同時に、適正技術…途上国に援助でアルミ工場を作っても誰も使いこなせず瓦礫の山と化す、がないよう、現地の教育・社会水準に合わせ、それを向上させられる技術を援助する、という考えも。
たとえばアカシアなど、空中窒素固定能がある樹木の苗など。
アフリカのいたるところに空中窒素固定樹木が植わり、その緑肥で乾燥地に適した、それでいて多くの緑肥に耐える作物で、緑の革命を起こせたら素晴らしいのでは?
それを携帯電話でうまく取引する…
それを阻むのは何でしょう?
8日
非常に頑丈なUSBメモリ、それに古典本のテキスト全部ぶっこんでできるだけ多くの人が持っておく…
破局後も文明を残すには、最善だと思います。
7日
ヒトという生き物の、根源的な善悪は狂っています。
ヒトは、普通なら邪悪と言われる存在……略奪・拷問・虐殺・放火の限りを尽くす人に、無条件に服従し、それを喜びとするように心の奥底ができているのです。
僕に言えることは、人の善悪感情を信用するな、だけです。ホロコーストを止められませんでした。
厄介なのが、非常に深い「善」に、「考えるな」があるということです。考えるな、従え。
それは破滅につながるのですが、人はそれを善だと激しく思っています。
6日
脱原発、とあれほど騒いでいても、ちっともできませんでした。
いまや、自民党政権は「国民の圧倒多数が原発継続を支持した」と豪語しているようなものです。
なぜでしょう?
原発に反対していない、日本で本当に力を持つ多数者があるように見えます。
まず、官僚・科学者・企業など。
大震災で脱原発のうねりがあっても、太陽電池・風力発電が大増産されたとは聞いていません。
事実上原発が使用不能となっても、それでも太陽光・風力発電は、市場では勝てないのでしょうか?
閉鎖された家電大手の工場は、簡単に太陽電池工場にもなるのに、それもしませんでした。
企業を運営している人々の、科学的な前提・常識は、少なくとも「自然エネルギーは使い物にならない」であるようです。
そして、もちろん官僚も、脱原発に向けたあらゆる動きを封じ込め、民主党政権の首相の首をすげかえてでも原発を再開しました。
原発以外にない、というのが、その官僚達の絶対的な現実です。
その官僚や企業が使う科学者たちも、「自然エネルギーは使い物にならない」「原発しかないし原発は絶対安全」という現実を補強する研究結果を積み上げているのでしょう。
そして、有権者。その相当部分は、小選挙区制雪崩…「民主党政権はダメだった」その一つのことにしか反応せず、自民党に投票してしまう人々だったと言うわけです。
その有権者達には、基本的にいかなる言葉も届きません。
そう…マスメディア・本屋・インターネットでふれることのできる「現実」と、この日本で本当に力のある「現実」は、全く異なるのです。
5日
今、二十億円を、二十年間「紙くずでなければいい」で預かるとします。
僕は持ち続けられる自信はありません。
札束なら火事や盗難。
預金だったら預金封鎖やハイパーインフレ。
国債なら財政破綻。
株はどう分散しても世界全体の恐慌。
金銀も盗難や国家供出。
土地も暴落。
なにをやってもリスクがある、それもリスクをとれば得をすることがあるとすら思えない、世界全体がギャンブルのように、「期待値が負」のような気がするのです。
4日
テレビ・DVD/BD/HDDプレイヤー、パソコン、携帯電話…オーブンレンジ、普通の電話機すら、かなり多くの老人には操作不能です。
それら、あらゆる家電製品を、「デジタル音痴の老人でも簡単に使える」ものにすれば、かなりの売り上げは確実に得られます。
それこそ、電源とダイヤル式チャンネル、ダイヤル式電話機の水準まで簡単にして。
できるはずです。
親の敵のようにボタンを増やすのは、愚かなんです。
一つでも、デジタル音痴専用の、パソコンと携帯電話も含む総合家電メイカーがあれば…
3日
歴史のほとんどで、大半の人は文字も読めないまま、骨の折れる肉体労働をしてきました。
肉体労働が弱まったのがフォーディズムですが、それは『モダン・タイムス』で風刺される、肉体を機械として精密に使う単調な労働でした。
ですが、戦後の先進国の高度成長では、トヨタの「カイゼン」にあるように、教育水準の高い労働者がかなりの創造性を発揮できました。
それが今。
某牛丼チェーンでは、ミリ単位で人間を徹底的にマニュアルロボットとする、モダンタイムス労働に回帰してしまいました。
その後は?
単純にマクドナルドも無人化されて、どこにも人間が必要なくなるだけでしょうか?
それを思うと、ふと思い出すのが『剣客商売』の精神障害者の話です。五歳程度の知能しかないけれど体力はあり、巻割りや水汲みなどのごく単純な仕事はできます。
自分の運命や待遇に疑問を持ち悩むことなどなく、仕事で汗を流し、腹いっぱい食べて、ぐっすりと眠る人生を送っています。
そう…新時代の99%には、マクドナルドや牛丼チェーン、IT化された工場、介護のように、モダンタイムス状態の仕事しかないようです。
ならば、完全にマニュアル化された仕事を、ロボットのように正確にこなし、それ以外のことを一切考えず「腹いっぱい食べぐっすりと眠る」、そんな精神障害者に…99%は改造してしまったほうが、彼らは幸せなのでは?
若者を批判する本ではしばしば、「個性」「万能感」「過剰な自己愛」が批判されます。
社会の雰囲気によって、非才凡才である99%まで、天才であるように個性を持てといわれ、そのつもりになって育ち、現実に直面して「そんなはずではなかった」と苦しんでいる、と。
問題なのが、新しい経済では「非才凡才にとってちょうどいい」適度に創造的で適度に体を使う、しかも給料も右肩上がりで家と車を持ち妻子を養える、トヨタのカイゼン工場のような仕事がどんどん減っているのです。
モダンタイムス仕事しか、完全マニュアルのアルバイトしかないのです。ついでにそれは、家も車も妻子も諦めなければなりません。
国家の一員・地域の草の根として、家を、血を次代に受け継がせることができないのです。
そんなアルバイトでも、保育所や極安公営住宅、結婚制度の緩和、負の所得税、子ども手当てなどで子を育てられるようにする…というのは、「保守」が絶対に許しません。保守にとっては、あくまで正規以外は人間ではないのです。それがどんなに減っていくとしても。
というわけで、ほとんどの人は、全能感と現実のギャップに苦しみつつ、実際にはマニュアル労働をして人間扱いされず使い捨てられるのが、唯一の運命です。
いっそ「すばらしい新世界」のソーマでもほしいほどです。
しかし、どうしてこれほど、現実の世界は頭脳を必要としないのでしょう。
2日
「将来はコンピューターが普及しロボットが発達し、みんなが読み書きでき、多くの人が単純労働から解放されて創造的に教育され創造的な仕事をする。
昔は溝を掘るにもタイピングにも人間が必要だったが、それはマホガニーの家具しかないので薪にするように、やむをえないがもったいない。すべての人の頭に素晴らしい脳が入っているんだ。溝掘りやタイピングは機械化し、人間の頭脳はより高い目的に使おう。
政治的にも、愚民観は大半の人が読み書きできない過去のものだ」
という未来ビジョンをアシモフが見ていました。
今は、確かにコンピューターは普及しています。ロボットも発達しています。
しかし、現実はそのビジョンと、大きく違います。
確かに産業構造は、コンピューターとロボットで変化しました。しかし、現実には、労働者の多くは旋盤などある程度頭と体を使う熟練工から、完全にマニュアル化された牛丼チェーンのような徹底した単純作業に移っています。
チャップリンの『モダン・タイムス』に戻っているとすら言えるのです。
しかもそんなマニュアル単純労働すら全員を吸収できず、さらにグローバル市場で世界の極貧層との競争になり、先進国の若者の半数以上は大卒であっても不要の烙印を押されつつあります。
現時点で、日本人の三十代以下の三割以上は、五十歳を過ぎれば自分の稼ぎでは生きることもできなくなるのが、ほぼ確実なのです。
ヨーロッパでも若者の半分は慢性失業です。
結果的には、労働者を使い捨てるブラック企業が栄え続けています。
確かに日本では、ほとんどの人は読み書きできます。大卒も半分います。
日本人なら八割は、二次方程式を解けるでしょう。三割ぐらいは三角関数の計算もできるでしょう。
でも、それが役に立つ仕事は、本当にとことんごくわずかでしかないのです。そんな仕事はむしろ大きく減ってしまったのです。
バーコードのおかげで、店員はもう自然数の引き算すら必要ありません。
そして創造的な仕事ができるのは、新しい経済でも圧倒的に少数です。
創造的な教育、と思われた従来のレールとは違う教育は、職にはつながらず「夢子ちゃん」を生んだだけです。
コンピューターは、確かに何千万人もの人をシンガーソングライターや漫画家にできます……技術的には。しかし、それで食えるのは相変わらず、ごくごくわずかなのです。
それどころか、どの飲食店や金持ちの家にも生演奏家が必要だったレコード以前よりはるかに少なくなってしまっています。
特に高等数学を用いる「創造的な仕事」は、今も恐ろしいほど少ないです。
人類は前進を、開拓を止めています……脱原発の声が強く、核融合炉や宇宙進出は諦めが支配的で、最先端の素粒子物理学が実用的な応用を生みだす望みは誰も持っていません。
コンピューターも、少人数しか雇用しないし多くはIT土方です。
今の時点で日本人の半分以上は、読み書きすら不要でしょう。
経済的には、結論は出ています……教育も万能薬ではない、と。進学率は低いけれど豊かなスイスと、原油の金で子供を教育したけれど膨大な大卒で職のない原理主義者に溢れているイスラム諸国が、雄弁な反証です。
現実には、確かに人類全体で多くの子供を教育することには成功しました。しかし結果は、多数の賢く創造的で豊かな中層による楽園にはなりませんでした。
桁外れの教育を受けたごく少数だけがすべてを得て際限なく豊かになり、大半は底なしに貧しい単純労働者に落ちるか不要な失業者として扱いに困る、となってしまいました。
大衆教育は、技術の進歩で無駄になってしまったのです。
そして……昔からはっきりしていたのでは?
読み書きできる人々がヒトラーを選んだ、技術と教育水準がどんなに高くても、人類のほとんどは政治的には愚民なのだ、ということは。
多くの人は、今も職業訓練を含む教育が解決策だと思っています。
かつて、農村から炭坑、炭坑から自動車部品の旋盤工に、普通教育や職業訓練で移すことに成功したので。普通教育と職業訓練の結果、給料は上がったので。
しかし、新しい時代は、大半の人は……若者も失業者も、教育は無駄です。
職はより給料が低く単純なものしかなく、創造は誰にも評価されない一人遊びにしかならず、技術を進歩させ世界を豊かにすることはないのです。
もうFラン大学は潰せ、という声も強まっていますが、その人たちは、Fラン大学に行くはずの子をどうするか、考えているでしょうか。もう自動車工場も国内では減っているのです。
外国で冒険したら、これまた成功は千に一人でしょう……残り999人は、知ったことではないようです。
単純労働や福祉で食い、余暇にコンピューターで漫画を描きネットに発表する……それが正しい、心豊かな生き方でしょうか?それともガス室でしょうか?
あるいはナショナリズムと道徳教育で、読み書きできず単純労働を心から喜び明日を考えず極貧生活に不満を抱かない、家畜同様の民を育てればいいのでしょうか?
核融合炉と軌道エレベーターが可能になれば、大半は教育が無駄になる歴史の流れは逆転するでしょうか?
それともそういう技術進歩は絶対に、物理学として不可能でしょうか?またはどんな技術ができようと、高等教育を受けた人はごく少数しか必要とされない経済システムは変わらないでしょうか?
なにより、なぜ七十億の頭脳を活用することは、現実にはできないのでしょうか。
マンハッタン計画やアポロ計画は再現できない、政府は科学を進められない……それどころか科学自体がもう限界だ、というのが今は広く信じられています。
七十億人から、数学の天才を百万人集めても、ワープエンジンはおろか核融合炉もできない……それが現実、真実なのでしょうか?
七十億頭脳はある、でもそれは、なにかすごいことをする知性と創造性の資源ではなく、不要な、テロリスト予備軍に過ぎないのだとしたら……悲しすぎる絶望です。
1日
「かけがえのない宇宙船地球号」?
「救命ボートが一つもない、目的地すらない難破船地球号」の間違いです。
「地球は有限、エネルギーは質が全て」が正しく、宇宙進出が……軌道エレベーターその他燃焼ロケット以外の宇宙技術がすべて絶対不可能であれば、長期的な選択肢は二つだけ……
総力を無人播種船+放送に投入する。地球全体で焼畑をする。
無人播種船+放送……要するに水がある惑星を見つけ微生物カプセルを投じるための、ボイジャー程度の宇宙船。石油が尽き文明が滅びるまでのわずかな間、全力で打ち上げ続ける……タンポポの種のように。カビがパンを食い尽くしながら胞子をばらまくように。
せめて地球式の生命の子孫がどこかで生きていてくれる希望は持てるように。
また、人類が持つ情報、特に遺伝子構造を放送しましょう。どこかの異星文明がそれを受信し、地球式の生命を、さらに人類のクローンも再生してくれるかもしれません。そうなれば、有人恒星間船ができなくても、地球式生命・人類・地球人文明は宇宙のどこかに生きています。
焼畑……本来、焼畑農業は持続可能です。広大な森林地域で、その十分の一のわずかな斜面を焼いてその灰を肥料として種を蒔き芋を植え、三年で地力が衰えれば放棄し森に返し、その隣を焼く……一巡した時には、最初に焼いた斜面は森に戻っているのです。
でもそれは、「一度には十分の一の面積しか耕せない」か、「一度全部耕して、あとは砂漠」のどちらかです。
今の人類は後者を選んでいます。
でも、世界人口を……それこそ1%以下まで減らせば、地球全部をその「森林地域」として、一度にはその百分の一だけを焼いて耕し、そこを使い切ったら人口を増やすことを禁じたまま次に移動し、何世代もかけて一巡して戻ったらそこが森に戻っている……
人類が、技術の進歩……軌道エレベーターなどを前提とせずずっと農業を続けたいなら、それしかありません。ですが人間の寿命以上の長期間、完全な人口の制御と計画的な行動が必要で、実際には不可能でしょう。
しかも銅などの資源が尽きる以上、長期間維持できる人口は想像を絶するほど少ないでしょう。
木炭製鉄もする、となればそれだけで食うための焼畑の何十倍もの森を必要とするでしょう。
さらに木炭で、冷蔵庫に至る科学技術を維持するなら、想像を絶するほどわずかな人口しか、万年単位は生きつづけられないでしょう。科学技術の維持自体が可能かどうかもわかりません……多分不可能です、この地球では。
十億単位の人口で、風力発電で冷蔵庫を動かし持続可能など、百年ももたないのは間違いないです。
そして、その「焼畑」であっても、長期的には不安定です。百万年単位で見れば、氷河期だの巨大隕石だの巨大火山だので滅びるだけでしょうし、いつ科学技術による人口増が選ばれてしまうかもしれません。
そして科学技術を復活させた群れは、軍事的に無敵になりますから阻止不可能なのです……誰にも西洋を止められなかったように。
地球号に閉じこめられている限り、ジリ貧でしかないのです。
ああ、「救命ボートが一つもない、目的地すらない難破船地球号」に一つ付け加えるべきでしょうね。
舵を取り壜に手紙を入れて海に放る能力があるのに、ものを考えないことを選び船倉をひたすら食い荒らしている、爆発的に増殖する……ネズミといえばネズミに失礼、ホモ・サピエンスという愚か者に荒らされている、と。
船ならば、この優先順位ではないのでしょうか?
「予定通りの時間・燃料消費量で無事到達」
「遅れはあっても船は無事」
「船に傷はあるが大きな怪我人はいない」
「船は大破するが人的被害はなく何とか到着」
「沈没はするが救命ボートで死者・行方不明者ゼロ」
「救命ボートで、死者は数人ですむ」
「バラバラに救命ボートを送り出し、いくつかは助かって、送るべき文書のコピーを当局に届ける」
「沈没し生存者なしだが、無線ブイにより沈没地点が判明、航海日誌の回収に成功」
なぜ宇宙船地球号について、同様の措置をとらないのですか?
「誰も餓死しない、宇宙進出成功」
「人口の大半は殺すが文明は存続」
「文明崩壊を受け入れ、最重要文化財を保存し、少数の文化を保持する人を世界多数の、僻地の要塞で自活させる」
「人類の滅亡を受け入れ、最重要なものだけを厳重に保存する」
「地球そのものを諦め、情報を宇宙各地に送る」
今の技術でもできることはあるのに、していません。
船には目的があります。人間集団は、目的を意識しません。明白なはずなのに。