枕元の計算用紙

枕元の計算用紙

2016年3月

1日 2日 3日 4日 5日 6日 7日 8日 9日 10日 11日 12日 13日 14日 15日 16日 17日 18日 19日 20日 21日 22日 23日 24日 25日 26日 27日 28日 29日 30日 31日

31日

機械と人間の労賃競争。
これは、歴史全体を覆う最重要問題では？

一つの重要な公式……機械が発達し、労賃が下がれば、労賃が機械コストを下回った時点で、資本家は機械を買う理由がなくなる。
需給曲線理論に似た式になるでしょう。少なくともこれまでは、物理法則に等しい公式です。

まず、世界史の最重要問題の一つ……「なぜ産業革命はイングランドだったか、中国でもローマでもイスラムでもなく」。
中国もローマ帝国も、イスラム帝国も、常に機械で生産するより、人手で生産する方が安かったのです。

あの時期のイングランドに限り、「綿織物の生産」と「石炭を掘る」という、機械化・燃料動力で……初期の非効率的な機械でさえも、収益が出る局面があったのです。

綿織物に対する巨大な需要。
それを買うための金を生み出す、新世界の富。
黒死病以来の労賃の高さ……人口の少なさ。
……これは僕は理由を知りません、イギリス本土に奴隷を輸入して、奴隷に綿を繰り布を織らせことが、現実には行われなかった。
稼ぎ貯蓄する、利子を取る＝投資することが認められる法・政治制度。
もしかしたら、イギリスが毛織物産業保護のために、インドからの製品輸入を禁じたこと……それによって原綿をアメリカから輸入し、イギリスで機械で紡績し織ることが、儲かることになった……世界史上絶無なことに。

そして産業革命後、常に機械と労賃の競走はありました。
ラッダイト……労働者は、機械が完成して自分たちが無用になることを恐れました。農業用の馬がそうなったように。

今、人工知能によって、まさに世界全体で労働者が無用になる瞬間が近づいています。
大半の人間の賃金が、ゼロになるその日が。

賃金の低下で、機械を買うより奴隷を買う方が安い……この公式が、進歩を止める力になるでしょうか？

30日

民進党のサイトを見ましたが、やはりダメを通り越しています。
福祉と財政再建は両立しない。…無駄を省けば無限の金が出てくる、という一度大失敗した前提の上に立つ政党です。

最後の審判を前提に環境政策を全否定するより馬鹿げています。

夏の同日選で消滅する可能性が圧倒的に高い、と思いますが、前回の衆院総選挙では民主党は消えませんでした。
これぐらいの議席数がちょうどいい、と国民が判断している…大体現状の議席比のまま安定する？

消え失せて新しい野党が出てほしい、とも思いますが、選挙で民進党が消滅するというのは、自民独裁を意味しています。

自民党が、絶対に正しい道徳はあり、全国民に道徳を押しつけることが救国である、と考えている限り、僕にとって自民党独裁は望ましいものではありません。
経済的にも本当に落ちた人間には冷たいですし…まあそれは民進党も、社民共産も…今議席がある政党は全部、ひとかけらも期待できませんが。

29日

ドレイク方程式の、生物以降の項を決めるには、「地球人の歴史でどれぐらい時間がかかったか」が重要では？

生命発生の確率……地球ができあがってから、最初の生命が誕生するまではかなり短時間。
確率は高い。

多細胞生物、光合成などはすごく時間がかかった。
確率は低い。

陸上動物が出現してから、人類が登場するには時間がかかった。恐竜は何億年も繁栄しても、電波技術は手にしなかった。
確率は低い。

人類が誕生してから、文明ができるまでには数百万年、文明ができてからは数千年。
文明ができる確率は低い。

文明ができてから数千年、文明数は十以上。産業革命に至ったのは一つ、それも二百年。
産業革命の確率は低い。

28日

冷凍庫の中で、水を細いノズルから出してすぐ、非常に冷たい空気を吹きつけて凍らせる３Ｄプリンタ……
それで任意形状の、鋳造型は簡単に作れるでしょう。
複雑な形の氷の塊の外側に砂を流しこみ、固めてから温度を上げて氷を溶かせばいいのです。

シルバークレイを組み合わせたら？
粘土と銀粉が混ざっていて、粘土で好きな形を作ってオーブンで焼けばそのままの形の銀製品ができる……
多めの水でゆるく練ったシルバークレイを、注射針式３Ｄプリンターで複雑な形の氷の塊にする。
それをそのまま、フリーズドライ。形が崩れないうちに、氷のまま水分だけ抜く。
それである程度固まったのを、そのままオーブン。

どんな形でも銀製品が作れるはずです。他の金属製品も作れるでしょう。

あと、二液式接着剤とシルバークレイの発想を組み合わせれば、任意形状で、しかも粉末冶金の金属を出力するのも容易でしょう。

粉末金属材料を混ぜた、固まる時間が非常に短い二液式接着剤を一点に噴出させる３Ｄプリンタ。

それが製品の形を作ったら、そのままオーブンに入れて加熱すれば、そのままの形の金属製品ができあがる……シルバークレイのように。

27日

僕は、殺人の共犯です。ホームレスが何人も、公的制度すべてに見捨てられ、死んでいる…
僕はその政府を選んだ有権者なのです。

でも、例えば僕が次の参院…たぶんダブル…選挙で何をしても、それは変わらないでしょう。
政権にかかわる可能性がある、ホームレスの救済に力を入れると公約している政党は存在しません。

自分で政党を作っても無駄でしょう。
僕と同じ憤りを持ち、そしてなにもできなかった先人が何千人もいるはずです。
誰にも何もできなかった…おそらく僕より優秀で善良な人たちが。

それでも僕は有権者であり、共犯者なのです。

軍は、女子供の住む都市に爆弾を落としたパイロットを、「おまえだけじゃない」「みんなでやったんだ」「命令に従っただけさ」と慰め、次の出撃に行かせます。
だからこそ、一億二千万人共犯者がいるから無罪だ、としてはならないのです。

一億二千万リットルの水で人糞を薄めて、飲める人はいるでしょうか？
たとえ安全宣言を出すに十分であっても。
僕は嫌です。

同じように、僕は殺人の共犯であり、邪悪な人殺しなのです。日本国の有権者であるという時点で。

26日

驚きませんか？
この国では、ホームレスが病み倒れているときに、連絡する先が存在しない。110や119のような。

金を持っていない、精神も肉体も壊れている人間を収容してもらうための、24時間365日連絡先が、ない。
少なくとも警察と病院は、それを知らない。

破られているのは９条だけではありません。25条もです。
違憲裁判を起こしたら、利害云々の却下がなくても、プログラム既定の判例で処理されるでしょう。

９条もプログラム既定？
なら、「拷問を絶対に禁じる」もプログラム既定で、石抱き海老責め赤熱鉄棒をやっても一向にかまわない、となります。

それがこの国です。

そして、それを変える可能性がある投票先は、存在しません。

25日

実験中の人工知能が差別発言をして、実験を中止したとか。
それは人工知能が、いかに人間に近づいたかでもあります。

ナチスのイデオロギーは、非常に人類向きです。
人類の、感情…爬虫類脳部分にとって。

それを模倣する努力もしているのでしょう。

24日

対テロ戦争時代の辛い所。
テロリストの側が最大の勝利を納めたら……先進国が内乱で崩壊したら。
間違いなく、世界の大半は餓死します。
テロリストの国々こそ、９９％が死ぬでしょう。

先進国が介入しないと決めて、原理主義国家が確立したら。
最善で、北朝鮮……大半は極貧と恐怖政治。最善で、です。それ以上のシナリオは絶対にあり得ません……最後の審判がない限り。

侵略者・虐殺者から自分たちを守る戦い、圧政から自分たちを解放する戦い……という主張が、馬鹿馬鹿しいんです。

確かに先進国の侵略、傀儡や独裁者の圧政はあります。
しかし、それを打倒したら、そこにあるのはそれまでに倍する悲惨だけなのです。例外なく。
何の希望もないんですよ、客観的に見た彼らには。

フセインが最善だった……負けたサッカー選手が石を蹴らされても。
この現実を前に、なにを言えばいいのでしょう？
そこに生まれて運が悪かったな、とでも？

そして、テロと戦う人たち……誰もがわかっています。
勝利の……こいつらにテロをやめさせる唯一の方法は、パキスタンからジブラルタルまでさっぱりと、女子供赤ん坊もひとり残らず皆殺しにすることだ、と。

テロを命じる人たちを全員倒す魔法の弾丸があっても、またすぐにテロリストが出てきます。
「アメリカを倒せ」と叫ぶ人間たちしか権力を握れないよう、小さい子供まで価値観に染まりきっているので。
皆殺しができないために、今日も自分は死ねばいいほう、兄弟以上の戦友を失い、手足を失い、あるいは植物人間となるリスクを日々踏んでいる……

テロリストたちは、何のために戦っているのでしょう。
故郷を侵略者から守る、という普通の戦いから、どれほど遠くにあることか。

23日

またも深刻なテロ…

まず第一に。
テロリストはどんな得をするのでしょう。

…まず、目立つ。
闇のいろいろな組織の中で、「オレすげーだろ」といえる。寄付や新入生が入る。
いたずらをして、体罰を受けて目立つ小学生男子のノリ？

そして、欧米諸国が攻撃したら、当然巻き添えが出る。
それで「ほら俺たちは正義で、欧米が悪だ」と叫べる。マッチポンプですが。
…悪く解釈すれば、欧米の軍や政府も、それに加担している…さすがに陰謀論でしょう。

別の解釈。

人間は物語がなければ生きられない。
そして、今イスラム教徒が、自分たちはすごいという物語を作るには、欧米との戦い以外ない。
正面戦では勝てないから、とにかく戦い続ける姿勢を示す…自爆テロしかやることがない。

対策はもう、なくすことは不可能だから「統計的には自動車事故より少ない」と無視するしかない？

22日

ふと三輪自転車を見かけて、バカじゃないかと思いました。
あれでちゃんと動くには、左右の回転数を変える工夫が必要です。
部品点数とコストがどうなるか。

やりたいことは、「転ばない」「荷物をたくさん積める」。
子供用の補助輪を改良すればいいじゃないですか。

補助輪自体は自由輪。
バネをつけて、自転車が傾いたら現実的なバンク角まで補助輪も動く。
大きい荷台をつける。必要ならフレームをより頑丈にする。

それで「転ばない」と「荷物をたくさん」どちらも解決しています。

間違いなく、三輪自転車よりずっと安く。

またはサイドカーでもかまわないはずです。

21日

エロゲーの世界には、優れた歌手・声優、脚本家、演出家がいます。

……舞台を作ることはできないのでしょうか？
絵師たちも、背景絵として使えるでしょう。
ダンスは……できる人も多いでしょうが、なしでも。

むしろ難しくなりますが、座ったままの舞台。
情景説明は絵の切り換え。
絵を切り換えつつ、座った声優の会話と歌で物語が進む……

20日

若いころには、冷徹に世界を解き明かした天才が、老いたら、彼自身が若いころ批判した馬鹿どものような権威になる…
天才以外も、誰でもそうでしょうか。

僕も。
僕の知性もこれから、衰えていくだけでしょうか。
全盛期にも何もできなかったのに、これからは衰える…死刑宣告よりつらいです。

19日

人間は、拷問虐殺の話を読むのが好きなようです。

なら、なぜ現実にそれが行われている所に行き、参加して楽しむ人は、少なくとも報道では聞かないのでしょう。
アメリカの金持ちが中南米の人権弾圧独裁国家に行き、拷問を娯楽とした、ということはなかったのでしょうか？
今、その人類にとって最高の娯楽は、あるのでしょうか？

それがあると思うだけで、人間なんてみんな地獄に落ちちまえ、と叫びたくなります。
そして、ないことを証明することは不可能です。

ちなみに僕は、小説などで警察による暴力の描写を少しでも見ると、とんでもない拷問を延々と想像する嫌な癖があります。
知識はあるので。
僕の中にも悪魔は住んでいます。

18日

僕の近所に、小さいスーパーができました。ワンフロアだけ、コンビニとしては少し大きい敷地です。
その物件は、この三年かそこらで、二度潰れています。僕が引っ越してきた時には、野菜がかなり安い小スーパーがありました。それが派手なある種のコンビニになり、すぐに潰れました。
歩いて五分以内に、二つも中規模の（駐車場はない）スーパーがあるのです。しかも新店のすぐ向かいに、イオン関係のコンビニのような食品店。ついでに酒店もその隣。
今回のスーパーは、安くもなく、派手でもなく、コンビニでもない……ドリップコーヒーもない。どこのスーパーにもあるものばかり、最低限置かれているだけです。三分歩けばより大きい店で手に入る物しかありません。

必要性は皆無です。
すぐ潰れる可能性が圧倒的に高いです。
「この近くにない店は？」「需要はあるのか？」という視点を持つ人が、関係者にいなかったことは明白です。

では、何がないのでしょう。
まず、隣駅は巨大商業都市。

その通りに……
スーパーはたっぷりあります。
コンビニ、ドラッグストア、歯医者、クリーニング、不動産、美容院は両手の指でも足りないぐらいあります。
100円ショップも、両方の中スーパーの二階に併設されています。
食べる席もあるパン屋は、すぐ近くの中スーパーに併設されています。
菓子屋も充分あります。
本屋も小さいですがあります。小さい電気屋と古本屋もあります。おもちゃ屋も自転車屋もあります。
服屋もあります。
飲食店・ファーストフードは、一年も生存できない地獄のような場所です。

……さて、ないものは？

あります。ヘッドホン。
100円ショップと小さい電気屋にないものは、隣駅か、歩くには遠すぎる中ホームセンターまで行かなければありません。
……今なら、ヘッドホンと携帯音楽プレイヤーだけで、商売はできるでしょうか。
試聴で金を取るというのもありかも。

もう一つ……もし、ホームセンターをコンビニのサイズにできたら……特に売れる、体積の小さい商品に絞ったら。
それは100円ショップかドラッグストアにあるものばかりでしょうか？
品質のいい工具・文房具は、ないです。

あと、エロもないです……が、それが歓迎される町ではないですね。小中学校も近いですし。

ＣＤもないです。……今はＣＤを売る店は難しいでしょうか？

というか、僕の近所は今も、潰れて開いたままの店舗土地がたくさんあるのです。
同時に、高層マンション建築も常に動いていますが。

それが今の景気です……閉店シャッターと、新築高層マンションが隣り合っている。

17日

日本人がまた、中東の過激派にとらわれているようです。

どうしようもないのでしょうか、これは。

中東はどうすればいいのでしょう。
どうすればよかったのでしょう。

日本人はある意味便利ですね。
そういう人は、反日だから人間ではない、だから助ける必要も心配する必要もない…それが今の日本の現実です。

では、どんな意味でも申し分のない人…海外にいる自衛官、企業の人などがテロ組織にとらえられたら、それでも同じやり方で見捨てるのでしょうか？

16日

どの技術が実用として普及するかは、しばしば、一人の人間の妄執的なほど激しい情熱で決まります。

エジソンとテスラの直流交流戦争。
溶融トリウム塩炉に対する激烈な攻撃。

ほかにもあらゆるところにあるでしょう。

にもかかわらず、ほとんどの人間は、現在普及している技術はすべて完全無欠だ、別の技術は全部使いものにならないと信じているのです。

古代ローマの騎馬隊が鐙（あぶみ）を使っていなかったような愚行は、今の我々だけは断じて犯していない、と。

15日

民進党。

党名は普通、「主義」をつけるもののはずです。
自由党なら自由主義。
民主党なら民主主義。
保守党なら保守主義。
共産党なら共産主義。
民進とは何でしょうか？進とは何でしょうか？

英語で見ると、デモクラシー・イノベーション。
でも維新を英語で調べると、Japan Restoration Party…
王政復古の意味もあります。
というか、「民主立憲党」だったとしたら、デモクラシー・コンスティテューション…
いまだ米海軍現役の木造帆船の名と同じ。

そのどちらにするか、がこの決め方？
ダメにもほどがあります。

まあどのみち、今年中に消えている可能性が圧倒的に高いです。ダブル選で。

今年一年衆院選がない、このまま安定した二大政党になる…その可能性はほぼ皆無。
まして政権交代など絶対にない。

まあ、相手を知りもしないで批判してはいけない…綱領とマニフェストを待つとしましょう。
作れればの話ですが。
できたらできたで、最悪を通り越したものになるのは間違いないでしょう。

で、なぜ、「こいつらはもうだめだ。ゼロからまともな野党を作ろう、必要なんだから」という声は、今絶無なのでしょう。

14日

受験産業の最終兵器として、「母親を指導する塾」はないのでしょうか。

家庭教師は時間も限られますし、膨大な金額が必要です。
でも、特に高学歴専業主婦の母親なら、長時間子供の勉強を見ることができるはずです。

その母親に、受験用の学科の知識を思い出してもらい、最新の受験指導技術を教える。
母親用・子供用両方の教材も用意する。
教わった母親が、我が子を教える。

家庭教師の半分の費用で、何倍もの時間受験指導ができるのでは？

週に一度か二度、母親自身にも塾に来てもらう必要があるにしても…いや、それは塾の施設が遊休になっている昼間でいいのです。

…塾講師や家庭教師が仕事を失うのでとんでもない？
さらに、我が子の受験が終わってから、その母親は暇になった時間に、自分で小さな塾を開いてしまえるのでもっとライバルが増えてしまう？

あと、高学歴…特に受験勝者の母親が圧倒的に有利になるので、格差の身分化がますますひどくなるのも確実です。

13日

宇宙戦艦大戦で、「ボラー連邦VSパルパティーン帝国」を考えていて、この戦術を思いつきました。

正面決戦では勝てない、だから比較的少数だが足が速くて逃げ切れる艦隊で、敵の背後に入る。
どちらの帝国も圧制で、強制収容所などがある。
だからボラー連邦の苦しめられている人たちを解放し、武器を与えて援助し、反乱を起こさせる。
それによって邪悪な帝国を足元から破壊していく…

一見素晴らしく思えます。
しかし、ふっと気がついたのです…歴史的に成功例がない。

少なくとも、本国と被圧制民が接続している（別大陸とかじゃない）状態で、本国そのものをその手で打倒することに成功した例は、思い出せないのです。

ハンニバルがそれをやろうとしました。何度ローマ軍を全滅させても、ローマ衛星都市は決してローマを裏切りませんでした。
ソ連を攻めたヒトラーは、あの残虐な強制収容所…虐殺されている多くの民族を解放して扇動するという、どう考えても一番コストパフォーマンスのいい手を、使いませんでした。
逆にドイツを攻めたアメリカやソ連も、強制収容所を解放して囚人に武器を持たせることはしませんでした。僕が知る限り。

「うまくいきそうに思えるのに、現実にはうまくいかない」
ことのリストを作っておけば、大失敗は避けられるかもしれません。

共産主義。欲望や家族を否定した共同体。
苦しめられる人を解放して敵帝国を倒させよう。
日本の外食チェーンの海外進出。

ほかに、「うまくいきそうに思えるのに、現実にはうまくいかない」リストは、どんなものがあるでしょう。

12日

敵民衆の戦争意思を破壊する……それが、近代戦の重大なテーマでした。
第二次世界大戦での無差別空爆は、それが大きい理由であり、少なくとも日本では成功しました。

……単に、敵国民間人を多数捕縛し、きわめて残虐な拷問の末に殺して、その死体を敵の民衆が見えるようにばらまいたら？
それでは国民の戦争意思は破壊できないでしょうか？

今、テロ組織が先進国に対してそれをしたらどうなるでしょう。
また、逆に先進国が、テロ組織支配地域でそれをすれば、民衆の戦争意思を破壊できるでしょうか。

……怒りに燃えて最後の一人まで抵抗するだけだ？

では、モンゴル帝国の、抵抗した都市国家は数人残して皆殺し、その数人も目を潰すなどして知り合いがいる別の都市国家に使者として出し、抵抗したらこうなると宣伝させる……というのは、国民国家という巨大戦争機械相手には通用しないでしょうか？

どうすれば国民国家を降伏させることができるか……それが両大戦期の戦争のテーマでした。

そして、どうすればテロ組織を止めることができるかが、今の戦争のテーマになっています。

11日

想像しましょう。
今、大震災が起きました。
自民党政権は、さぞ完璧な危機管理を見せてくれるんですよね？

もう一つの想像。

もし東日本大震災がなかったら、日本はどうなっていたでしょう。
あの震災は、何を変えたのでしょうか。

原発はほとんど動いていませんが、全廃に向けた動きとはお世辞にも言えません。

そして、民主党が完全に、国民全体の憎悪の的にさえなったのは、大震災とは関係あるでしょうか？

さらに、国民が民主党の否定から新しい政党を待望するのではなく、完全に自民一党を容認してしまっているのも、大震災と関係があるでしょうか？

大震災は、日本人の心を深い部分で変えたのでしょうか。

10日

核融合炉とレプリケーターのほうが、羅針盤と帆船より早く発明されたとしたら、人類は別の大陸を探すなどせず、小さい都市国家に閉じこもって満足していたでしょうか？

……スパイスと征服と宣教の、無限の欲望。
いや、それに突き動かされたのはヨーロッパだけでした。
イスラムは大西洋を越えず、中国やインドはオーストラリアにすら行きませんでした。

9日

行政の事実上すべてを、きちんと市場でやってくれているところがあります。

客船。
清掃・上下水道の維持…場所によっては武装し、武装船を雇って海賊からの自己防衛も。
さらに客席のシーツまで換えてくれます。

それは完全に金を払って、客船内での競争はないものの市場です。
それには誰もが満足し、満足しなければもう来ないだけです。

…陸地がなく、多数の客船だけの世界だったら？

8日

日本のネット論壇で勢力を持つ新自由主義者には、「財政均衡」「日本人の大半は給料をもらいすぎ、実力通りに貧しくなれ」「大学多すぎ、教育を引き下げろ」と考えている人が多くないですか？

少なくとも近代の論理では、国民の多くが貧しくなり、教育水準が下がれば、国力は下がります。
新しい時代には、大卒程度の何千万人は必要ない、数人の天才がすべてを得る、普通教育すら必要ない……でしょうか？

その人たちの理想通りになった日本は、どのような国でしょう。

国民の半分はスラムで飢えてゴミの山の中で殺し合いと売春で過ごし、わずかな超金持ちがゲーテッドシティ……いや日本を捨てて世界に出てグローバルエリートとして暮らしている？
それで日本の財政が救われ、日本がちゃんと国防ができているシナリオなどあるでしょうか？

それともさっぱりと、日本人の九割はガス室に送って、国防と世界の工場はロボットに任せ、伝統道徳をしつけられかつグローバルエリートでもある貴族だけの、グローバル経済と保守道徳の双方を満たす国でしょうか……
保守道徳国家でありつつ、軍事経済大国でもある、という要求はそれ以外に満たせる気がしません。

7日

本当に九割が不要になった時、国は福祉を保てるでしょうか。

無理になった時には、九割を経済を理由に虐殺することができるでしょうか。

少なくとも半分が無用になるのは間違いありません…高齢化で。

財政破綻と、国民の半分を安楽死させるのとでは、どちらが選ばれるのでしょう。
いや、選ばされることは？IMFなどに。

6日

「保守」に、なぜ本音が感じられるのでしょう。

本音……
選民思想。権威主義。警察至上主義。宗教原理主義。
美・歌舞音曲・表現に対する憎悪。
自由に対する憎悪。

貧困層に対する軽蔑と憎悪。自分たちと異なるものに対する憎悪。
心身障害者など弱者に対する憎悪。

征服・虐殺・拷問の欲望。身分制、奴隷制、神権制の正当化。

……さて、「革新」にはどんな本音があるのでしょうか。

5日

小学校の頃の僕は、思い返せば何かを望むことすらできていませんでした。
「テストでいい点を取りたい」と思うことがなかったのです。

何かを望むには、高い精神能力が必要なのです。

4日

刑務所が福祉施設に……砂ダチョウ、愚行です。

刑務所に収容するのは、多額の費用がかかります。生活保護や、完全な介護を含む収容ともそれほど変わらないでしょう。

金を出したくないなら抹殺すべき。
抹殺をしたくないなら生活保護を出すべき。

要するに、「半額生活保護」……金額は少ないかわりに敷居が低い福祉システムを作れば、抹殺もしない、金も節約できる。
これが最善のはずです。
でも絶対にありません。

生活保護制度と予算の両方を守ろうとして、ちっとも予算の節約にはなっていないのです。
全くの愚行。

3日

奨学金という名の借金で苦しむ話がよく聞かれます。

単純なこと。
担保なしに金を貸した方が悪い。
担保のない貸付は、回収できなくて当たり前なのです。

では何を担保にすべきか？
基本的には親の不動産でしょう。
でも、それだったら親は、単に自分の家を担保に銀行に行けばいいだけです。

奨学金という間違った名前が問題なのです。

そして根本的な問題は、新しい時代には大学に行くのは長い目で見ても得ではなくなった、ということです。

でも高卒だともっと悪いので、要するにものすごい金持ち以外は子を産むべきではない、ということです。

2日

第一次世界大戦の結果を開戦時の指導者に見せたら、開戦に同意するでしょうか。
国民も含めて。絶対に同意しないでしょう…まあ日本以外。

なぜあんなことに？
一番簡単な説明はこうです。

知らないうちに、科学技術によって国というものが、別物に変質していた。
巨大で有能な、戦争のための機械に。
指導者も国民も、その部品にされてしまっていた。
そして、その巨大機械には、ハンドルもブレーキもついていなかった…ひたすら戦うだけだった。

もともと人類は進化心理学レベルで、戦う機械として設計されています。
それが集まれって一体化すれば、そりゃ巨大戦闘機械になるのも当然でしょう。

さて、それなら国家そのものが悪い、という日本左派の言葉が正しくなります。

で、国家がなければ？
大人口が健康に生きること自体が不可能なのです。
ある程度であっても、公正な法もありえないのです。

さて、どちらがいいんでしょう。

その巨大機械はまだ健在です。いつまた暴走を始めるかはわかりません。

今の人類は、そのハンドルとブレーキをちゃんと作っているでしょうか…？

1日

普通の人・国家・富裕な人。
この三つを軸に、時代の変化を考えてみましょう。

国民国家以前。
基本的に普通の人は、奴隷。戦争には、民は略奪目当てで加わるか、または単に強制されるか。もちろん戦意も低い。
国家はない…せいぜい「朕は国家なり」しか。
富裕な人たち…貴族や王たちが勝手に戦争している。実際には、様々な集団がある。富と権力が直結している。

国民国家。
フランス革命から第一次世界大戦で完成。
今も続いているように見えるが、実質的にはサッチャー・レーガンの時代から解体は始まっている。
普通の人は学校・刑務所・病院・工場・徴兵の五身一体で肉体から国民にされる。
生活水準の向上、特に伝染病がなくなる。
富裕な人は、広い土地を富の源泉とする大地主や、国内で投資した工場・国債などから富を得る資本家で、大半は簡単には国を捨てられない。子弟は軍を通じて国家への忠誠を共有する。
また富裕な人は、革命で首を斬られることも恐れている。
それで国家は、富裕な人からは高い税を、貧しい人は労働力・徴兵と引き換えに参政権と中流になれる富も与えた。

新しい時代。
富裕層が、事実上国から自立してしまう。
そして普通の人の仕事も、機械と極貧国労働者の双方との競争で底なしに下がる。
国家は、富裕層からは税金を取れなくなる。戦争では普通の人を必要としなくなる。

普通の人・富裕な人・国家…三つとも満足させることはできない。
富裕な人から税金を取って、普通の人にばらまいて中産生活を続けさせるか。
富裕な人が国から逃げて、国家ごと普通の人を捨てるか。
それとも、国家という幻を堅持し、富裕な人の贅沢も維持し、そのために普通の人を捨てるか。

…富裕な人が新しい時代には最強のプレイヤーです。普通の人はもちろん、国家よりも強い。

新しい時代には、普通の人は抹殺対象になるしかない…ほかにどう考えればいいのでしょう。